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気楽なザックリ☆メカ

“…あ゛ー…今、2時やから…1時間と10分足して…えー…3時10分…やな?”

あーこんがらガラがる~!

算数と数学の5段階評価は、小中高通算で万年‘2’だったアテクシに…。

…させるのか、時間の足し算!

…しかも、トイレに目覚めた真夜中に!

…わが無意識も、よくまぁ毎度忘れず計算するねぇ!?――。

そう。居間の壁掛け時計が遅延し始め、かれこれ2週間。

針指す時刻を見るたびに、キチョーメンにも‘狂うことなく’遅れている[1時間10分]――コイツを足す、ひと手間。

買い替えも考えたが、今の家を新築した時のお祝い――っちゅー枷もあり…。

一念発起、修繕する覚悟を決めた。

“とりま、油差しゃイーナ?”

ふふ、機械オンチな昭和の残党…カッコよく“修繕”とのたまったが、選択肢は〈油を差す〉〈叩く〉〈気合い〉の三択のみ。

中学ん時、自転車のブレーキ鳴きを直そうと…ブレーキ・シューとリム部に油を差したトコロ、今度は止まらなくなってヤバかった。…ほどに――[不具合にゃ、まず注油]が、昭和残党の修繕思考なのだ。

とりま、分解。

時計の肝、歯車機構を露出。

金属製歯車を想像していたものの、実に白い樹脂製。

“…樹脂の歯車に油差して…効くのケ?”

…訝しみながらも、綿棒でグリスをば。

“…ぉしゃ、コレで直るやろ”――〈機械にゃ注油〉が、未だ万能説に付。

巻き戻し再生の如く、組み立て直し…。

短針を‘9’、長針と秒針を‘12’に合わせ…電池をば。

Tik...Tok...Tik...Tok...刻み始め再開から、今で半月。

“むにゃむに…ン、2時ね…トイレ、寒っ”

ふふ、もはや時間の足し算御無用の快気ぶり。

壊れればソレマデよ――の、デリケート過ぎるブラックボックスより…。

〈注油〉〈叩く〉〈気合い〉で何とかなる昭和のザックリ・メカも気楽でいーザマショ?

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