タイトル案は「34個」ありました。
今回はどのようにして「耳元の鈴を鳴らさない!」というタイトルになったのかを記事にしてみます。
そもそも本編を読んでいない皆さまにとってはワケの分からないことを言っているように聞こえますが、
タイトル決定で現在お悩みの方々の参考程度になればいいかな
くらいの気持ちで綴っていきたいと思います。
まずはじめに、
今からお伝えするタイトル34個は半分くらいがやっつけで生まれたものでした。
それを編集の早野さんといっしょに並べて試行錯誤したのですが、
この時まだ早野さんは本編を読んでいませんでした。
先にタイトルから決めちゃおう。
と、なったのです。
焦燥を覚えたのは否めませんが、
何はともあれ「耳元の鈴を鳴らさない!」という素晴らしいタイトルに巡り合えました。
今のところはこのタイトルすごく気に入っています。
「なにこれ面白そう」
が、タイトル決めでは必要です。
本編を読んで「ああなるほど、そういう意味だったのね!」
は、しっかりとチャネルが練られた上でのタイトル決定です。
『君の膵臓をたべたい』は販売前にいくつも促進活動がなされていたので、一般人には間違いなく真似できないかと思います。
皆さんもご存知の作品を例に挙げますと
『桐島、部活やめるってよ』『心が叫びたがっているんだ。』は
あらすじとの合わせ技が異常です。
田舎の県立高校。バレー部の頼れるキャプテン・桐島が、理由も告げずに突然部活をやめた。そこから、周囲の高校生たちの学校生活に小さな波紋が広がっていく。バレー部の補欠・風助、ブラスバンド部・亜矢、映画部・涼也、ソフト部・実果、野球部ユーレイ部員・宏樹。部活も校内での立場も全く違う5人それぞれに起こった変化とは…?
「やめるってよ」と、部活を辞める手前の桐島を軸に展開される物語を連想させているのに、あらすじは「部活をやめた。そこから起こった変化とは?」になっています。
部活を辞めようとしている人をどうこうしようとする物語ではないんですよ。
と言っているみたいなあらすじと
桐島が部活をやめるらしいよ
という校内での会話が混ざり合ってない合わせ技がとても巧妙だと思います。
タイトルとあらすじで時間軸をずらしているのは「なにこれ面白そう」に直結します。
言葉は人を傷つける――幼いころ、何気なく口にした言葉がきっかけで家族がバラバラになってしまった成瀬順は、突如現れた“玉子の妖精"にお喋りを封印する呪いをかけられてしまう。それ以来、トラウマを抱え目立たないように生きてきたのだが、クラスメイトの拓実、菜月、大樹と共に「地域ふれあい交流会」の実行委員に選ばれてしまった。さらには出し物に決まったミュージカルの主役にまで抜擢されて……。
こちらは三木一馬氏も同じことをおっしゃっていましたが、わたしなりに嚙み砕くと、
あらすじ「喋れなくなったヒロインがミュージカルの主役に選ばれる」×タイトル「心が叫びたがっているんだ」
は、微妙にマッチしていません。
「え? なにこのタイトルどういうこと?」に、直結します。
もっと言うとタイトルは青春ジャンルを連想させているのに、ヒロインは喋れないというあらすじにもなっていて面白いですね。
「喋れないのにミュージカル?」「喋れないからこそミュージカル?」
「喋れないのに叫びたい?」「喋れないからこそ叫びたいの?」
扉の向こうにはどんな物語が待っているんだろう?
お客さんは気になってしまい、自らの意志で扉を開けて入ってきます。
わたしも真似してみたいです。
あと、書店に並んでいる本は『帯』との合わせ技ができるので、これも一般の方々には真似しにくいものになっています。
書店は初速が良いものを好みます。出版社もそれを意識した帯を作ります。
とどのつまり、わたしの結論は、
シンプルに「なにこれ面白そう」を起こしましょう。
です。
最近でファーストインパクトが強かったタイトルをいくつか挙げてみたいと思います。
『俺、ツインテールになります』
『文句の付けようがないラブコメ』
『魔法? そんなことより筋肉だ!』
『私が大好きな小説家を殺すまで』
どうしたらこんなタイトル思いつくのか訊いてみたいです。
一発で「ん⁉」ってなっちゃいます。
長くなってしまってすみません。なにを話ているのでしょう。
大幅に脱線してしまいました。
次回へ続きます……。
次回「脅威! 34個のやっつけタイトルの数々!!」
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