
#6 カンピ礼拝堂:ヘルシンキ(フィンランド)
ヘルシンキ中心部のショッピングエリアにあるカンピ礼拝堂。高さ11.5mのころんとした独特な形は、クラシックな石造りの建物やビルに囲まれた広場で、異彩を放っています。
外壁はコーティングされたトウヒで出来ています。フィンランドで、トウヒはクリスマスツリー🎄の木だそうです。
この礼拝堂ではミサや結婚式などの宗教的行事は行われず、訪れた人が、平和と静寂のなかに身を置いて祈るために開放されています。
内部は、木の肌合いが美しいハンノキ。 木の温もりを感じ、木漏れ日を浴びながら森の中にいるような気持になります。
シンプルな祭壇
運営は、ルーテル教会と市の社会福祉・医療局が共同で行っています。ロビーに職員が常駐しており、予約なしで助けが必要な人の相談に乗ってくれます。 大きさの割にスタッフが多いように感じていましたが、そういうことだったのですね・・・ フィンランドはうつ病になる人も多かったりしますから、生きる意味を見失ったり、自分で人生を終わらせてしまわないように、社会的なケアを重視しているのでしょう。 こんな取りくみも「世界幸福度No.1」を支えている気がします。
大小の石(岩)のような形のクッション。フィンランドの人は、石も大好きですよね。大きさも様々で楽しい♪
上にいくほど幅が広くなっていて、窓がないのに圧迫感がありません。柔らかな自然光が降り注く天井は、防音効果のある石膏ボード。
訪問者の多い礼拝堂ですが、不思議なことに、しばらく座っていると、誰もいなくなる瞬間が必ずあります。完全な静寂のなかで、言いようのない多幸感に包まれます。
無音の豊かさ・・・
ほんのわずかな時間しかいられなくても、旅の興奮でざわざわしていた心が、すーっと落ち着きます。 ヘルシンキ滞在中、何度となく足を運びたくなるような礼拝堂です。
<カンピ礼拝堂:Kampin Kappeli 公式サイト>
<お断り>現在、カンピ礼拝堂は撮影禁止となっています。