ガッレンカッレラ美術館(フィンランド)
自宅兼アトリエだった個人ミュージアムを訪ねるのが好きです。作品そのものから受ける印象とは異なる芸術家の人生が垣間見え、距離が少し縮まった気持ちになります。今回はフィンランドの国民的画家アクセリ・ガッレンカッレラ(1865-1931)の美術館です。
ガッレンカッレラといえば民族叙事詩「カレワラ」シリーズが有名です。フィンランド国立博物館のカレワラを描いたフレスコ画も、彼が手掛けました。
美術館はヘルシンキの郊外、アアルトの自邸があるムンキニエミから更に西の、緑豊かな高級住宅地にあります。
木で葺いた屋根と4階建ての塔が特徴的な建物は、ガッレンカッレラ自身が設計したそうです。何となく塔がムーミンハウスみたい? こじんまりした古いお城のような雰囲気を感じます。
出窓も素敵
緑一杯の広い敷地にはオブジェも置かれています。Laajalahti湾に向かってなだらかに傾斜し、彼が設計したスモークサウナもありました。
窓際の展示ケースには、絵の具や画材が並んでいました。
広いダイニングホール
個人的な興味で撮った1枚。他にもフィンランドの美しい自然や妻メアリーなど、カレワラ以外の作品も展示されていて、ガッレンカッレラが前よりもっと好きになりました。
従軍経験もあり、軍服のデザインにも関わっていたそうです。
邸宅のサロンには作曲家のシベリウスも訪れていました。よく響きそうな木の床です。シベリウスはここでピアノを弾いたのかしら。他にもマンネルハイムやサーリネンなど、錚々たる顔ぶれが常連だったようです。
塔を上る階段。 幅の狭いところが秘密の隠れ家みたいで萌えスポット。
サロンのソファや椅子も青色だから、青が好きだったのでしょうか。白と青の組み合わせはフィンランドの国旗と同じ色ですね。
こんなスペースがあったら、自分もおこもりしたい・・・ ガッレンカッレラはパリ留学経験もあり、フランスとフィンランドをよく行き来していたそうです。妻のメアリーに送った手紙が展示されていました。
窓の外に見える建物は、カフェ・タルヴァスパー。 私たちが訪れたときは閉まっていましたが、ここをお目当てに行くのもオススメです❤ カフェからも湾が良く見えます。
SOMPO美術館の「北欧に神秘展」(2024年)に、「画家の母」が展示されていました。少しずつ日本でも知られてきているようですね。
最近国立西洋美術館に収蔵された「ケイテレ湖」は、透明感が素晴らしくフィンランドの湖そのもの。西洋美術館さん、購入してくれてありがとう~と言いたい! いつか本物を見に行かなくちゃ。
<公式サイト>
< Café Zoceria Tarvaspää>