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増える財布理論

こんにちわ。
atelierity onlineです。

今日は頭の中にある、ある枠組みについて書いておきたいと思います。
これは、名称的に納得している訳ではないのですが、実際、多くの事に適応されていて、重要であるので、利便的に名前が必要であり、適当につけた名前が「増える財布」という名前です。

元々はファイナンスの観点で考えた

お金には保存方法によって、そこにあるだけで増えていくもの(株式、Bitcoin、債券)などがあり、また逆に減っていくものもあります(現金など)

また、お金以外の多くのモノは時間の経過と共に失われたり、価値が下がったりします(殆どのプロダクト、時間そのもの、食べ物など)

それを僕は増える財布減る財布と呼んでいます。
対象物ではなく、入れ物の名称である事が、この論理のキーになります。

時間の入れ物

時間は時間の経過と共に失われていくものの代名詞、代表格です。
1分経てば、1分を失います。

しかし、時間はある入れ物に入れておくと時間を生み出す装置として活用できるようになります。
例えば文章です。

今、僕が書いている内容を5人に話すとします。
文章を書くより音声で伝えた方が時間が掛かりませんから、仮に、この文章を書く時間で3人に同じ話が出来るとします。

それで、この文章を書く事で2人分の時間が浮く事になり、4人に話した時点から、僕が消費した時間の量は文章を書かなかった場合に比べて減り、ミッション完了時の人生の残り時間は増えます。

単純な話だと、こういう感じです。
これが色々な物事に含まれています。

お金の入れ物

お金を入れておくと減っていく入れ物の典型が財布です。
財布に一万円札を入れておくと、必ず減っていきます。

財布というのはお金を減らす為に入れておく入れ物です。

銀行口座もお金を減らす入れ物です。
一応利息がつきますが、それよりもインフレ率が上回るので、銀行口座に入れているお金の相対価値は減少していきます。

お金=法定通貨自体が、価値の入れ物としては減る財布になっています。

財布に入っていようが、銀行口座に入っていようが、証券口座に入っていようがインフレ率には勝てないので法定通貨価値は漸減し続けます。

この法定通貨の弱点を解消してくれる入れ物が大きく分けて二つあります。
一つは「人の財布」に入れる事、つまり「貸す」という事です。
もう一つは増える入れ物を買う、「金融資産」を買うという方法です。

「人の財布」にお金を入れておくと金利が発生します。
これは金利何%と計算できる場合もありますし、そうでない場合もあります。

そうでない場合の代表格は株式です。
株式を会社から購入すると、現金は会社の財布に入ります。

そして、株式の値段は日々変動していき、ある時は増え、ある時は減ります。
しかし、会社が社会の平均値以上に成長する場合は、株式の価値は上がっていきます。

そして、価値の増加を反映した株価に対して配当金が出ます。
配当金は株式価値×配当率で計算されます。

これが金利計算が可能な方法で人の財布にお金を入れておくのと違いです。

お金自体は価値の入れ物としては優れていないので、価値の入れ物を株式や債券などに変えてしまった方が相手の財布にお金を入れておく手段としては優れているのかも知れません。

次に資産を買っておく方法です。
これは入れ物自体の最適化にもっと目を向けたやり方で、BitcoinやGOLDが代表格だといえます。

これらの良い点は現金=法定通貨の価値が下がれば逆相関で価値が上がる部分です。

僕達の価値の尺度のメインはやはり、法定通貨で法定通貨無しの暮らしはなかなか出来ません。
なので法定通貨のリスクには常日頃から晒されています。

それと逆相関で価値が上がる金融資産は良い入れ物だといえます。

労力の入れ物

お金と時間については記述しました。
ここで一つ明らかにしておきたいのが
「何かは何かの入れ物である可能性がある」という点です。

例えばお金は価値の入れ物であり、銀行口座はお金の入れ物です。
資産ポートフォリオは銀行口座の入れ物になります。

そのように複層的に積み重なってマトリョーシカのような形になっています。

しかし、存在を掴めないモノもあります。
典型的なのは時間です。

目にも見えず、掴みづらい。
しかし、あまりに重要なので、昔から人類は時間を定量化する方法を編み出し、秒、分、時間、日、週、月、期、年、世紀、と単位を定め、その集合体が人生であるとの定義に至りました。

その時間という目に見えないモノと関わるものは、やはり取り扱いが難しいのです。

そして、その代表格が労働です。

労働の入れ物には会社、家庭などの組織があり、またお金、という形、信用という形のストックがあり、またそれらを入れる入れ物があります。

また別の視点では労力はモノを生み出し、仕組みを生み出し、サービスを生み出します。そして、顧客様に提供され、お金や信用に変わり、先ほどと同じ流れに入ります。

また別の視点では経験という形で技術(スキル)という入れ物に入ります。

このように労働は複数の入れ物の中に色々なモノを入れます。
この複層的で同時展開的な入れ物に対するアプローチは「働く」という事が持っている協力なメリットです。

そして、この働きはある時には資源の、お金の、人間関係の、スキルの、ありとあらゆるリソースの入れ物となり、また別の入れ物にそれらを運びます。

働くという事を「入れ物」で考えるとこうなります。

なので仕事の場合は、どんな資源を使い、どんな入れ物に、何を入れているか、が分かっていないと、結構損をしています。

例えば、人生の時間を大嫌いな会社に入れているとか、せっかくの技術を人目につかない空間に入れていたりしていると言う事です。

多様性が大きすぎて、何が代表格なのか分からないほどですが、労力自体を何に入れるのか、という事も重要であるのと同時に、労働とセットで、何かを別の入れ物に移したり変換している、というのが労働の特徴になると思います。

夢の入れ物

モノ=概念は、どんな入れ物に入れるかによって、その後の状態に大きな影響を受けます。
悪い場合では汚染された水で魚の養殖をしているような状況になります。

そして、夢という概念は目標や目的という概念を生み出し、それ自体が問題や不満の入れ物になります。

目的や目標があると問題や不満は寧ろ、資源として振る舞います。
そして、目的や目標はビジョン(夢)の中に入れられます。

一概には言い切れない部分が、目的や目標が必ずしも、ビジョンや夢から生まれる訳ではない、という部分です。

しかし、ビジョンなき目標や目的は裸のまま荒野に投げ出されるように無防備で簡単に汚染され、曖昧になり消失してしまうかも知れません。

夢やビジョンは目的や目標の入れ物になります。
僕はよく借り物のビジョンに目的や目標を入れる事があります。

代表例がSDGsです。

そして、夢は労力とセットで行動として日々の中に入れていきます。
ここで価値のある目標や目的が入ったビジョンは充実感や達成感を時間の中に刻みながら、達成されていきます。

幸せの入れ物

本記述では、これを最後の項目とします。
後々は「器理論」という別の名前でブラッシュアップ版を作る予定です。

さて、幸せは入れ物としての人生の中に入る、というのが綺麗な言い回しなのですが、実際はそうもいきません。

かなり達観していないと幸福を人生に注ぎ込み、人生の向上を喜ぶ事など困難だからです。
幸せは幸福感と、アイデンティティによる「善」です。

つまり、感情と概念に分類されます。

なので、先ほどの夢、ビジョンは幸せを増やす入れ物になります。
そして、概念としての幸せは他者貢献や自己実現の中に入れる事が出来ます。

幸せの形は人それぞれですが、入れ物がないと刹那的な幸福感になり、自分の財産にはならず、一瞬の時間を彩るスパイスになってしまいます。



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