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私たちは食べたもので出来ているvol.2#064

こんばんは。
佐伯です。
本日はクリスマスイブですが皆様は如何お過ごしでしょうか?
私は家族とゆっくり食事を楽しみました。
先日購入したワインも飲んでみたところとても美味しかったです

さて、毎週土曜日は食について様々な角度から検証していく連載を始めたいと思います。

私は仕事柄、様々な食品に関わることがあります。
一つの製品に生産者様やメーカー様のこだわりや信念など、様々な思いが込められております。
これが製品の美味しさや健康への配慮、地球への配慮など様々な面でも思いが反映されています。

一方でビジネスなので長期保存が可能にしたり、見栄えが良くなるような着色など様々な天然物質や化学物質が使用されています。
これらは食品添加物と一括りにされますが、多種多様であり使用が許可される種類、容量は各国で異なります。

という訳で、最初のトピックは最も一般的な添加物である「防腐剤」について解説したいと思います。
皆様、冷蔵庫にある食品のパッケージ裏面を見て下さい。
「防腐剤」なんて書いてないでしょう。
でも食品が1ヶ月も2ヶ月もそのままで食べれるなんて不思議ですよね。
では「防腐剤」はどこに消えたのでしょう。


①防腐剤はどこに消えた?

パッケージの裏面をご覧下さい。
色々な素材が列挙しているかと思います。
その中でこんな記述がありませんか?

「ベンゾ酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラベン類」

出典:Wikipedia「ソルビン酸」より

これらは合成防腐剤と呼ばれ自然界には無い物質です。
合成防腐剤は、製品の腐敗や微生物による汚染を防ぐために使用されます。これらは、バクテリア、カビ、酵母などの微生物の成長を抑制または殺滅することで、製品の安全性と保存期間を延長します。
主にソーセージやかまぼこ、ワインなどに含まれています。

そして忘れてはいけないのはpH調整剤です。
一見何だか分からない物質ですがこれも立派な防腐剤です。
正確には製品の酸性度やアルカリ度(pHレベル)を調節し製品の風味、色、質感、安定性を改善する目的で行われます。
特に食品や飲料では、適切なpHレベルに保つことで、風味や保存性が向上します。

酸性にするかアルカリ性にするかで材料が異なる点も特徴の一つです。

  • 酸性pH調整剤:クエン酸、酢酸、リン酸など。酸性の環境を作り出すために使われます。

  • アルカリ性pH調整剤:水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなど。アルカリ性の環境を作り出すために使われます。

中々に化学な世界観ですね。
少し口に入れるのが憚られるように感じますが、その感覚は正しいのでしょうか?
そもそも防腐剤は人類に貢献しているのでしょうか。
次はその視点から掘り下げたいと思います。

②人類と防腐剤の付き合い

人類の歴史は飢餓との戦いと言っても過言ではありません。
そのため世界中で保存食が開発され普及しています。
時代は古代文明まで遡ります。
元々は塩漬けや燻製、乾燥など微生物の活動を抑制し食品の腐敗を遅らせていました。それにより厳しい冬を乗り越えることが可能になり、人類は現在まで繁栄することができました。

また食品以外で有名なところでは、エジプトのミイラです。
これも王家の遺体を後世に残すため防腐処置が施されました。
宗教的な意味合いも大いにあるので詳しくは触れませんが、こう言った技術ものちの食品へ転化され長期保存を可能にする礎となりました。

中世までは主に天然の防腐剤「塩、砂糖、酢、蜂蜜」などが使用されていました。
しかし、近代(19〜20世紀)になり化学と微生物学が発展したことにより現代でも使用されている「ベンゾ酸ナトリウム、ソルビン酸、パラベン」が開発され飛躍的に保存期間が伸びました。

これにより人類は今まで未開の地と呼ばれる土地に進出することが可能になり活動範囲を大幅に広げることに成功したのです。
また、15世紀後半から17世紀に起きた大航海時代では十分に防腐処理がなされないまま食品や水が搬入され多くの船員が栄養失調や飢餓で命を落としました。
この時代の経験が近代での合成防腐剤開発に大きく関与したのは言うまでもなく無いでしょう。

しかし、技術の発展には影もあります。
一部の人々は特定の防腐剤に対してアレルギー反応を示すことがあります。皮膚発疹、かゆみ、呼吸困難などの症状が現れることがあります。
また、発がん性についても指摘があり、現代では各国は防腐剤の使用について厳格に使用量を定めています。

③防腐剤は悪なのか?

私の意見ですが、決して悪ではありません。
通常の医薬品と同様に使用量を守って摂取すれば健康被害も最小限に留められます。
また、現代では天然の防腐剤の研究も進んでおりより健康に良い製造方法も確立しています。

良くある話かと思いますが乱用が危険なのです。
腐敗しかけの屑肉を集め防腐剤と着色料と香料を混ぜてナゲットなどの加工品を製造する悪質なメーカーもいます。
つまりこれからの時代は何を買うかではなく、誰から買うかがとても重要なのです。
安いものには安いなりの理由があります。
本来は高いものが安くなっているのにも理由があります。
実は金融リテラシーと食品の安全性は密接に関係していると私は考えます。
皆様も、ご自身が口にしている食品のパッケージを裏返してみて見て下さい。
意外と、驚くべき真実が隠されているかも知れません。

それでは皆様、ご機嫌よう。


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