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出張ワークショップ「よるの美術教室『はじめてのシルクスクリーン』」@御殿山生涯学習美術センター

2024年2月9日(金)、2月10日(土)、大阪の枚方市にある御殿山生涯学習美術センターにて出張ワークショップ「よるの美術教室『はじめてのシルクスクリーン』」を開催しました。
なんと、2夜連続の大人向け講座です。

イベント詳細はこちら
「よるの美術教室『はじめてのシルクスクリーン』」

御殿山生涯学習美術センターには、版画制作のできる創作室があり、シルクスクリーン用の露光機もあります。
そこで今回は、御殿山生涯学習美術センターの会場環境をフル活用し、2日間に渡って製版から印刷までを体験していただくプログラムを組みました💪✨


1日目〈2月9日〉

1日目は、シルクスクリーンの基礎講義と製版作業のデモンストレーションです。
まずはシルクスクリーンとはどんな版画技法なのかを簡単に解説しました。

その後、2チームに分かれて描画材ごとの遮光性の違いを確かめるためのテスト原稿を作成しました。
原稿の素材も、3種類用意して比較します。

描画材
ポスカ[遮光性あり]
・オペークペン[遮光性あり]
・オペークインク[遮光性あり]
・ダーマトグラフ[遮光性あり]
・油性ペン
・鉛筆(硬さH~4B)
・ボールペン(油性インク)
・ボールペン(ゲルインク)

原稿素材
厚手トレーシングペーパー
・透明フィルム
・ベビーオイルを浸透させた白コピー用紙

透明フィルムに描きこんでいるところ
テスト用の原稿が4枚完成!

描画材ごとの書き心地もさまざま。
インクの色や濃淡まで違うので、この原稿がどのように製版されるのか、どんな違いが出てくるのか皆さん興味津々でした◎

露光機で製版しているところ
露光後、水洗いすると製版完了!
完成した版を印刷します。
製版結果の違いを確認中。

遮光性のある描画材は、どの原稿素材でも製版できていますが、その他の描画材は原稿素材の違いでかなり製版に影響を受けているのが分かります。
今回の製版テストでは、ベビーオイルを浸透させた白コピー用紙が一番綺麗に製版できました。

技法と製版について理解したら、次は印刷です。
2日目は、実際に印刷作業をしていきます!


2日目〈2月10日〉

2日目は「刷る・重ねる」をテーマにカタチプリントで手ぬぐいを制作しました。

カタチプリントとは、カタチを組み合わせて絵柄を作る、描かない絵作りの方法です。カタチプリントについては、当館発行の技法本「###(メッシュ)」vol.04に収録されていますので、ぜひご覧ください✨

今回は、御殿山生涯学習美術センターのスタッフの方々にご提供いただいた御殿山にまつわるさまざまなカタチを版にしました。

【カタチプリントの刷り方】
①刷りたいカタチ(版)を選ぶ
②どこに刷るかを決める
③インクの色を決める
④刷る!
⑤版を拭く

刷り方をレクチャーしたら、一斉に制作スタート!
まずは、カタチ選びから。
最初のカタチはその後の作品の方向性を左右するため、みなさんかなり迷われている様子でした。

カタチを選んでいるところ
大きな版枠を使う時は押さえてもらうと印刷しやすいです。

今回は刷ることだけではなく「重ねる」もテーマです。
一度刷ったカタチの上に、どのカタチを重ねるか、どんな色にするか、考えながら制作していきます。
カタチや色の重なりについて熟考する人もいれば、フィーリングでどんどん刷り進めていく人もいて制作スタイルはそれぞれです。

刷る場所のレイアウトを重要ポイントですね!
同じ版を使って、インクの色と刷る位置を変えて印刷。
丸いカタチを組み合わせるとお花に🌸

あっという間に作業時間終了!
素敵な手ぬぐいが10本仕上がりました!

完成作品を横に並べると、自然と撮影会が始まります😊

同じカタチを使っていても、刷る人によって全く違う仕上がりになっていくのがカタチプリントの面白いところですね!

創作意欲旺盛なみなさんのおかげで、無事2日間のワークショップを終えることができました!
ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!
今回のワークショップをきっかけに、シルクスクリーン印刷について興味を持っていただけたらとても嬉しいです◎