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投資家ライフ:2022.5

米国株式が下落を繰り返し、物価上昇も止まらず、驚異的な円高にも襲われている昨今。

現在は2022年の5月。

ネット上には様々な意見が投げ込まれ、否定しただの攻撃しただのと揉め事があったり、何かを盲信した新興宗教のような界隈が出来たり。

ビジネスの市場もあまり芳しくなく社会で希望感が不足していて、実際、日本は不景気と実質賃金の伸び悩みに加えてインフレにまで襲われている。

これはスタグフレーションという現象なのではないだろうか。

この言葉の定義する状況に陥っているにも関わらず、スタグフレーションの現状を受け入れていない状況にも思える。
そういえば、これはパンデミックという言葉を受け入れるのに時間がかかったのと似ているのかも知れないと思う。

僕は今、日本経済はスタグフレーション入りしていると考えるし、米国や欧州、オセアニアの国々、アジア各国、アフリカ、中東も含めて経済的困難の中にあると考えている。

こんな中で僕は投資家として暮らしている。
金融所得の依存度はコロナクラッシュからの超回復を経て、高まり事業が忙しくなければセミリタイヤ生活を送るようになった。

しかし今は、悠長にそんな事を言っている場合ではない。
金融資産は目減りして所有事業の売上は減り、大きな上昇で資産成長を与えてくれたのは外貨預金がベストパフォーマンスという状況になってきた。

ポートフォリオのコアを米国株においている僕は、この状況に際し、どのような戦略を取るのかについて、今の考えを書き記しておきたい。
僕が撃沈し市場から退場する羽目になっても、今の気持ちと考えを示したコンテンツは反面教師としてでも、きっと有用な投資用データの一つになると思う。

それでは始めていきたい。

米国株暴落

米国市場の最大の課題はQTでも金利引き上げでもない。
自称投資家の投機家が大量発生した状況が最も深刻で重大な問題である。

豊かな食糧庫に発生したネズミやゴキブリの駆除が終わるまで、安心して食料を保管する事が出来ないのは当然である。

本質的な価値を無視した市場内に発生した癌は抗がん剤で破壊するしかない。
外科的手法に相当する法規制で投機家を切り取る事はあまり期待できない。面倒な投機家は投資家に擬態している。

彼らを効果的に破壊する方法は投資家も含めて市場を構成する全ての細胞に痛みを与える抗がん剤投与しかない。
それが金利の引き上げであり、QTである。

FRBは経済健全化を目的として動いているので人為的な施策によって経済が死ぬ事は無い。
経済のメディカルデータは綿密にチェックされ、死ぬ前に治療は打ち切られる。

その間にどれだけの癌を消滅させられるか、に掛かっている。
癌を撃滅する前に投与を止めれば、市場の回復と共に癌もまた勢いを取り戻す。
これは株式だけに起こっている課題ではなく、債権やコモディティ先物、為替にも存在する課題である。

悪いインフレもそれによって起こる。
良いインフレと悪いインフレは投資によるインフレか、投機によるインフレかの違いでもある。

投資家の方々は市場全体が下がる事を悲観するのではなく、治療が進んでいると寧ろ歓迎すべきだと思う。
投機家が手放した価値を掴んで健全化した市場で利益を得ればいい。

投機家は上がる市場に群がり、下げばには一斉に引いていく。
ひどい場合は空売りすら仕掛けてくる。

彼らは全体の価値生成になど関心はなく、人の会社を貶めようとも全く構わず、自分の金銭的利得と為にのみ行動する。
市場判断だとか言うが、その判断は自分の金を得る為に他人を貶める事を厭わず、更に自分を賢いと思っているという病的なサイコパスのような存在だ。

その人々の駆逐が済めば、市場は正常化し、金利引き上げも止まり、インフレも治る。
ただし、蓄積したダメージは残るのでリセッション入りが起こる恐れがある。

これは言わば治療のダウンターンで髪や歯が抜け落ち、やせ細り色白くなった市場の状況である。
ここで癌細胞の駆逐が完了していれば経済は回復を始める。

投資家の狙い目はここであり、それまで経済を支えるのが投資家の役割である。

暗号資産

暗号資産にも昨今のブームで投機家という癌が大量発生した。
市場規模の小ささと元来的なボラティリティの大きさも相まって、Bitcoinはまだしも、その他のアルトコイン類は更に重症である。

しかも、ここは中央銀行の手が及ばない市場であるので、死に至る可能性も高い。
株価や物価に投与されたマネーサプライの縮小という抗がん剤は暗号資産市場にも作用するがFRBを始めとした金融政策機関は、この市場の生き死にに関与しない。

つまり物価を抑える為に暗号資産市場が死んだとしても中央銀行は感知しない。
株式市場、コモディティ、不動産、債権などは現在の社会にとって重要な内臓であるが、暗号資産はピアスかタトゥーのような存在で体にくっついてはいるが体の一部分だとはまだ社会的に認識されていない。

つまり死に至るリスクを孕んでいる存在であり、ここに残るべき人々はビジョナリーのみである。
暗号資産が描く未来を信じ、望む者の為の市場であり、その幻影を信じる者だけが、この市場の投資家である。
最早正常な細胞よりも癌細胞の方が遥かに多いのが、この市場の実態である。

この資産クラスは僕にとって、宇宙開発関連株と同じでかなりリスキーな部類でありながら、僕の視点では人類に必要な要素の一つでもある。
治療と強化を繰り返しながら開発されていく市場であり、グロース的要素が最大級の市場である。

投資初心者の方々にお勧め出来ないのは勿論の事、ある程度の資産規模がありリスク許容度が高く、また技術系に対する強い興味関心がある人しか生き残れない。
逆に、そこを理解する事が出来、対応可能な投資システムをお持ちの方は是非、力を貸してほしい。

為替市場

外貨建ての資産プールの存在が5月の投資家暮らしを最も支えた。
日銭はFXで稼ぎ、全体の膨張はドル建て資産が支えた。

欧米各国、ヨーロッパ、北アメリカ、オセアニアに避難した資産が僕のポートフォリオを拡大させたが、これは経済成長を伴うモノではなく実質的価値の膨張ではないので、ただ自国通貨の価値の目減りが円換算の額面としての増額に見えるだけである。

金利格差の拡大は広がる一方で、今はその中でもある程度調整フェーズに入っているが、強力にトレンドを逆行するエネルギーは見受けられない。

つまり体制維持をしたまま、収益の利確タイミングが遅れていく、と言った状況であり、投資家暮らしをする上では単純な収入減少に至るが、日本人としては、これもまた意味のある状態だと言える。

6月に向けて

2022年、6月、僕は投資家暮らしを続けていけるか、怪しい。
投資家ではあり続けるし、資産クラスの大幅な改変をする事もない。

まだ何か強烈な転換が起こるタイミングではないし、全体の傾向の中にあって、その足踏みの中、月を跨ぐ。

それでも1ヶ月という時間は市場状況を少し変えるだろうし、思った以上の収益を上げるかもしれないし、緊急事態を発生させるかも知れない。
重要なのは自分自身の投資手法、思考、イデオロギーが評価主義の波に揉まれてブヨブヨに曖昧に日和見的に変貌するのを避ける事だけである。

今年の相場は投資家の一部をデイトレーダーに変えてしまった。
そして彼らは投資家から投機家に身を下げた。

世界は課題の中で成長を繰り返すという原則を無視しながら絶望し、全体成長へのベットをやめた。
投資ではなく取引による収益が稼ぎとなり、文字通りのトレーダー(trader:裏切り者)となり、市場の癌となった。

それは元々の資質が表層化したのかも知れないし、ゾンビの様に徘徊しながら感染を繰り返す恐怖の結果なのかも知れない。

どの道、浄化が終わり、その後遺症を克服して世界が成長するシナリオには変わりがない。

今はひたすらに耐える時だと心得る。

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