アアルト大学見てある記
私がアルヴァ・アアルトの名前を知ったのは、初めてフィンランドを訪れたときに読んだガイドブックだったと思います。建築&デザイン音痴の私でも、何度か旅するうちに色々な作品に触れて、親しみを感じるようになりました。アアルト大学は、名前のとおりアアルトがマスタープランを手掛けました。広いキャンパスに素敵な建物が点在していて、見て歩くのが楽しかったです。歩き甲斐もあった~!
オタニエミ礼拝堂はこちらの記事でご覧くださいね。
Harald Herlin Learning Centre:図書館
アアルト設計。2017年にラーニングセンターに改装されています。校内は赤レンガの建物が目につきますが、1949年の学生寮建設に使われた煉瓦は、爆撃された大使館のものだったそうです。80万個のレンガを学生たちがきれいにした・・と沿革に書いてあります。のどかな夏休みのキャンパスからは伺い知れない歴史でした。
総合受付で、スタッフの女性が立ってパソコンを操作していました。駐日スウェーデン大使は、執務室でパソコンを使う時、健康のために立ったまま作業するそうですが、北欧では一般的なスタイルなのでしょうか。
赤と白のポップな空間の上に、ほわんと浮かぶたくさんの照明。まるでおしゃべりをしているみたい・・・
書架に近いコーナーには、書架と同系色のアルテックの椅子とテーブルが置かれていました。
休憩タイムは図書館内のRoberts Coffeeで、お決まりのコーヒーとシナモンロール^^
地下のブースはガラス張りで、開放的な雰囲気です。
椅子があっても、やっぱりここに座りたくなる・・子ども用のプレイルームみたい。
机の散らかし具合が何ともいえない(笑)
話し合いの成果はどんなカタチになるのでしょう? 時計もかわいい。
書架スペースの写真はあまり撮れず、駆け足になりましたが、次にいきますね。
Otakaari 1: 学部センター
ヘルシンキ工科大学の本館として、アアルトが設計(1964年) 現在は10以上の講堂や会議室を持つカンファレンスセンターです。
曲線の使い方や照明がユニーク。
オーディトリウム。 フィンランドの人は椅子じゃないところに座るのが好きなのかしら・・・(心の声^^)
グラウンドから見たオタカアリ1 木に隠れている部分に円形劇場のような屋外スペースがあります。
次はメインビルディングのディポリです。
Dipoli : 大学本館
レイマ&ライリ・ピエティラ夫妻(Reima and Raili Pietilä)がヘルシンキ工科大学の学生寮として設計(1966年) むき出しの岩に、岩盤をくり抜いて作られたテンペリアウキオ教会(岩の教会)を思い出しました。
どちらを向いても、箱っぽいところがありません。
建物の中だということを忘れてしまうような空間でした。
アアルト大学はリノベーションを重ね、まさに成長する有機体でした。学費も無料で、こんな環境で学べる学生は恵まれていますね・・・というより、それが本来の在り方なのかも知れません。今、ウクライナの学生にも様々なサポートが提供されています。将来を担う若い人材が、ここからたくさん巣立ちますように。