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読書記録『リカバリー・カバヒコ』

ぐちゃぐちゃに絡まった糸がほどけていくような、心が軽く前向きになれる1冊。

『リカバリー・カバヒコ』  青山美智子 著

- あらすじ -

新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの日の出公園には古くから設置されているカバのアニマルライドがあり、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説がある。人呼んで”リカバリー・カバヒコ”。
アドヴァンス・ヒルに住まう人々は、それぞれの悩みをカバヒコに打ち明ける。

帯より引用

青山さんの新刊ということで読みました。
面白くて一気読み。

青山さんの作品は人と人の繋がりを大切にしたいなと思わせてくれる。
憧れや願望を含めて、青山さんが描く人の繋がりが好き。


- 感想・印象に残った言葉 -

『誰かに勝ちたかったんじゃなくて、私ががんばりたかったんだ』

(p33)

『ただ褒めてもらえなかったって、それだけのことなのに。誰が何を言ったって、何も言わなくたって、懸命に咲こうとしているその姿には、なんの変りもないのにさ』

(p41)

木工作品を作って、SNSで発信しているとどうしても数字が気になる。フォロワー数やいいねの数。
人と比較してしまう。
誰かと競いたい訳じゃないのにね…

最近、作っても売れない…どうしたら売れるのか…
売れないものを作っても…みたいな思考がいつも頭の中をグルグル。

自分が作りたいものをつくって、それを欲しいと思ってくれる人がいて、生活できるだけの収入が得られるようになりたい。

『言葉には責任がある』

(p41)

口数が少ないとか、物静かだとよく言われる。
言葉を外に出すのに少し恐怖心があるから。
自分の中にある言葉と、外に出た言葉では属性が違う感覚がある。
中にあるうちは思考の状態・不確実なもの。外に出した途端に確実なもの・言葉が現実になってしまう感覚。
1度出してしまった言葉は戻せない。責任が生まれる。そこに恐怖心があるのだと思う。

『まずは目の前のことだけ、集中して考えることからやってみてごらん』

(p165)

普段、目の前のことだけに集中している時間が少ないなと…
何気なく過ごしている時間が多い。
子どもと過ごす時間とか、頭の片隅で仕事のことを考えてしまっていることがある。
目の前のことだけに集中すると、他のもの意識が離れていく。
子どもの些細な表情の変化とか、小さな成長を発見できるかもしれない。目の前の面白いを見つけられる気がする。


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鈴木健太|工房ベル
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