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オテサーネク

チェコとイギリスの合作映画。
乃木坂の中西アルノちゃんが観たらしいのでつられて観ました。

※ややネタバレを含みます。

テーマ

たぶん、この映画のテーマはないです。
というのも、もともと「オテサーネク」はチェコのお伽話らしいです。
「赤ずきんちゃんのテーマは?」と聞かれても困らないでしょうか?
その感じだと思います。
もしかすると深い意味があったのかもしれませんが私には汲み取れませんでした。
まあ、ホラーなのではなから気にしてません。

ストーリー

前述したように、この映画はお伽話がベースとなっています。タイトルは同じ「オテサーネク」で、意味は「食人木」。ホラー系のお伽話ですね。

映画の前半80%はほぼほぼ原作と同じだと思います。映画自体もオテサーネクというお伽話がある、という前提で進んでいます。

子に恵まれない夫婦と、妹や弟が欲しい女の子の、赤ちゃんに対する強い執着を描いた映画です。夫婦の執着により、ただの木の根っこに命が宿るのですが、徐々に異様な食欲と凶暴性を見せ始めて…

というお話です。
命の宿った木の根っこを「オテサーネク」と呼びます。

システム(≒構造、世界観)

かなり王道な、クラシカルなホラーです。オテサーネクの凶暴性がエスカレートしていくが、赤ん坊への執着のせいで殺す事ができない、という展開で進んでいきます。

キャラクター

かなり王道な、クラシカルなキャラクターが出てきます。木の根っこに狂気じみた愛情を示す妻と、妻に振り回されながら狂っていく夫、外部から状況をかき回してくる純粋な残酷さを持つ女の子という、強いキャラクターによってイベントが起こります。

演出

この映画の最も特徴的な点、というか、私が好きな点は演出でした。こちらもかなり王道な、クラシカルなものだと思います。2000年の映画なので、20年以上前(2000年代なのに20年以上前…!恐ろしい…)ですが、とはいえ明らかにカメラワークやBGMが古臭い。
おどろおどろしい音楽をかけ、グッと顔に寄り、目をカッと見開き…とクラシカルな演出が多い。しかしそれが嫌ではないのです。

言い忘れていましたがこれは実写映画です。 食人木のオテサーネクですが、これの再現が面白い。普通、実写であればCGや着ぐるみなどでやるものです。しかしこの映画では、まさかの、本物の木の人形を少しずつ動かして撮影する「コマ撮り」で再現しているのです!

この人形劇的撮り方が影響することで、全体のクラシカルな演出が一種のノスタルジーや可愛らしさを醸し出していました。しかし、これはホラー映画。そのノスタルジックな雰囲気と可愛さが気味の悪さになっていました。

何とも巧妙な映画でした。これは確かにお伽話ならでは、ですね。


ただ、2時間以上はちょっと長いかな笑
(私の感性的に汲み取れない事があっただけだとは思いますが)

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