※商標の類似性に関する主張・判断については、割愛
第1 商品・役務の類否の判断基準について
1 裁判実務の考え方
リーディングケースとなる橘正宗事件最高裁判決(最判昭和36年6月27日民集15巻6号1730頁)は、商品・役務の類否の判断基準について、下記のとおり、判示している。
2 商標審査基準の考え方
特許庁編「商標審査基準〔改訂第15版〕」第3・十・11・20頁によれば、商品又は役務の類否判断の基準については、以下のとおりである。
第2 本件について
1 事案の概要
原告は、令和元年12月5日、「HEAVEN」の文字を標準文字で表してなる商標(以下「本願商標」という。)について、第43類に属する願書記載の役務を指定役務とする商標登録出願をしたところ、拒絶理由通知、手続補正書の提出を経て、令和3年8月6日付けの拒絶査定を受けたため、同年11月9日、拒絶査定不服審判を請求した。
特許庁は、上記請求について、令和4年7月14日、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決(以下「本件審決」という。)をした。
原告は、令和4年8月22日、本件審決の取消しを求める本件訴訟を提起した。
2 本件審決の概要
本件審決では、「本願商標は、本願の出願日前の商標登録出願に係る別紙2の構成からなる登録商標(商標登録第6026916号。出願日・平成29年6月6日、登録日・平成30年3月16日、指定役務・第43類「インドカレー・インド料理の提供」。以下「引用商標」という。)と類似する商標であり、本願商標の指定役務中「ホストクラブにおける飲食物の提供又はこれに関する助言・相談若しくは情報の提供」は、引用商標の上記指定役務と類似の役務であるから、本願商標は、商標法4条1項11号に該当し、登録することができない」とされた。その理由については、下記のとおりである。
3 原告の主張
4 被告の主張
4 裁判所の判断
知財高裁(第4部 菅野雅之裁判長)は、以下のとおり、本願商標の指定役務と引用商標の指定役務は、商標法第4条1 項11号にいう類似の役務に当たると判示した。