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小説:惑いの森 中村文則

4/1読了

感想の書留、ネタバレ注意。

この著者の作る物語は救いのない闇の一言に尽きる気イメージやったけど、ちょっと違う一面に触れられた一冊になった。

裏表紙に、著者史上もっともやさしい作品集ってあるけど、やさしいの言葉とは違った一面やった気がするなー。

ちょっとファンタジーじみた曖昧で不条理で影側の世界の寂しい物語が詰まった短編集。

短い物語でこんなにも心が揺さぶられることってあるんやね。

精神的な強さとは、鈍感さだろうか?

中村文則さんの作品の登場人物の台詞とか考え方にはたびたびハッとさせられる。

さすが重苦しい内容のものが多い、ほんで完全に理解しきれへん内容のものも多いんやけど、それがまた胸をつく何かになる。

ちょこちょこ挟まれるNのストーリーがもうほんっまに最高。ユーモア溢れてたな。

どれも良かったけど、個人的には老人とネコと処刑器具と惑いの森とNのストーリーが好きでした。

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