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カフェオレボウルのない朝

あ-寒い。冬の朝は苦手。

ベットから出てすぐにガウンを羽織る。

そしてキッチンへと階段をゆっくりと降りていく。

早く温かいカフェオレを飲みたい。

これが朝一番のモチベーション。

でも、今朝、テーブルには何もない…。

そうか、今日は旦那さまがいなかったんだ。

昨日から出張で、出かけていたんだっけ。

そう、毎朝私より早く起きて朝食をとる旦那は、あとから食べる私のためにいつもテーブルセッティングをしておいてくれる。

ランチョンマットに置かれてたカフェオレボウルと大きめのスプーン、ナフキンとジャムの横には小さなスプーンも。

今日は何にもない。

仕方がないね、自分で棚からカフェオレボウルを取り出して朝食の準備をする。

そして ミルクを温めている間に考える。

ずっと当たり前に準備されてきたカフェオレボウル、もうすぐ19年になるんだなぁって。

そう、結婚してからずっと彼が私にしてくれていたことだったんだって。

今朝、はっと気がついたよ。

朝、眠気まなこの私を優しく迎えてくれていたカフェオレボウル、それは彼の思いやりだったんだなぁって。

ありがとうってちゃんと言ったことがなかったなぁって。

彼が今夜帰ってきたら、私が今朝感じたことを伝えようと思う。

素直に ただただ ありがとうって。


あとりえ あっしゅ/Atelier H







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