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領域展開『異次元ワールド・五美術大学展覧会』
流行りの漫画の必殺技を唱える掛け声に掛け合わせて、展覧会の感想をお伝えしたいと思います。まさに漫画内の描写と同じで各大学の独自の世界観(領域)がこの空間では展開されています。そこに展示された作品が鑑賞者に対して刺さる(必中なの)かはわからないのですが、わけわからないものがこれでもかというくらい四方八方から飛んできます。下記内容は2021年の五美術大学展覧会をもとにして以前作成したレポートです、どうぞご賞味あれ。
現在(2021年2月23日)六本木の国立新美術館にて五美術大学卒業制作展というものが開催されています。
多摩美術大学、武蔵野美術大学、女子美術大学、造形芸術大学、日本大学芸術学部の五つの大学が合同で卒業制作、修了制作の作品を展示しています。
毎回鑑賞するたびに『なんじゃこりゃ???』という壮大なよくわからない感で胸がいっぱいになりますが、正直いいか悪いかよりもなんなんだこれは!!!…というインパクトが強く、未開の地で初めて食べる現地料理のような言葉に詰まる感じが毎回みていて面白いです。
作品も油彩、日本画、彫刻、版画、映像、工芸…とありとあらゆるジャンルが数千点以上陳列されています。とてもゆっくり見ていたら数時間では終わりません。とにかく全容を把握するために最初は歩きながら全体を見て、気になるものがあった際には足を止めてゆっくり鑑賞しました。
では、実際に展示されていた作品を見ていきましょう!
まずはこちらから。
んんぅーっっ……。
いきなりディープなの来ましたねぇ…。全くわかりません…。
んんうぅーーーーーーーっ????さらにディープなの来ました…。試合まだ始まったばっかなんですけど…。
結構初っ端にこれらはありました。
そしてその背後。
あちょーーーーーぉぉぉ。
サザンのアルバムに「海の YEAHー!」ってアルバムありましたよね。それが頭をよぎりました。
『ちゃんと片してね』(母)の声が聞こえた気がしました。
でもこういう普通に綺麗なものもあります。普通に売ってそうなクオリティでした。
でも油断すると、
すぐこれです。
パフォーマンス、めっちゃ気になります。
ひたすら無言で歩きました。
カマキリNo.5という作品でした。
No.1からNo.4までのカマキリが気になりますね。
ちなみに私はどこにもカマキリを見つけられませんでした。多分ウォーリーを探せより見つけるのは難しいと思います。
サステナブル!!!今流行りのサステナブル!!持続可能です!
お母さん激怒です。
ガビーン。(母)
この部屋に、
下のソファを置くと、
芸術的な気持ちに浸れそう。
何度も会場でこの言葉を反芻していました。
私がいた多摩美術大学日本画科の方の作品です。しばらく見ないうちに日本画も大分変わってきたようです…。
おしゃれな六本木のマンションエントランス(行ったことないけど)とかにこうゆうのあるよね。
BIRTHDAYというタイトルでした。
おめでとうございます。
あっちっち、いろいろあっちっち。
ハッピバースデートゥーユー、を歌ってるわけではないようです。
お疲れ様です。
朝起きたら、なんてことはないよね。
普通にこうゆう水彩画もあって、個人的にはこういうの好きです。
みなさんが見ているのは、
私の大好きなお寿司…がぁぁぁーーー。
六本木のトイレがみんなこれなら誰も悪さしないでしょうね。
もはやカオスな国のディズニーランドでした。
この年齢になって思うのは、美大に行きたい人が親御さんの理解を得るのは本当に難しいだろうなぁということでした。この一ヶ月後には作品展示者の大半は社会に出ることになるのですが、会社の上司や家族に俺の4年間はこれだ!!!とこれらの作品を突きつけられても困惑する気持ちはよくわかります。というかそれ以前にこれらの作品は会期が終わった後どこに置くんだ!?というのがとにかく気になります。
ここに掲載した作品は全体の100分の1にも満たない数で、ごくごくわずかな数を私が選定して掲載させていただきました。ほかにももっとおもしろいもの、過激なもの、超絶技巧なもの、たくさんの作品があります。いろんな意味で衝撃をうけるようなものばかりですが、すでに評価の定まった作家のグループ展(アートフェアなど)にはない良い悪いだけでは判断できないような若さが生み出すエネルギーが溢れていて、毎回作品の質や内容よりもその熱量に感化されます。
五美大展は毎年大体2月の下旬あたりに行われています。興味がある方は是非鑑賞してみてください。毎年行きたいかは人によると思いますが、一度行ってみると行ったことない国だったけど『美大』ってこんな国なんだ〜!のような感覚がつかめて楽しめるのではないかと思います。
そして大多数ではないですが、現地が気に入って現地の人と結婚して住み着いちゃったみたいな人がいるみたいに、これを見て急に会社を辞めてアーティストを目指す人も稀にいます(笑)
では、ばいばーい!
あらゆる周りの心配を吹っ飛ばすような美大生の脳内観音のような作品。これは『シューショクカツドウ』なんてやってられないっすね。
併設されてる他の美術館に行く余力もなくなるくらい、お腹いっぱいでした。