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ときどき手のひらに置いてギュッと握りしめてみる。
どんぐり。
水のなかにつけておいてから土に還すと芽が出るらしいけれど。
庭に大きく育った樫の木を想像してみる。
秋になるとどんぐりがたくさん実って、それが地面に落ちて、葉が落ちて、木が裸んぼうになって、春になると芽吹いて、青々とした葉をつけていく。毎年繰り返される自然の摂理。
でも、このどんぐり、土に還さないことにしたんだ。
人は忘れたくない大切なことを思い出したくない時があるから。
ずっと、とっておいて、時々手の中で温めたい。
わたしがきみのお母さんになるんだなんて、思ってもいなかったよ。
その日は突然来たから。
どんな風にきみに接したらいいのか、最初は全然わからなかった。
でも、みんな世の中のお母さんは、きっとそうなんだって思ったら少し気が楽になったけど。
きみと過ごした毎日は、いつも発見があって、びっくりしたり、笑ったり、泣いたり、時にはちょっと怒ったり。
普通にお母さんをしていた気がする。
「可愛いね、大好きだよ」って毎日話しかけてた。
ご飯をいっぱい食べてくれて、嬉しかったな。
どんどん大きくなってくれて、それを見るのが喜びだったけど、
目をそらしていた私もいたんだ。
だって、いつかその日がやって来るんじゃないかって思っていたから。
どんぐり。
大切な思い出をときどき手の中で温める。
大切なきみを思い出しながら。
*
最後まで読んでくださりありがとうございます。
この片思いのラブレターは、つい最近まで家族の一員だったジュ-ルへ向けたものです。あの日、ジュ-ルが私に残してくれた「どんぐり」
最終回の続きのような感じで書いてみました。
少し長いお話ですがマガジンに成長の記録を収めています。
このような形でまたジュ-ルのことを書く機会を与えてくださった
空心菜おひたちさん、ありがとうございます。
こちらの企画に参加させていただきました。
募集要項を読むと、片思いのラブレターは、誰かに向けて書くものとありました。
数日後の空心菜おひたちさんが企画に参加された方の記事を紹介されていて、コメント欄を読んでいくと、なんとそこには
「犬でもいいです」ってありました。
それで思い切って参加させていただくことにした次第です。
空心菜おひたちさん、こんなので大丈夫でしょうか。
どうぞよろしくおねがいします。
企画のマガジンはこちらから。
空心菜おひたちさんのnoteはこちら。
企画の締め切りは2月10日23時59分までだそうです。
まだ時間はたっぷりあるので、みなさまどうぞ奮ってご参加を~。
あとりえ・あっしゅ
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