八丁味噌
八丁味噌というと、くだんの赤い味噌である。
名古屋で生まれ育った者にとっては、ごく当たり前な味噌であるが、他の地域の人からは相当奇異な物らしい。その証拠にスーパーでもほんの少ししか棚にない。
まああの色だ。
無理からぬことかも知れない。
大豆と塩と水のみで作られる味噌であって、米麹を使わない。蒸した大豆に大豆麹を生やして2年以上熟成させる。
岡崎城から西に八町ほど(おおよそ870メートル)の距離にある旧八丁村の地名に由来するとされている。
岡崎出身の徳川家康は健康オタクだったとして知られるが、そのベースになるのが「麦飯と豆味噌」だったとされ、その時代には岡崎で豆味噌が製造されていたと考えられている。
「まるや八丁味噌」と「カクキュー」の蔵がある辺りは「八丁蔵通り」と呼ばれている。
「まるや」の創業は1337年にまで溯ると言う。
1、2番目の写真の通りは旧東海道で、まさに街道沿いの目抜き通りにあったわけだ。
「八丁味噌」の名称をめぐって愛知県味噌醤油工業協同組合と、この「まるや」と「カクキュー」は揉めていたが、今年(2024年)に「まるや」の上告が棄却されたので、組合員でない「まるや」は2026年以降「八丁味噌」の名称が自由に使えなくなる。
まあ争議のきっかけは。この2社が「八丁味噌」を商標出願したことなんだけれども、もともと元祖・老舗といえばこの2社という認識だったから、なんか変な話だねェ...。
まあ口にできてれば別にいいんだけどもさ。