カタール航空ビジネスクラスQSuite他搭乗記(東京~ドーハ~テヘラン)とテヘラン空港VIPターミナルなどなど(イラン旅行記その④)
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チケット発券と突然の減便
今回、テヘランまでの往復には、カタール航空のビジネスクラスを利用した。と、言ってももちろん、普通に航空券を買うと80万くらいする。下手にヨーロッパ行くより割高である。当然、キャッシュで払うことはできず、コロナ禍でダブついていたJALのマイルを利用した。お値段10万マイル。マイラーがよくやるやつで言うと1マイルの価値は約8円!
カタール航空は、このご時世でも、燃油サーチャージを徴収しないせいか、ここ最近はビジネスクラスはおろかエコノミークラスでもJALマイルを使った特典航空券の予約が取りにくくなっている。
だが、2023年5月の1年前、2022年5月はまだコロナ禍の行く末が不透明だったこともあり、ビジネスクラスでも予約取り放題だった。
その後、令和の鎖国も解け、いよいよ出発に備えて、現地の具体的な手配を始めつつあった2月の飛び石連休。帰りの便を待つ沖縄那覇空港のANAラウンジで、ぼーっとカタール航空のアプリを眺めていたら、信じられない表示を目にした。
事もあろうに、このタイミングで出発便が減便欠航になってしまった。一応の代替便は用意されたのだが、羽田0時過ぎ発だったのが、実質1日遅れの成田22時発に変更されてしまい、ただでさえ短いイランの滞在期間が更に短くなってしまった…。
一応、JALに電話して日付の変更を打診したが、空きがないとの返事。誰がどうみても運航会社都合の欠航なので、JAL運航便であればいくらでも融通が効くんだろうけど、提携特典だとまぁ代替便がご用意されているだけマシか…ということで、減便を甘んじて受け入れるハメになってしまった。
5/3 QR807便 NRT→DOH QSuiteビジネスクラス
チェックインカウンターが開く頃を見計らい、19時頃に成田空港着。GWまっただ中とはいえ、これから出発する便はそう多くはなく、空港もわりと空いていた。
既にオープンしていたカタール航空のチェックインカウンターへ。にこやかに応対してくれたグランドスタッフのお姉さんだったが、その航空券の行き先を確認すると、なんとなく声が一段低くなった。周りを警戒するかのようなその雰囲気に、え?自分そんなヤバいとこいくの?wwwとなる。まぁ気のせいだと思うけど。
あと、チェックイン時にはビザの確認もあった。一応アライバルビザもあることになってるらしいけど、やっぱり事前に確認するようだ。
もはや午後の混雑時間帯も終わっており、サクララウンジも空いていた。何はともあれ、半年ぶりのJALラウンジカレーを食べつつ、出発を待つ。
JALに比べるとカタール航空の搭乗開始はとても早い。出発一時間前だというのに、もう搭乗を開始したとのアプリ通知が来たため、半信半疑でゲートへ向かうと、たしかに搭乗を開始していた。エコノミークラスであんまり早い時間に乗せられても困るけど、長距離ビジネスクラスの場合は、ゆっくりと巣作りができるので搭乗開始が早いのはとてもありがたい。
そしていよいよQSuiteとご対面である。
全席通路アクセスのフルフラットであれば、どれも快適に思えてしまうので、好みの違いはあるとしても、JALやANA等と比較することは正直できなかったりする。ただいずれにせよ、ゆったり過ごせそうな雰囲気と空間である。あと個人的にカタール航空のエンジ色の色使いが好き。
QSuiteの座席について、その他特筆すべきことがあるとすれば、ANAのTHE Roomのような、前後で前向きの座席と後ろ向きの座席が互い違いに発生することだろうか。このタイプのシートは初体験だったが、地上滑走時や離陸時は多少、不思議な感覚になるけれど、その他、特に気になることはなかった。エンジンがこの方向でずっと見えるのは面白かったけどww
席について程なく、ウェルカムドリンクが提供された。普通なら、シャンパンかジュースという選択肢が普通だけど、イスラム教の国の飛行機ということもあり、ノンアルコールのモクテルという選択肢もある。自分はアルコールに弱く、ビール一杯でも持て余してしまうような人種なので、正直このノンアルコールの選択肢が大変ありがたい。
ということで、レモンミントだかライムミントだかのノンアルコールのモクテルをいただいた。濃厚ながらさっぱりしていて酸っぱいもの好きとしては、とても美味しかった。
ドアクローズの後、機内安全ビデオが流れるが、そのイントロとして、乗員乗客の安全を祈るクルアーンの一節が流れる。
ちなみにディスプレイにはUSB端子とHDMI端子があるので、なんか色々できちゃうのかも。
ビジネスクラスのアメニティはこちら。写真は撮りそこねたが、これの他にも、持ち帰り可能なパジャマまでつくという椀飯振舞。
離陸して1時間ほど経った頃、機内食のサーブが始まった。まずは食前にモクテルとミックスナッツ。ミックスナッツは温めての提供がされるという心遣い。
もう夜の23時ながら、前菜から始まるゆったりコース料理。もちろんパスして寝ることも可能だと思うがまぁ貧困層の悲しい性で食べてしまう。料理もそうだが、イミテーションのアラビアンなキャンドルが置かれたりしてオシャレ。
モクテルやちょっとしたカクテルなんかも傾けつつ、カタール航空ビジネスクラスのシグネチャードリンクメニューらしい、ノンアルコールスパークリング、ソージェニーを最後に。すっきりとした甘さとそして華やかさ。調べてみると、コンカフェとかではよく飲まれるらしい(?
JALでもFに乗ればロイヤルブルーティーとかもあるけど、やっぱり基本ノンアルコールな国は、下戸にとってありがたい…。
食べた後は、ぐっすりねむねむたいむ。起きたらインド上空だった。
この後はまた乗り継ぎもあるし、ちょっと軽めに朝食やお菓子をいただいた。
快適なQSuiteの旅も終わり、ドーハに到着。
到着した飛行機はボーディングブリッジではなく、駐機場へのいわゆる沖止め。こうなると、ビジネスクラスもエコノミークラスも関係なく、一緒のバスに乗ってターミナルビルへ…ということもしばしばあるが、カタール航空ではそんなことはなかった。
我々ビジネスクラスの乗客を迎えたのは、ビジネスクラス専用のランプバス。初めてみたwww
内装もエコノミー用のバスとは違い、ゆったりとした感じの椅子になっている。
ランプバスの他にも送迎車のようなものも見えるけど、多分これはもっと上のVIPな人が使うのだろうな…。うーん流石は中東石油王国家…。
アル・ムルジャン・ビジネスクラスラウンジ
トランジットの保安検査を終えると、あの有名なクマさんが目に入る。ドーハに来たんだなぁということを実感。しかし広い…この巨大な空港のなかでラウンジを探すのはなかなか大変。空港ガイド端末のようなものを見つけ、検索してようやく見当をつけた。
今回はビジネスクラス同士の乗り継ぎなので、アル・ムルジャン・ビジネスクラスラウンジが使える。このラウンジは、ワンワールドのステータス(サファイアやエメラルド)では使うことができず、ビジネスクラスの航空券を持っていないと使えない。ステータスでラウンジを使う場合は、他のラウンジが指定されるらしい。
また、有償ビジネスクラスのチケットを持っていたとしても、ラウンジが使えない予約クラスというのもあるらしい。そんなハードル高めのラウンジなので、無償の特典航空券、それも提携のJAL発券を持った自分なんて門前払いを食らっても仕方ないのだが、カタール航空は寛容にして慈悲深くあられる。ラウンジに続くエスカレーターの前で、門前払いを食らう他の客が目立つ中、特典航空券の身の私に、カタール航空の化身はにっこりと微笑んでくれた。
ラウンジに入ってまず圧倒されるのはこの泉である。もはやラウンジのつくりかたからして、中東石油王感があふれる…。
是非ともこのラウンジで少しゆっくりしてみたいものだが、残念ながらそこまで時間はない。シャワーを浴びて、奥のカフェエリアで軽くサンドイッチだけいただいた。
ちなみにカフェエリアだけでなく、ラウンジ最初の写真に写っているらせん階段を登ると、本格的なレストランエリアがあるらしい。広すぎて、上の階のことまで気が回らなかった…www
5/4 QR482便 DOH→IKA ビジネスクラス
広い空港の中を若干迷いながら、いよいよテヘランへ出発。
テヘラン行きの機材はA320。そのビジネスクラスは、普通の二人がけで、おそらくカタール航空の中でも一番古そうなタイプだった。席は通路側。空いているフライトを期待したが、それなりに混んでいて、隣にはペルシャ書籍を読むおじさん。
フライトタイムは2時間以下と、短距離路線ではあるが、しっかりとウェルカムドリンクは提供された。
ラウンジでもそれほど食べなかったし、そろそろお腹も減ってきたので、機内食は普通にいただく。朝食!という感じでメニューである。一応選べたはずだが、結局在庫がなくこのメニューしか残っていなかったww
個人用画面も、QSuiteと比較すると嘘みたいに小さいww
とりあえずマップを映しておく。いよいよテヘランが近づいてきた…。
Welcome To Iran!!
テヘラン空港VIPラウンジ(CIP ファーストアンドビジネスクラスラウンジ)
さて、時は過ぎ帰国。ここテヘランの国際空港(エマーム・ホメイニー国際空港)には、ビジネスクラス利用者の専用ターミナルがある。航空会社によって利用できたりできなかったりするようだが、とりあえずカタール航空でのビジネスクラスでの出発時には、ここを利用することができた。
専用ターミナルと書いたが、その通りで本体のターミナルビルからは少し離れた別棟になっている。タクシーで空港に向かう際には、明確にCIPターミナルと伝えないと普通のターミナルビルに連れて行かれてしまうので注意。歩道等もないので、歩いて移動することもおそらく難しいと思う。
ちなみに、私はライドシェアで空港に向かい、きちっとCIPターミナルに行き先のピンも置き、乗る時に念を押したつもりだったが、それでも普通のターミナルビルに連れて行かれてしまった。CIPターミナルと言ってもあまり通じなかったが、VIPターミナルだと言ったら一発ですぐ理解してもらえたため、そちらの方が通りはいいかもしれない。
CIPあるいはVIP専用ターミナルということで、どうみても遊んでるだけの品も金もない貧乏旅行者にしか見えない自分が入れてもらえるのか心配だったが、ターミナルの前で待ち構えているポーターに航空会社名と搭乗クラスを伝えたらなんなくスムーズに受け入れてもらえた。
中に入るとまずはチェックインエリアとなる。パスポートとEチケットの控えを係員に渡し、受託手荷物をお願いすると、チェックインエリアにあるソファで待つように指示される。
待つこと数十分くらいだろうか。その後、ラウンジエリアに案内された。もはや半年前なので正確には覚えていない…がパスポートはこの時点では返却されなかった、と思う。搭乗券も渡されていないため、不安だが、大丈夫らしいので進む。
ビジネスクラス専用ターミナルということで、ターミナルビル全体がラウンジのような形になっており広い。
ビュッフェエリアはこんな感じ。充実している…とは言い難いが、美味しくいただいた。
こじんまりとはしているが、免税店(お土産ショップ)もある。無駄にサフランを買うなど、とりあえずここで残っていたイランリヤルを使い切った。
お手洗いなども、もちろんきれいだが、残念ながらシャワーのような設備はないようだった。
なお、このラウンジも2階があるようだったが、そちらは閉鎖されていた。
たった正味5日間に日程とはいえ、エネルギッシュな国での旅。疲れ果ててねむねむたいむを満喫していると、突如パスポートが返却され、搭乗券が渡された。
ほどなくして、出国手続きの案内が始まる。おそらくこれが、一般のターミナルなら長蛇の列に並んで…ということになるのだろうが、専用ターミナルなので一瞬で終了である。
手続きが終わった後は、飛行機までバス移動となる。ちなみに、この出国手続きのタイミングでなんと日本人と遭遇したww
お相手の方はもちろん、お仕事で来ているらしい。大阪に帰るらしいが、ドーハからの直行ではなくソウル経由なんだ…とぼやいていた。仕事でイラン渡航とは、めっちゃ大変なお仕事だよなぁと思う一方で、でもそういう国に仕事として行けるような仕事は楽しそうだなぁと勝手に憧れてみたりもする。
さて、このCIPターミナル、率直に言ってめっちゃ楽だった…。いや、一切列に並ぶ必要なく、ほとんど座ってるだけですべてが終わるのは神やな…。これだけのために、ビジネスクラスで帰国したくなるね…って言う…。
なお、ターミナルの公式サイトを見ると、ビジネスクラスでなくてもどうやら別料金で使える仕組み等もあるらしい。実際、さっきの日本人さんは、会社での手配なのか、エコノミークラスに搭乗されていた。まぁ個人で使えるのかどうかは不明だが。
5/7 QR499便 IKA→DOH ビジネスクラス
テヘランからの帰国便は、QSuiteではないけれど、JALのSkySuiteⅢのようなフルフラットスタイル。
もう、ラウンジでご飯は食べたし、この後も時間を空けずに乗り継ぎなため、機内食はカットしてひたすら寝ていた。CAさんは、えー機内食いらないのー?みたいな反応だったけど…。眠いんや…。
5/8 QR806便 DOH→NRT QSuiteビジネスクラス
ドーハでの乗り継ぎは行きよりも短時間。ラウンジでのシャワータイムアタックに成功したあと、ゆっくりする間もなく東京成田行きに搭乗した。
今度は、ボーディングブリッジからの搭乗。流石に全便沖止めというわけではないらしい。(それはそう
そして再びのQSuite。行きと特段変わったことはないが、今回は寝る時にはマットレスを敷いてもらうことにした。
帰りの機内食も美味しくいただいた。コースの他のアラカルトとしては、日本線らしく、寿司なんかもあった。…味はまぁ…という感じだったけどww とはいえ、醤油の味は嬉しい。
んで無事に帰国。次回はイラン旅行のまとめで締めようと思う。
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