ニッポンの芸術祭〜『亀山トリエンナーレ2022②〜商店街編』
悪いことをした時の対処法。
1. 素直に謝る
2. シラをきる。
3. 他人のせいにする。
4.無理難題な詭弁を繰り出す。(『悪い』というのはそもそも何を基準に悪いと定義するんですか??そもそも海外ではこのような事例の場合…などめんどくさい方向にもていって話を逸らす)
2024年も開けてから早くも2ヶ月が経ちました。私が前回亀山トリエンナーレについて書いたのは2022年の終わりでした。②に続く、とか最後に書いておいて全く続く気配はなく時間が経ってしまいました。
なぜか急に最近前の亀山の文を読まれた数が増えたりしていて、今年は『亀山トリエンナーレ2024』があるからなのか、もしくは好き勝手言ってることのクレームが来るからなのかわかりませんが(毎回怖いです)、次のトリエンナーレが始まってしまう前にきちんと書き終えたいと思います。
はい、では2年の時間の経過などは全く気にせず気持ちを切り替えて、冒頭の対処法1〜4のうち我が家に代々伝わる伝家の宝刀2と4を駆使して何食わぬ顔で続きを書き始めたいと思います!!
〜前回の続き
あれから二年…
漫画のエピローグ風に始めます。
ホテルに戻り資材と和紙を所定のサイズにカットして、翌日早々に展示会場に向かいます。とにかく設営時間をいかに短くするかに全精力を注ぎました。大学受験の試験中より緊迫した勢いで作業していたと思います。
ちなみに今回の作品のベースは伊勢神宮です。亀山から一時間ほどで行けるので下見の段階や設営前日に伊勢神宮へは何度か訪れておりそこでみた鳥居や囲いが今回の作品のベースになっています。
外部からの干渉ができない場所ということをコンセプトに「見える」「触れられない」「でもそこにある」みたいなことをキーワードとして設置しました。囲いの中には40kg分くらいの白砂が入っています。当初は部屋全体を白砂で埋め尽くしたかったのですが、予算がかかかりすぎるのと宅配便の人が大変そうすぎるので囲いに収めるめ案に変更しました。本当にもうこんな量でもめちゃくちゃ重かったです。
そしてこちらの会場は貸主様の都合で会期中は施錠していて中には入れないと初めに言われていたのであえて『中に入れない』ということを活かした祭壇的な作品にしようと試みました。
設営を無事終え、夕方には亀山トリエンナーレの展覧会オープニングパーティーが行われました。そこでは元森美術館館長の南條さんもいらしておりオープニング、および会期中には講演会などを開いて下さいました。
南條さんのお話で印象的だったのはこの亀山トリエンナーレは『世界的に見ても大変稀で、非常に信じ難いほどの、超低予算で成り立っているトリエンナーレ』だということでした。
そうなんだ!!と喜んでいいのかどうなのかわかりませんでしたが…(笑)
だからなのか地元感満載で、人との距離が近かったと仰っていました。
そしてこういった展覧会も一度芽が出たのならば育てて行かなければならないと仰っていました。
今回のトリエンナーレで印象的だったのは作品を見るわけではなくても街中を歩いていると昔の建物や穏やかで素敵な風景がたくさんあり、普通に散歩しているだけで十分楽しめるということでしした。
町も朝から丸一日使えばトリエンナーレの全ての会場が見られるような規模でその点なども回りやすくてよかったです。
市内を歩いていると要所要所に文化財や古い寺院などがあるのですが一番衝撃だったのは唐突に住宅地の中に出現したお茶屋でした。やたら植物に囲まれていてちょっと天国感が堪らなかったです。こちらでは東京から来てくださったお客様と一緒にお茶をしました。
こう言った屋外展示作品などが多い展覧会は必然的に作品が彫刻や立体のようなものが多くなり、平面作品の作品はどのトリエンナーレでも立体作品ほどは多くはありません。空間芸術としての体をなした作品が多く、昨今よく出てくる『インスタレーション』と言われるようなものが目立ちます。
なお現代美術にしょっちゅう出てくる『インスタレーション』は『インストール』=設置する(動詞)→ 『インスタレーション』=設置(名詞)から来ています。
…たぶん。
作品の多くは亀山のメインの商店街に密集しており現在はお店自体を閉めている場所もありましたが、こう言った展覧会期間中はお店の方のご好意によりその場所を会場として使わせたもらえたりします。
市内の文化財建造物などもいくつかは展示作品場として公開されているのですがそうではない市井の商店街にも良い場所はたくさんあります。
こういった町おこし的な展覧会はそう言った場所性をいかに上手く使うかが作家の力量として求められます。
なお自分が作品を展示していた商店街のある通りは全ての建物がかなり高い丘の上に位置しており、その道沿いのお店や住居のベランダからは外の景色が一望できます。
ほぼ全ての家が細い廊下を抜けると外の景色が見えるベランダのような開けた場所に通じており、ちょっとしたお化け屋敷のような雰囲気でどの家も入るとめちゃくちゃテンション上がります。そして通路の合間にはいくつも部屋があったりしてその部屋や空間などが展示スペースになっています。
暗い路地を抜けると…
亀山を一望できるお部屋が広がっています。
とにかく本当に景色がよくこの感動は写真じゃ伝えきれないほど暗闇を抜けた時の開けた感じは素晴らしいです。
なお元々ここは家具職人の集団生活所だったらしいです。
などなど、ここに紹介できたのはほんの一部ですが、他にもまだまだ素敵な場所がたくさんあります。
次は③文化財編に続きます。
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