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読書感想文(2)魔女の教科書

あああ2月は28日間しかなかった…!そうでなくとも移動が多かったり申告や提出書類の準備があったり…制作スケジュールも変わらず(ありがたいことです)

読書感想文の目標大変だけど、学びの為に細かいことは気にせずやります。2月分はスコット・カニンガム著『魔女の教科書』。

アーティストになりたいと思う前段階の将来の夢は魔女だったのですが、その夢も拾いにいけるのでは?と思うことがあり。それにタリスマンやルーン文字、シンボリズムを取り入れて作品が作れたら良いなぁという動機があってのことで手に取った本です。

ざっと目を通すと魔女としての心得・考え方から修行法、儀式や季節ごとのならわしについて。魔法に使う道具や素材についての基本的な記述もあるので自分の制作物として取り入れるのに参考にできそうでした。(道具で可能性があるのは香炉・カップ・ペンタクルあたりかな)

そもそも自分が10代の頃には鏡リュウジさんの魔女入門を一読しているのですが、その時は視覚化や瞑想がまったくできる気配なく挫折してしまいました…スコット・カニンガムの本に載っている修行法も呼吸・瞑想・視覚化なのでそれは変わらないのですが、今改めてその手順を読むと今こそ自分に必要な気がしてきます。多分アメリカの瞑想のブームはジョブズから始まってるのかな?2000年代では信じられなかった修行を身近に感じるのは時代が変わったからなのか私が変わったからなのかわかりませんが…それら修行の成果や閃き、印象に残った言葉を"鏡の書"に成長の記録として書き留めていくことも気に入りました。ウィッカの目的の一つが自己認識だと記載されてますが、自己のイメージを掘り下げて具現化するアーティストとウィッカは近しい存在かもしれません。綺麗なノート探しに行こう◎

この本の著者スコット・カニンガムさんはそれまでの暗くて重たい魔女のイメージとは違う魔女の在り方を語られています。従来の魔女は秘密主義的でカヴン(家族的な?魔女の集団)に所属する必要があり、メンバー募集のタイミングに恵まれなかったりそもそもカヴンが身近にない限り魔女にはなれなかったようです。ただしスコット・カニンガムはウィッカを万人に開かれた宗教とし、自然から学び男神・女神との絆を結ぶことが目的であり、その結びつきによって必要な効果を生み出す自然エネルギーをコントロールする術が魔法であるとしています。

そして大事なポイントが『何者も傷つけない限り望むことを行え』

これはもちろん望まないことをしてはいけないだろうし、自分自身さえ傷付けてはいけないということで従来の呪いや悪魔崇拝的な魔女とも自傷行為を通じた法悦も許されない。(ここに関しては伝統的なシャーマニズムも否定しているのでしょうね)

そして自分でコントロールして選んだ結果に責任を持つということも私には好ましい理屈に思いました。

ヨガ哲学?では全ての瞬間に意味があり定められているという深く穏やかな思想があるようなのですが…個人的な好き嫌いでは決まっていることより変えていけることの方が好きです。

ウィッカの術を使って変化を招いたとしてもそれさえヨガ哲学的には決まってたこととされるのかもしれませんが😂

でも、私のように努力するあての無さが耐え難い人にはウィッカの魔法は良い手段かもしれませんね。

ウィッカのシンプルで軽やかな姿勢に親近感を覚えるのは神道的な印象を受けるからでしょうか?八百万の神を敬い山の神海の神から恵みを得るために祈る。

親近感を感じる分、魔女になるのにたったこれだけ?って思ってしまうのは日本人だからかな…そもそもウィッカ思想がキリスト教のカウンターカルチャーだからその有り難みを感じようと思うと結構難しいかもです。ただし、呼吸・瞑想・視覚化をマスターできるならですが😂

過酷なイニシエーションを達成しないとなれなかった古代のシャーマンに比べると優しすぎるくらいだけど…でもソロで修行をして自分で自分を魔女と呼べるとなるとウィッカの裾野が広がりすぎてしまう気もする。それが良いことなのかは私にはわかりません…。この本の面白いところでもありますが、儀式や実践の記載が多いのも危うい気がしてしまうのが正直な感想。見えてないのに呼んじゃったとかありそう。

自分を魔女にする自己献身の儀式は、ちょっと私はそこまでは入り込めないな…!って印象でした笑そう思うと、私はあえて魔女になるほどではないのかも^^;

でも、クリスチャンじゃなくてもキリスト教的なモチーフの作品は作るし、概念として宗教はどれも美しくて面白いものなので、ウィッカもその一つとして親しみを持ち続けたいなと思いました。しかも、ウィッカの世界観には食べ物にも意味がやパワーがあったりするので日常に取り入れて楽しいものは多いかもしれません◎

10代の頃の興味を改めて洗うことも必要な気がして今回の本を選びました。この本を知るきっかけになったのは楠瀬啓さんが発行されていた小冊子『本物の魔女の実践ガイド』です。ありがとうございます。読書感想文なのに脱線するようですが、このカニンガムの本を紹介されていた冊子には原本から省かれてしまった部分にも言及がありとっても面白かったです。 

ウィッカは自然崇拝的でシャーマニズムに根ざした宗教であるとは本にも記載があるのですが、楠瀬さんの冊子で初めて原典には神々の紹介や神話世界が詳細に語られていたことがわかりました。ウィッカの神話世界についての記述がないので個人に委ねられ過ぎているというか…日本語訳版だけでは思ったことが正解だよ、と解釈もできてしまう気がしたので(そういうユルい明るさが神道的な印象に繋がってるのかも)楠瀬さんの小冊子をあわせて読めたのは良かったです。

同じ神話世界を共有できる流動性のある知性がホモ・サピエンスの重要な進化の特徴であったことはユヴァル・ノア・ハラリさんのサピエンス全史での大きなテーマでしたが、ウィッカを本当の意味で万人に開かれた宗教にするならそれが一番重要な箇所かもしれないですね。いつかそれも日本語訳で読む機会があると良いな◎

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装丁、乙女で可愛い🎀笑

図が多くて字も大きめなので制作のヒントとしてアトリエに置いておくのに丁度良さそう😊

自己満足の読書感想文にお付き合いくださりありがとうございました◎引き続きがんばります!




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