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2拠点生活

子どもたちが社会人になり、子育ての責任が終わったタイミングでコロナが流行った。

関東に住んでいる為、故郷へはなかなか行きづらい世の中になり、しかし、故郷の母との時間はあまり残されていない。

母との時間を少しでも長く取るために故郷へ移住を決めた。

コロナで準備は遅れたが、いよいよ春からは住めると計画した矢先…

母が他界した。

転んで大腿骨を骨折し、手術した事で持病の悪化に繋がりあっという間だった。

葬儀には出る事が出来たが、移住直前の出来事で悔しさでいっぱいだった。

しかし、49日までにやる事は沢山あるし、母の為にやる事はこれからもまだある。

予定通り移住先の家に住む事にした。

関東から大きな荷物は引っ越し屋さんに依頼し、すぐ必要な物を積んで車で24時間かけて移動した。

足りない物の買い出しや家作りなど毎日疲労困憊で生活が落ち着くまで一ヵ月はかかった。

それでも関東には持ちマンションがあり、娘が住んでいるので全て引っ越した訳ではなく移住は楽だった。

何より、リホームした何もない家に新しいものを運び入れるのってすごくワクワクするし、楽しい。

洗濯機、冷蔵庫、テレビなどの大型家電は以前住んでいた方のをそのままいただけたので、後はソファや布団を新しく買っただけで、テーブルや椅子、食器や家電はわたしの前職のカフェのものを持って行った。

カフェは夢を実現して三年せずに廃業したが捨てた物はなく、食器や家電、そして何より経験とカフェをやった事に無駄は一つもなかった。

さて、一番大事な事だが、移住するって仕事も全て変わるって言うほどわたしたちはチャレンジャーではない。

一緒に移住をする相方さんは個人経営の社長で従業員を2人雇っている。その2人を辞めさせて廃業する訳にもいかず、とりあえずは当面リモートで移住先では受注とスケジュール調整、事務仕事と担当し、実労は従業員さんにやってもらいながら経営してみた。

意外と出来てしまい、収入も減りはしたが暮らせない額ではなかったので、このままいける自信もついた。

これ、まさに今流行りのリモートワークだ。

しかし、もし、従業員さんが辞めてしまい、最低賃金が840円の田舎で今後仕事を引退するまで15年…

かなり厳しいと思うので本業の仕事を回す必要がある。今のキャパを増やし、従業員さんの士気も上がるようパートさんを雇う事にした。

ちょうど移住先の生活が落ち着いた頃、6月.7月の繁忙期前一度戻り、パートさんの教育をする事にした。その間に移住先での当面の生活費も稼ぐと一石二鳥だ。

現在は関東に居住中。こちらは長年住んだから友人も多いし、かかりつけの病院もあるし、この間やる事は沢山ある。

そんな中、心に変化が現れた。

関東にいた時は時々行く故郷に良さを感じ、母の介護もあり移住を決めたが、いざ関東に帰って来てみると、都会の便利さに改めて感動し、今は母の介護もなくなり、故郷へずっと移住する意味もなくなってしまい、故郷での生活費を稼ぐ仕事への準備も出来ていない不安もあり、こうやって繁忙期に関東に戻り、お金を稼ぎ、繁忙期が終わればまた故郷へ帰る2拠点居住が一番よいのでは…と、思い始めた。

また7月後半には故郷へ帰るつもりだが、当面いるのでその間に故郷で仕事を探す、または起業し関東での本業をいつ廃業しても安定出来るように5年はコツコツ頑張っていかなきゃいけないと思っている。

石の上にも三年と言うが、仕事である程度成功するには5年はかかる。

移住って全て生活を移すって事で、そのつもりでいたけれど、あえて『居住』と言う言葉に変えて『2拠点居住』生活を楽しもうと決めた。

その方が新鮮だし、旅好きのふたりは移動中(交通手段は車にすると)あちこちへ旅をしながら行き来出来るから更に人生が楽しくなる事間違いない。

もう子どもへの高い学費もいらないし、後は自宅の固定費と生活費だけ。なんとかなりそうだ。

わたしはどこにいても収入になる仕事を今模索している。

クリエイターって一番いいなと憧れる。その才能はわたしにはないが、諦めずに出来る事を色々やってみようと思う今日この頃である。

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