にしんそば(427回目)
昼飯は両国駅にある「やぶ久」でにしんそばを食った。
ぼくが初めてにしんそばなるものを食ったのは奈良だった。
歴史好きの父に連れられて石舞台や高松塚などの古墳を見て歩いたことがあって、その昼飯に入ったそば屋で食ったのだ。
そばに魚がどんと乗せられている。
そんなのは初めて見たのだ。
お父さん、これなに？
「にしんそばだがや」
にしんそば？
小学生だったと思うが、その旨さに喫驚したのだ。
名古屋に帰ってから、そば屋に行く機会があればにしんそばを探すのだけど、まず見当たらなかった。
大人になってから京都で食ったにしんそばも旨かった。
通りすがりの思いつきで入った店だったが、にしんが甘く炊いてあって、薄口の汁によくあっていた。
一緒に頼んだ焼きおにぎりも実に旨かった。
東京ではまだ、それらを超えるにしんそばには出会っていない。
今日のものも決して旨くないわけではなくて、むしろ旨いのだと思うのだが。
ごちそうさん。