文豪×絵師エモい絵本「山月記」
〈現代語訳〉
気の迷いによって母親になってしまった
ハチャメチャに飲み込まれて逃げられない
今じゃ、最強の肝っ玉かあちゃんだ
前は、秀才で有名だった君と私なのに
私は、ママになって草むらにかくれ
君は、いい車に乗ってキラキラだ
今夜、私は谷や山を照らす月に向かって
詩をうたってみたいが、ただ吠えることしかできない
『山月記』中島敦 李徴の即席の詩 オマージュ
参考 『山月記(エコトバ第二巻)』中島敦×ペペ
※自虐風自慢?と思った方は想像力が足りない。
(自虐ウザ・・・と思った方はまぁわかる。)
母になり、子供を追いかけ、わめき散らすだけの日々。
虎になった李徴に勝手に共感するのです。
ま、それくらい、
母親になるということはそれ以外の選択肢を投げ捨てること。
選ばなかった方を羨み、今の立場を恥じているしょうもない人間です。
あちらを選んでも、何も為し得なかったかもしれないのにね。
自分で選んだ道でしょうと諭され
問題があれば児相にチクられ
どうせシアワセそうだと片付けられ
常に良い母親たれと責められる
少子化対策に対する国賊と言われても、
あえて母親の苦悩や生きづらさを主張する奴がいてもよろしいでしょうか。
そして、自分も多かれ少なかれ「母の犠牲の下」に生まれ落ちた人の子であるという想像力を持って生きよう。
幸い、どういうわけか秀才ではないので
草むらの下で暮らすのも悪くはない。
恥ずかしいことだけど
今でも、こんなあさましい身と成り果てた今でも
私は、私の著作が書店に平積みされている光景を。夢に見ることがあるんだ。子供と川の字になって見る夢にだよ。わらってくれ。詩人になり損なって母になった哀れな女を。
(これも、李徴の台詞を引用しただけで、冗談だよ)
そんなイラストがエモかわいい山月記を読んだ感想文でした。
(内容は原文と一緒だけど解説が丁寧)