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読書記録|人魚が逃げた
青山美智子さんの新刊ということで手に取った本。
青山さんの描く物語は心が温かくなる。読むと「頑張ろう」と、前向きになれるから好き。
ある物語の中ではわき役の人が、別の物語では主人公として描かれるのが面白い。ひとりひとりの物語が知らない所で、少しづつ重なって繋がっている感じ。
◇◇◇◇◇◇
- 印象に残った言葉 -
「毎日を、毎日作ってくれたよ。」
「お母さんが手をかけてくれるひとつひとつに、優しい想いが込められていて。掛け布団からお日様の良い匂いがしたりね。
お金とかじゃなくて、豊かさってこういうことなんだなあって、子ども心ずっと思ってた。」
アメリカへ就職が決まった娘と母親との会話。
「毎日を作る」という言葉がステキ。
温かい料理や一緒に絵本を読んだり、日常のちょっとしたここが毎日を作っている。
毎日は、なんとなく流れていくんじゃない。
自分で作り上げていくものなんだ。
ちょっとしたことを大切に日々を生きていきたい気持ちに。
自分にとっても、子どもたちにとっても。
現実世界にも素敵な物語があふれかえっている。しかし、その事実を知らないまま過ぎていくこと、些細な誤解から大きくすれ違っていくことのなんと多いことか。
小説のような物語に憧れたりするけれど、自分自身の人生にも素敵な物語はたくさんある。その事実を知らないのか、受け入れられないのか…
同じ出来事でも、自分から見える物語と他人から見える物語は違っているんだろう…
だから、対話することで自分のことを客観視して、素敵な物語であふれていることをしるのかもしれない。
人はフィクション(物語)を生きている。
フィクションならば、自分で素敵な物語を作っていけばいい。
毎日を作っていきながら。
◇◇◇◇◇◇
『人魚が逃げた』 青山美智子 著
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