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稼ぐのが下手な理由

どうも。アトリエタカキです。

建築で食べていくのをやめたい建築家夫婦です。

わたしたちは、建築で稼ぐのが下手です。


その原因がどこにあるのかというと

設計への取り組み方


にあることは自覚しています。


一般的に
住宅を設計事務所に依頼すると
設計に半年 + 施工に半年
少なくとも丸一年はかかる
と言われることが多いと思うのですが

わたしたちは

それでも短い!

と感じてしまいます。

設計半年と言いますが
施主のヒアリングから始まり
基本設計→実施設計→各種申請手続き
→見積もり→減額調整→施工者決定

ここまでを半年間で行おうと思うと
各行程をスムーズに運んでいかなければ実現しません。


メーカーや工務店に依頼するよりは
余裕をもって計画を練ることができます。

そうであっても
施主が迷ったり思考を深めていく時間
十分に設けることができないと感じているからです。


施主と対話する中で
この人には話が通じないと高を括り
それならばと
あの手この手で提案を押し付ける。
そんなことをしても何の意味もありません。

もし意見が食い違いうのであれば
この人をこれほどまでに固執させている要因は
いったいどこにあるのだろう?

と探っていくことのほうが
より発展的で本質的なコンセプトに繋がるように感じます。


少なくともわたしはその手法以外考えられません。
なぜならばその建築は

わたしたちのためにつくるわけではない

からです。

納得いっていない提案で良さげに言いくるめたり
案を押し通そうと勝負を挑むのはあまりに浅はかな行為です。


ときには
こちらの提案が施主に合わないと感じた場合
自ら取り下げて新たな案を考えることもあります。
施主の心に触れ
そこからさらに潜在的に求めるものを探っていく。

だから施主には最初に

けして「建て急ぐ」ことのないように

と伝えます。


考えた建築が
建築業界から見て優れているか。
もしくはそうでないか。

雑誌に載りそうな建築を考えること
のほうがよっぽど簡単です。

そんな評価は施主には関係のないことで
施主も求めてはいません。
むしろ警戒している節さえあります。


こんなふうにしていたら
対話だけであっという間に半年は過ぎ去ります。

相談から着工までに2年近くを要したこともあります。
でも、施主はそれで後悔などしていない様子です。
心から納得いくまで考えることができたからです。

エネルギーを注ぐ=稼ぐのが下手


注げば注ぐほど、稼ぎには繋がりません。

こういったところが
わたしたちが

建築で稼ぐのが下手な建築家


たる所以なのだと思います。

だからわたしたちは建築家で稼ぐのをやめて
それ以外で生計を立てながら
建築家を続けていこうと考えているのです。

これは建築家に限った話ではありません。
ある道をひたすら追求しようとしている人は皆
少しだけ視野を広げて眺めてみれば
その探求を続けながらでも
もっと苦労なく稼ぐ道があるのだと思います。


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アトリエタカキ|ゆるゆる建築家夫婦
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