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『美術館に行かなくても現代最新のアートがタダで見れる!』六本木、フィリップス東京「植島コレクション」を鑑賞して。 

4月19日午前9時ごろ、渡辺さんが市内の自宅兼事務所で仕事をしていたところ、自宅の前に上下黒の服装に黒い靴を履いた「全身黒ずくめ」の男がいるのを発見した。
 1男2女の父でもある渡辺さんの脳裏を子どもたちの姿がよぎった。末の子は小学1年生。「子どもや女性を狙った犯罪ではないか。小1の子どもの帰りの時間が迫っている。何とかしなくては」
 同日午前11時10分ごろ、渡辺さんは「まだ事件にはなっていませんが、怪しい人物が家の前にいます」と110番した。渡辺さんにとって初めての通報だった。すぐに自転車に乗った警察官が駆け付け、男に職務質問を実施、その後パトカーの応援も駆け付け、午後1時15分、詐欺未遂の疑いで男は緊急逮捕された。

少し前にニュースになっていたものですが、真っ先に思い浮かんだのは、俺じゃないよね…?ってことでした。

黒い服を着ているだけで通報されるとは…別の意味で『黒の衝撃』を受けました。

そんなニュースに戰慄しながら先日六本木のとある画廊を訪れました。

映画館も美術館もそうですが、一回見に行って図録やパンフレットを買ったりしているとすぐ3、4千円などかかってしまう。そして美術館に行くのに少し気遅れする理由は、一つはとにかく混んでいること。もう一つは中々現代最新のアートをまとめてみる機会がないということです。

基本的に美術館は公益でも私設でも営利目的なので採算の取れる見込みがない作品の展覧会はやりたくない。たとえそれが今後有名になりそうな作家であったとしても、現時点で集客が見込めないものは組織の運営上簡単には出来ないようです。

株と一緒でベンチャー企業のよくわからない小さい会社の株を買うよりも名前の知れた大手の株の方が買いやすい。お客さんだって安心してみれる(評価の定まった)作品の方がわかりやすいので、保証がなければ学芸員がどんなに勧めても現代最新のアートだといって現代美術ゴリゴリの展覧会を行うのは難しいようです。

そういった点で比べると画廊は基本無料で入ることができ、さらにそこに展示されているのは世界最新のアートだったりします。作品も基本個人の趣味や方針により集められ、作品を公開することで利益を得ることが目的でもないので尖ったものがたくさんさん見られたりします。

そして個人的に最も良いと思うことは基本画廊はメチャクチャ空いているということです。

東京で行われている美術館の展覧会に行くときあらかじめ混みそうだとわかっているものはもはや巡回先で見ようと思うくらい人気の展覧会を観るのは疲れます。個人的には入場料を倍払っても良いので空いている状態で見せてもらいたい。

その点画廊はまずいつ行ってもガラガラで、コロナ禍なので『入場制限アリ』とか書いてあっても『いや、君たちはそんなの書く必要ないでしょ!!笑』とか突っ込みたくなるくらいいつも人がいません。

東京六本木に「ピラミデ」というギャラリーがいくつも入った建物があります。そのビルの中に『フィリップス東京』という画廊がありそのフィリップス東京の『植島コレクション』という展覧会を先日見てきました。

美術館だと大体2部屋目くらいで疲れてベンチですぐに休憩したくなり、3部屋目に入るとさっさかグッズ売り場に行きたくなり、4部屋目に入った時は帰りにどこでビールを飲もうかばかり考えています。室内面積が広すぎて正直疲れます。

その点画廊は1部屋か2部屋くらいしかなくて面積もそんなに広くなく、さらに空いているので快適です。

唯一の難点?は受付にいる人たちが恐ろしく愛想が無いということです。(比較すると神保町の古書店の親父がもはやデニーズの店員と同じくらい愛想良く思えてきます)
それ以外は特に気になることはありません。

まぁ、そこがコマーシャルギャラリーとしてのクールさなのでしょうか。

私の大好きなベルナール・フリズです。

さらっとゲルハルト・リヒターとか岡崎乾ニ郎とか五木田智央があります。

ゲルハルト・リヒター
岡崎乾ニ郎
五木田智央

サーティーワンアイスクリーム?笑

あまり知られてなさそうな人もたくさんいるのですが、普段目にする機会の少ない作品が多くあり、数もちょうどいいため余力を残して作品を見ることができます。質も非常に高く、ずいぶん長くゆっくりと鑑賞できました。

ちなみに同ビル「ピラミデ」内にはWAKO WORKS OF ARTやフランスの老舗『ギャラリーペロタン』など錚々たるギャラリーが入っています。

そして今回のフィリップス東京の隣にも別の画廊があったので覗いて見ました。

壁紙に印刷されたシールのようなものが貼られている壁面作品ですが、どれも品がよくハッとさせられるような作品ばかりでした。  

これも作品?と思いきや、手の消毒に使うスプレーらしいです。

こういう綺麗で洗練された空間にいると作品と備品の見分けが正直つきません。
なんかじーっと消毒スプレーを見てて何やってんだあいつ?って感じでした(笑)

昔渋谷のハロウィンの日にスクランブル交差点を通ったらピザ屋の制服を着た人がいたのですが、もはや本物のピザ屋が配達中なのかコスプレなのか分からなかったのを思い出しました(笑)

などなど。これだけ良質な作品を見ても全部タダです。

他にもピラミデビル内だけでなく徒歩圏にもたくさん(しかも一級品を扱う)画廊がたくさんあります。

ちょっと画廊は中に入りにくいけど基本押し売りされるどころか人が来てることさえ気づいてないの?と思うくらい無反応だったりするので、まずは一歩を踏み出してみましょう。

え?こんな素晴らしいアートの数々をタダで見せてくれるなんて、なんて画廊は素晴らしいんだ!!まさに金持ちの鏡だ!やっぱお金持ちはこうあるべきだ!素晴らしい理念に共感しちゃう?

『皆さんの笑顔がただただ見たくて一生懸命頑張らせて頂いております!!』『それが我が社の理念なんです!!』

…だって?

何生娘みたいなこと言ってるんだよ?

全部税金対策に決まっているでしょう(笑)

ボランティアじゃねぇんだよ!!!!!

そんな心の声が、恐ろしく綺麗に磨き抜かれたガラスの向こう側から透けて見るような気がしました。

旅はまだ続いている。
果ても見えない。

冒頭に『億万長者になるための』とかつけるとおもしろいんですが… 。
未来永劫この旅(コレクション)に加えてもらえる可能性がなくなりそうなのでそういうことは言わないでおきたいとおもいます。


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