SNSばかり使ってしまう人の性格
皆さんは1日に何時間くらいSNS上で過ごしているでしょうか。その時間は,周囲の人たちよりも長い方だと思いますか?それとも短い方だと思いますか?
SNSで人の書き込みを見たり,書き込んだり,また個人どうしでやりとりをしたり,毎日どれくらいその中で交流が行われているのかと考えると,本当に膨大な情報量の流れです。
研究の難しさ
SNSを使う程度と性格との関連を検討した心理学の研究も結構あって,毎年のように論文が出版されています。このテーマ,最近の卒論などでは定番のものではないかと思います。
ところが,難しい問題のひとつは,なかなかうまくデータを得ることができない点にあるのですよね。
本当であれば,調査の対象者がどのアカウントを持っていて,どんな内容の書き込みやどんな活動をSNS上でしているのかを確認したいのです。でも......こういうご時世ですので,「はい,これが私のアカウントです」とすぐに教えてくれるわけでもなく,隠して運営しているアカウントもあったりして,情報を集めることが難しくなっています。
とはいえ,世界では工夫しながらいろいろな調査を行なって研究が行われて,論文が報告されています。そして,SNSと性格との関連についても,わかってきたことがあります。
メタ分析研究
いったい,SNSの使用と性格(パーソナリティ)との間には,一貫して安定した関連は認められるのでしょうか。
ビッグ・ファイブ・パーソナリティと,ビッグ・ファイブの上位2次元に注目してSNS使用との関連を検討した研究があります。ということで,この論文(The Big Five personality traits, Big Two metatraits and social media: A meta-analysis)をみてみましょう。
この論文のもうひとつのポイントは,過去の研究を統合するメタ分析を行っていることです。メタ分析を行うことで,統計的に有意な結果だけが報告されているのか,あるいはそういった可能性は低いのかという問題についても検討することができます。
文献は2016年3月に検索されています。最初はキーワードの検索で5000本以上の研究がヒットしたそうですが,そこから文献を選んでいきます。最終的には33本の論文がメタ分析に使われたそうです。
様々な活動
SNSの使い方と言っても,色々な測定方法で,色々な場面について測定されています。プロフィールのアップデートとか写真の掲載やプロフィール写真の置き換え,「好き」ボタンの頻度や投稿頻度,閲覧時間等々です。これらをうまくまとめないと,メタ分析を行うことができません。とはいえ,「より多くの頻度や時間をSNSで過ごす」という観点であれば,いろいろな行動の程度をまとめることができるようにも思います。
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