🇺🇿、6年会わざれば刮目してみよ（ウズベク・カザフ旅行記その1　タシケント入国編）

2024年8月4日 18:07

　2024年の6月8日～17日まで、10日間の日程で中央アジアの二カ国、ウズベキスタンとカザフスタンを周遊してきた。アシアナ航空と大韓航空の合併がいよいよ近づくなか、スターアライアンスの特典航空券で中央アジアへ行ける機会もそろそろ少なくなりそうだし、また中央アジア行きたいなぁ、というのが最初の理由。
　その後、

今まで乗る機会がなかった正真正銘出入国管理もある国際列車に乗りたい
どうせなら太陽が出ている時間に国境を超えたい＝日の長い時が良い
中央アジアはウズベキスタン以外行ったことがないが、カザフスタンはわりと快適な鉄道旅が楽しめそう

…等々の理由から、行き先と時期が決定。
　うちの会社は、一斉の盆休みがない代わりに6月から夏休みが取れるので、そのへんを有効活用しつつ行ってきた。

OZ107便とOZ573便を乗り継いでウズベキスタンへ

　6月8日早朝の成田空港。まずは、ここからアシアナ航空にてソウルへと向かう。

　ちなみに、前夜の真夜中にメールが来ていたが、定刻9時発のところ、新しい出発時刻は10時25分で、1時間半くらい遅れる予定らしい。ソウルでの乗り継ぎ時間自体は元々5時間あるので、全く問題ないが、いくらインチョンは乗り継ぎが便利とはいえ、やっぱり、あんまりギリギリなのは怖いな～と感じる。特に、中央アジア線はデイリー運航ですらないので…。

　何年ぶりか分からないANAの国際線ラウンジで朝食を食べつつ、

　A330の古さを隠しきれない、ビジネスクラスシートに収まる。中央アジアに関しては、そこそこ時間がかかるくせに、特典航空券で取った場合の必要マイル数は他の東南アジア圏と一緒である。また、アシアナ航空利用のスターアライアンス特典はわりと取りやすい（空席がある）印象で、ビジネスクラスで特典航空券を発券する場合のスイートスポットの一つであると感じている。真面目に有償発券すると割高な区間でもあるので。

　機内食は韓国食一択なのだが、朝ということもあってか、おかゆだった。これはこれであっさりしていてとても具合が良い。

　遅れたとはいえ、ソウルでは3時間以上の乗り継ぎ時間がある。入国しても良いのだが、最近、出国の保安検査が激混みだ、なんていう話も聞いていたので、結局、そのままアシアナラウンジで仮眠しつつ、辛ラーメンをすすってチルソンサイダーを飲んだりしていた。

　搭乗時刻が近づいてきたので、ゲートに向かう。ウズベキスタンは、レストラン等でビールも売るようなゆるさとはいえ、やはり国民の95％以上がムスリムというイスラム教国である。ゲート周辺の乗客も、その顔つきや、ヒジャブを纏う女性がたくさんいるなど、他のゲートとは少し雰囲気が異なっていた。いよいよまた、あの中央アジアに還るのだ。

　搭乗。ソウルまでと同じ、A330のビジネスクラスシートだが、こちらは、さらに古く、あきらかにくたびれたもはや骨董品並のシートだった…。

　もはや、シートモニターは現代の機材からすると、ブラウン管か？と思ってしまうくらいの古さである。

　まぁ、ただ、ガラガラだったのは救い。2列シートでも、隣がいなければ、"通路アクセス"だし。

　機内食は、アシアナ航空おなじみのサムパブ。安定の味で美味しい。

　日系と違い、アシアナ航空のビジネスクラスには、ちゃんとデザートワインがある。基本、お酒が飲めない身なのだが、甘いお酒を少量ゆったり楽しむのは好き…ということで、オーダー。この便ではポートワインが提供されていた。

　昼寝を交えつつ、夕暮れの雲海を眺めながら、到着前に軽食としてラーメンをオーダー。麺はインスタントだろうけど、ちゃんとした盛り付けでキムチや沢庵付きで提供される。うまし。

　いくら機材やシートが古いとはいえ、まぁゆったりとしたビジネスクラスであることには変わりなく、あっという間にタシケント空港に着陸。20時過ぎということで、普通ならもう夜の着陸になってしまうが、今は夏至近いということで、夕闇迫るタシケントの街を眼下に眺めることができた。

note用タシケント空港着陸 pic.twitter.com/O0Qq9vnuRx
— ATB (@ATB8239) August 4, 2024

何から何まで変わっていたタシケント空港入国

　ボーディングブリッジに付けられ、空港ターミナルに足を踏み入れると、その様子は数年前とは様変わりしていた。
　そもそも、以前の到着時はボーディングブリッジなどというものではなく、ビジネスクラスもエコノミークラスも十把一絡げにバスへと詰め込まれ、バスを降りれば、ものすごく薄暗いターミナルビルで、審査員さえおらず入国審査で待たされた。なんとか入国したものの、空港は両替所さえ開いていない、なんてこともあった。その頃のタシケント空港はアジアで一番ひどい空港とまで言われていた記憶がある。

　それがどうだろう…ぴっかぴかの新しいターミナルビルでは、まだ使われていないようだが、自動化ゲートのようなものさえ目に付き、入国審査もスムーズに進む。その後の手荷物受取所のなかには、両替所や、ATM、SIMカードを売る店などがあり、非常に効率よく入国準備を進めることができた。なんというメガシンカ！！！

　それ以前に、昔はビザも必要だったしな。古いパスポートにはそのまま残ってる。

　それが、いまやノービザ！まぁビザはビザで記念になるから悪いことばかりでもないのだが。

手荷物受取所でSIMカードの購入

　ということで話を戻すと、現在のタシケント空港では、通関前の手荷物受取所で、荷物を待ちながら、両替やSIMカードの購入をすることができる。入国直後の空港内なので、写真は控えておいたが、有人の両替所が空港出口方向に向かって背後の方に、キャッシング可能なATMが脇に、またウズベキスタンの通信会社の一つである、Ucellの円形カウンターが目立つ中央にあった。

　料金は一番安いプランでも、到底使い切れないような60GBのデータ容量付きで6万スム（日本円で800円ほど）だった。クレジットカード利用可。
　Ucellのアプリを入れるよう指示されたり（残容量を見たりするのに必要な模様）と、使用に必要なことは係員がすべてやってくれるのでありがたい。

　1点、以前、ウズベキスタンに来たことはあるか？と聞かれた。事後で調べた情報によれば、どうも、海外からの通信機器については、未登録だと、1ヶ月までしか使えないというような制限がある模様。再訪でもスマホが変わっていれば、問題ないが、長期滞在や、何度もウズベキスタンに来るようなリピーターの場合は要確認かも。

　以前の旅行時もUcellのSIMカードにお世話になり、その際の通信状況も良好だったため、素直にUcellを選択したが、他の通信会社がいい場合は、同じく手荷物受取所内のツーリストカウンターのようなところに広告が出ていたため、そこで買えるかもしれない。

　その他、空港から街へのシャトルタクシーなどのカウンターもあった。後述するライドシェア（Yandex Go）の方がはるかに安いが、このシャトルタクシーの場合は、建物から外に出た直後の制限区域っぽいところから、そのままタクシーに乗れるのがメリット。Yandex Goの場合、野良白タクの勧誘をかいくぐり、空港敷地から出た道路で捕まえる必要がある。

革命的Yandex Goで市内へ

　Uber、Grab、Snapp!などのライドシェアサービスは世界中で普及しているが、特に自分のような、~~ともに旅行できるような人がいないぼっちの~~個人旅行者には、ほんとに革命的なものだなぁ…とつくづく感じてしまう。ここ、ウズベキスタンでも、近年、Yandex Goという旧ソ連圏などで広く使われているライドシェアサービスがあり、空港から無言でホテル行きのタクシーに乗ることができてしまった。

首尾良くヤンデックスさん捕まえてホテルへ pic.twitter.com/elq3glFUQJ
— ATB (@ATB8239) June 8, 2024

　これが良いことなのか悪いことなのかはさておき、本当に革命的である。以前、このウズベキスタンを訪れた際は、空港のみならず、駅やホテル等、様々なところで、野良白タクと電卓片手に価格交渉が必要だった。ガソリン代が上がっててそんな相場では行けないんだとかいう話をされたかと思えば、着いたら着いたでしれっと倍の料金を請求されたりなど、なかなかカロリーの高い経験だった。

　今回は、事前にYandex Goのアプリを日本でダウンロードし、本人確認等も日本の電話番号で行ったところ、クレジットカードでの決済も可能な最強交通手段となった。

　なお、空港からYandex Goに乗る場合、Yandex Goは空港敷地内に入れないため、駐車場等を徒歩で越えて、外の一般道路近くまで行く必要がある。国旗がはためく交差点があり、その周辺が車も停めやすくひろいやすいと思われるのでオススメ。自分も実際このあたりで乗った。