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ガッレンカッレラ美術館(フィンランド)

自宅兼アトリエだった個人ミュージアムを訪ねるのが好きです。作品そのものから受ける印象とは異なる芸術家の人生が垣間見え、距離が少し縮まった気持ちになります。今回はフィンランドの国民的画家アクセリ・ガッレンカッレラ(1865-1931)の美術館です。

ガッレンカッレラといえば民族叙事詩「カレワラ」シリーズが有名です。フィンランド国立博物館のカレワラを描いたフレスコ画も、彼が手掛けました。

画像:Wikipediaより



美術館はヘルシンキの郊外、アアルトの自邸があるムンキニエミから更に西の、緑豊かな高級住宅地にあります。 

Gallen-Kallelan tie 27, 02600 Espoo


木でいた屋根と4階建ての塔が特徴的な建物は、ガッレンカッレラ自身が設計したそうです。何となく塔がムーミンハウスみたい? こじんまりした古いお城のような雰囲気を感じます。

1913年完成


出窓も素敵


緑一杯の広い敷地にはオブジェも置かれています。Laajalahti湾に向かってなだらかに傾斜し、彼が設計したスモークサウナもありました。


窓際の展示ケースには、絵の具や画材が並んでいました。


広いダイニングホール

正面の奥はイーゼル置き場


個人的な興味で撮った1枚。他にもフィンランドの美しい自然や妻メアリーなど、カレワラ以外の作品も展示されていて、ガッレンカッレラが前よりもっと好きになりました。

このハイポジションとボーイングは、きっとチェロが上手な人ですね♪


従軍経験もあり、軍服のデザインにも関わっていたそうです。 

民族的アイデンティティを反映したデザイン


邸宅のサロンには作曲家のシベリウスも訪れていました。よく響きそうな木の床です。シベリウスはここでピアノを弾いたのかしら。他にもマンネルハイムサーリネンなど、錚々たる顔ぶれが常連だったようです。


塔を上る階段。  幅の狭いところが秘密の隠れ家みたいで萌えスポット。


サロンのソファや椅子も青色だから、青が好きだったのでしょうか。白と青の組み合わせはフィンランドの国旗と同じ色ですね。


こんなスペースがあったら、自分もおこもりしたい・・・ ガッレンカッレラはパリ留学経験もあり、フランスとフィンランドをよく行き来していたそうです。妻のメアリーに送った手紙が展示されていました。


窓の外に見える建物は、カフェ・タルヴァスパー。 私たちが訪れたときは閉まっていましたが、ここをお目当てに行くのもオススメです❤ カフェからも湾が良く見えます。


SOMPO美術館の「北欧に神秘展」(2024年)に、「画家の母」が展示されていました。少しずつ日本でも知られてきているようですね。

1896 年 スウェーデン国立美術館所蔵
画像:SOMPO美術館公式サイトより


最近国立西洋美術館に収蔵された「ケイテレ湖」は、透明感が素晴らしくフィンランドの湖そのもの。西洋美術館さん、購入してくれてありがとう~と言いたい! いつか本物を見に行かなくちゃ。 

画像:https://ims-create.co.jp/art/2881/より


<公式サイト> 


< Café Zoceria Tarvaspää>