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転職・再入社を経て、より客観的な視点で自分の仕事を見られるようになった。

 ヒューマングループ各社には、過去に自社で活躍していた人材を再び雇用するアルムナイ採用制度があります。この制度を活用し、かつての職場に戻ってきた社員に皆さんに、退職と再入社の経緯や再入社後の心境の変化、今後の目標などについて本音で語っていただきました。

ヒューマンアカデミー株式会社 国際教育事業部 ヒューマンアカデミー日本語学校|遠藤 勇也さん

――前職では、どのようなお仕事をされていたのですか?

 2014年にヒューマンアカデミー株式会社に入社する前は、旅行業界にいました。英語力を活かして、英語を使う仕事に就きたいというのが、旅行業界を選んだ理由です。前職ではホテル予約サイトの営業をしていましたが、外国籍の個人のお客様と直接とコミュニケーションを取るような仕事をしてみたいと思い、日本語学校を運営するヒューマンアカデミーに入社しました。

――ヒューマンアカデミーでは、どのようなお仕事を?

 入社後はヒューマンアカデミー日本語学校東京校に配属され、個人のお客様の中でも日本ですでに生活していらっしゃる方たちの日本語教育に関するカウンセリングを担当していました。その業務と兼務で行っていたのは、外国籍の社員を採用する企業に対する法人営業です。お客様のカウンセリング業務では、海外で日本人と結婚されて日本に来られたり、ご家族が日本で働くことになって来日されたりと、さまざまな事情から日本で暮らすことになった外国人の方々と接することができ、興味深かったです。
 一方、法人営業の仕事では、当時はダイバーシティの機運が高まっていたり人材不足の問題があったりで外国籍の社員を採用する動きが盛んになっていた頃だったので、大手企業からの問い合わせも多く、プレッシャーはありましたがやりがいも大きかったですね。入社後約6年間は、個人のお客様への営業と法人営業を兼務していました。その後はジュニアマネージャーとして、営業チーム全体のマネージメントに携わりながら自分自身も1プレーヤーとして営業活動に従事していました。

――退職されたのは、どのような理由からですか?

 私が退職したのは2022年ですが、その2年前からコロナ禍が拡大し、留学生の受け入れができなくなっていました。そのため、私たちの部署のメンバーは他の事業部に異動して別の業務に就くことになり、私は行政営業部に配属されました。自治体や官公庁を中心とした営業を行う部署で、とても働きやすい環境ではあったのですが、それまで積み上げてきた自分のキャリアや経験が一度リセットされてしまったような感覚がありました。
 そんな中、あえてこれまでとは対極にある環境で、業種も職種も違う仕事をしてみたいと考えるようになりました。私が興味を持ったのは、有形商材を扱うメーカーで、規模はあまり大きくない企業です。これまで私は旅行や教育など無形商材を扱ってきました。無形商材はサービスの提供に関わる人によって顧客体験も変わってくるなど、形がないものだけに捉えどころのない部分がありますが、有形商材は形があるものなので、自分も一消費者としてユーザー視点で商品に関わることができるのではないかと思ったのです。

――転職先はどのような会社で、どのようなお仕事を?

 ベビー用品やペット用品を製造する中小メーカーに転職し、商品企画からプロモーション、マーケティングなど幅広い業務を担当させていただきました。転職前に「こんな仕事をやりたい」と思い描いていたことの多くは実現できましたが、一方で中小企業ならではの限界を感じる面もありました。

――具体的にはどんなことでしょう?

 会社として持っているリソースを考えたとき、中小企業は自社のリソースが少ないだけではなく、認知度やパートナーとなる事業者とのネットワークなど、活用できる外部のリソースも限られていると感じました。転職前には気づきませんでしたが、ヒューマンアカデミーにいたときは自分の力だけではなく、会社が持っているさまざまなリソースに助けられていたんだなと実感しました。
 また、転職して半年後に第一子が誕生し、自分の中で仕事に対する価値観が変わったことも、立ち止まって考えるきっかけになりました。以前は、仕事を通じて会社や社会にどのような価値を提供できるか、自分が仕事にやりがいを感じられるかを最も重視していましたが、それらに加えて、経済的な意味も含めていろいろな意味で子どもをしっかり育てなければいけないという責任感も芽生えてきたのです。

――立ち止まって考えた結果、元いたヒューマンアカデミーに戻ることを考えるようになったのでしょうか?

 退職前からヒューマンアカデミーの同僚や上司とは人間関係が良好で、転職後もたびたび連絡を取る機会がありました。自分から戻りたいと伝えたわけではありませんが、たまたま話の流れから、私がコロナ前までいたポジションに欠員が出ていると伝えられ、「どうですか?」とお誘いをいただいたのです。
 ちょうど私自身も新しい職場で難しさを感じていた部分もあり、「そんな機会をいただけるならお話を聞いてみたいです」とお返事しました。それが2023年6月のことです。

――そこからアルムナイ採用で再入社という流れに進んだんですね。

 はい。とてもスピーディーな展開で、「話を聞いてみたい」とお返事した翌日には営業本部長と事業部長から直々に「一度会って直接話をしたい」とお声がけいただき、2日後には面談しました。その場で「戻って来ないか?」とお誘いいただき、自分の判断だけでは結論を出せないので、1~2週間の猶予をいただきました。家族にも相談したところ、妻も前向きに捉えてくれて、8月のお盆明けからいまの職場に戻りました。

――ヒューマンアカデミーに戻ったときの印象はどうでしたか?

 1年半くらいのブランクがあるので、ギャップを感じるかもしれないと思っていましたが、出勤初日に最寄りの高田馬場駅に降り立った途端に、以前の感覚が戻ってきました。以前からよく知っているメンバーもたくさん残っていますし、職場に慣れるのに時間はかかりませんでした。

――再入社後、仕事に対する考え方などに変化はありましたか?

 より客観的に、自分たちが関わっているサービスを見ることができるようになりました。転職先で有形商材の商品企画やプロモーションを経験したことで、有形商材ならではの制限があることや、無形商材ならではの強みや可能性があることに気づきました。また、いったん外に出たことで、ヒューマンアカデミー日本語学校ならではの強みにも気づきました。他の日本語学校と比べ、当校は対象者をあまり限定せず、留学生だけでなく生活者や企業研修、地方自治体が行う外国籍の住民を対象とした日本語講座など、幅広い日本語教育サービスを提供しているのが強みです。そうした新たな気づきを得たことで、以前とは違う視点から仕事を捉えられるようになったと思います。
 そうした自分自身の姿勢や見方の変化とは別に、コロナ禍を経て市場環境も変化しました。いい意味で、これまでの知識や経験が通用しないので、私にとっては新しいチャレンジだと感じています。昔から親しんできた仕事に新たなチャレンジが加わり、いまは新鮮な気持ちで仕事に取り組めていますね。

――アルムナイ採用には、どのようなメリットがあると思いますか?

 雇用する側と働く側の双方にとってメリットがあると思います。かつて働いてきた人は、会社が持っているリソースや組織内外の人のネットワークにアクセスしやすく、以前に働いてきた中で知識や経験の蓄積もあるので、より活躍しやすいですし、それが本人の仕事のやりがいにもつながるでしょう。雇用する会社側にとっても、そうした人材に活躍してもらうことは多くのプラス効果があると思います。

――最後に、今後の夢や目標について教えてください。

 現在は事業部の1つの部門に携わっていますが、将来的には日本語教育を広く俯瞰してサービス全体を設計するような仕事に関わっていけるようになりたいと思っています。ただ、私自身は、具体的なゴール設定はあえてしないようにしています。遠くの目標やゴールをあらかじめ決めてしまうよりも、いま自分が関わっていることに集中し、コンスタントに安定して向き合うことが大切だと考えています。現在、私が担当しているチームは、リーダーが欠員の状態が半年以上続いていたので、まずはチームづくりをしっかりやることから取り組んでいます。私たちのチームは、事業部の中でも学習者との接点が多い部署なので、きめ細かいサービスを提供することがお客様の満足度につながると思っています。

<遠藤 勇也さんプロフィール>
ヒューマンアカデミー株式会社
国際教育事業部 
ジュニアマネージャー
大学卒業後、旅行業界に入り、2社で営業を経験。2014年、ヒューマンアカデミー株式会社に中途入社。国際教育事業部 ヒューマンアカデミー日本語学校にて、日本で生活する外国人の日本語教育に関するカウンセリングと、法人営業を担当。2020年、行政営業部に異動し、自治体向け営業を担当する。2022年6月、ヒューマンアカデミーを退職し、ペット・ベビー用品メーカーに転職。商品企画やプロモーションを手がける。2023月8月、ヒューマンアカデミーに再入社。国際教育事業部にてカウンセリング営業に従事しながら営業チームのマネジメントも担当する。


※2024年7月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。
 肩書き・部署名等は取材時のものとなります。

<ヒューマンアカデミー株式会社・会社概要>

 ヒューマンアカデミーは、学びの面白さを提供する「Edutainment Company」として、1985 年の創設以来、時代や社会の変化にあわせながら800以上の講座を編成しました。未就学児童から中高生・大学生・社会人・シニア層とあらゆるライフステージにおけるSTEAM教育やリスキリング、学び直しの支援を行っています。
 さらに、独自の「ヒューマンアカデミーGIGAスクール構想」を推進し、学習支援プラットフォーム「assist」を開発。SELFingサポートカウンセラーと講師が、個別に学習目的や目標にあわせた進捗管理や相談などの学習サポートをします。私たちは、常に最先端の教育手法やテクノロジーを取り入れ、学びの喜びを追求し最高水準の教育サービスを提供していきます。