ハメ城のお祭りで中世にタイムスリップ(フィンランド)
ハメーンリンナはヘルシンキの北約100kmのところにある町で、かつては南スオミ州の州都でした。三大古城のひとつであるハメ城(Hämeen linna)は、13世紀のスウェーデン統治時代に作られました。リンナは城という意味ですから、お城の名前がそのまま町の名前になっているわけです。また、フィンランドで初めて開通した鉄道(1862年)は、ヘルシンキとハメーンリンナ間を結んでいました。
ハメ城は元々、スウェーデンの軍事要塞として建てられました。ロシアに割譲後は刑務所として使われたこともあるそうです。
何かの工場のようにも見える外観。
赤レンガ作りの城は珍しく、北欧では最も保存状態が良いといわれています。
壁面の装飾も繊細で美しい。
甲冑が飾ってある部屋もあって、中世にタイムスリップしたみたい。
タペストリー
<ハメ城 公式サイト>
https://www.kansallismuseo.fi/en/haemeenlinna
私達が訪ねたとき、ちょうど中世祭り (Hame Medieval Festival)が開催されていました。
手工芸品や食べ物を売るたくさんのテントが設けられ、コンサートや様々な実演も行われていました。
どのお店も興味深々で足が止まってしまう!
昔ながらの弓矢
りんご飴屋さん。フィンランドにもあるのですね♪
切なくもご馳走に変身した豚さん。 これも中世の食事の再現です。
鍛冶屋さんのようです。
現代人が仮装しているというより、昔の人がワープしてそのまま今にやってきたみたいで面白い。とくに男性陣は自分と同時代人とは思えない!(笑)
おじさんの存在感と荒ぶる毛皮が良き。
たぶんスープ屋さん・・・ 昔の食事を再現しています。
こちらでは焼き物の器を売っています。他にも白樺の樹皮で作った籠など、フィンランドらしい民芸品がたくさん並んでいました。
ウロウロ歩き回っていたら、お出まし前の女王様に会ってしまいました。
つまみ食いしながら様々なパフォーマンスも楽しめて、地元の人にも人気のようです。自転車でやってきた子供たちを見かけましたが、タンデムは珍しい。
町の中心の広場ではマーケットが開かれていました。
広場の向こうに見えるのは、ハメーンリンナ教会です。ローマのパンテオンを模したとされる白い外壁とドームが美しい。
すぐ近くに作曲家シベリウスの生家もあります。
ちょっと斜めな目線で書いた生家訪問記はこちら。
泊ったホテルは、ダイニングエリアがおしゃれな学食風でした。
部屋からは湖が見えます。
シベリウスにもインスピレーションを与えたといわれるアウランコ自然保護区、タンペレとハーメンリンナをつなぐフェリーなど、ヘルシンキから1時間ちょっとで豊かな自然や歴史に触れることができます。
でも、一番癒されるのは名もない身近な自然。
ハメーンリンナは村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」(2013年)に登場します。つくるが訪ねたハメーンリンナ郊外のサマーハウスは、たぶんヴァナヤヴェシ湖畔ではないかと。今拾い読みすると、サマーハウスが森の未舗装道路の先にあり、教わったほど簡単にはたどり着けないとか、自分が旅していなければ気に留めなかった記述がたくさんありました。そうそう、そうだよね~と。旅先がヘルシンキを通り越してハメーンリンナなのも個人的には気に入っています。つくるはその後どんな人生を歩んだのでしょうか・・・サマーハウスと湖畔の風景はきっと何も変わっていないと思います。
<ハメの中世フェスティバル 公式サイト>