見出し画像

ああ無常

このところ、ご家族が流行病や骨折などでお稽古をお休みされる方が続く。
腰を圧迫骨折して骨が引っ付くのを待つまでの介護はなかなか大変そうだ。
大変なのは痛みに対して薬が効かず、痛がる家族になすすべがない。
夜中のトイレに這っていく母を見るに見かねて夜だけオムツにしたらどうかと話したそうだ。お母様は承諾してくれたようで良かったと思った。
私の母と歳が変わらない。母なら絶対に許してくれないだろう。
今日も生徒さんの話を聞いていて胸が締め付けられそうになった。
同じような症状で8月はお休みされる方が他にもいる。
同じく今日は家族が感染者になってお休みされる人がいた。


ペインクリニックでブロック注射を待つだけの知人がいる。
若い頃に腎臓移植をし今は透析に通い、椎間板を手術したが良くなるどころかとうとう足が痺れて歩けなくなった。
痛みが持続する。少しの間だけでも痛みが消えたら救いなのにと言っていた。
オペラや歌が好きでW大学のグリークラブで青春を謳歌し、音響で有名な企業に勤めていた。
文章が上手で公園の猫たちとの会話を綴ったものが楽しかった。
病院の帰りにほおずき市を目にして「昔好きだった子と浴衣を着て浅草のほおずき市に行ったことを思い出しました」と今日は綴っている。
独り身での闘病は辛いだろう。
痛みは人の全てを奪う。
時間も仕事も趣味も全てを奪ってしまう。


今の時期は苔むす香りがたまらない


お友達に素晴らしい医師がいる。
専門は核医学なのだが西洋医学に限界を感じ20年以上前から中医学を学び、がん患者の心の支えとなっている。
私も時々お世話になっているのだが鍼やお灸、マグレバン?(だったかな)や一円玉を足の裏やあちらこちらに貼って痛みを緩和する。
中には歩けなかった患者さんがスッと立ち上がって帰って行かれる。
付き添いのご主人に自分にもやって欲しいと懇願されることもあるそうだ。
勿論、断らない。
信仰心のある人は強いと口に出したことはないが敬愛している。


竹のカテドラル

人間は非力なものだと今日は無常感に襲われた。
やるべきことが溜まっているのだがこうして書き出してしまうことによって私自身が救われた気になる。


人の内面を映し出せるような写真をいつか撮ってみたいと思う。



いいなと思ったら応援しよう!