国際規格の功罪④ ~罪?・規格は本当に必要十分条件?~
こんにちは! あたたけ です。
引き続き、食の安全における『(国際)規格の功罪』についてです。
前回までで規格の『功』の部分、『共通認識』『設計図』という話をまとめました。
あたたけ的に、食品企業はどんどん規格を活用すると良いなぁと思います。
が、規格の活用方法を間違うと、思わぬ落とし穴?にハマるような気もしますので、今回はその辺りを考えましょう。
一番わかりやすい落とし穴は、『認証をとっただけでは、真の食品安全レベルは向上しない』というものですね。
以前の記事でも書きましたが、認証(または適合証明)がある工場でも、あきらかな管理不足な時があります。
原因は『日本品質とのアンバランス』以外にも、『食品安全・品質管理の成果は見えにくい』というものもあるかもしれません。
『事故・トラブルが起こらない』のが成果なので、数値でプラスの評価をしにくいんじゃないかなぁと思います。
で、明らかなプラスの評価指標として『食品安全規格の認証』を上げてしまい、結果、認証取得がゴールになっている(≒継続的改善は考慮されない)。そら、品質向上には繋がりませんね。。。。。
ちなみに、最近のあたたけは、上記のようなことから『規格は使うけど、認証(適合証明)は不要では?』というスタンスになりつつあります。
さて、もう1つ、あたたけが気になっている落とし穴は、『実は、食品安全国際規格って、もしかしたら十分条件ではないかも??』というものです。
いちおう、公には?食品安全の国際規格は『食の安全性確保のための必要十分条件』という感じですが。。。。。。
規格の内容が食の安全性確保の『必要条件』なのは間違いないと思います。だから、設計図になるんですよね。
でも、規格が本当に十分条件かというと、本当に大丈夫かなぁ?と思うこともあります。
『規格=共通認識』ということから、日本ではJFS規格がおススメだと思います。実際、あたたけもJFS-GM規格(多店舗・フードサービス版)を活用しながら、組織の管理体制を見直しています。
ですが、やっぱり、JFS-GMはJFS-C(国際規格)の簡易版でしかないので、『その項目ってなくて良いの?実際の管理を考えたら、けっこう大事なんやけど!』ということがあります。
具体例を挙げると『製品開発』でしょうか。
JFS-GM規格は『多店舗展開をしているフードサービス事業者向け』です。ということは、この規格を使おうという組織には本部機能(いわゆる本社)があるのが当然です。
で、新規商品開発のことを考えると、基本は本部で行い、それを店舗に落とし込んで販売に繋げるはずなんですよね。
言い換えれば『開発する人と、商品として作る人は違う』わけです。
ということは、開発側は店舗にわかりやすく、ブレが少ない調理手順を示さないと、思った通りの商品、つまり『安全性を含む一定の品質を保った商品』ができないんですよね。
と考えると、製品開発って、安全性確保の上でも大事なことなのにJFS-GMにはないのはどうなのかなぁと思うわけです(JFS-Cにはあるのに!)。
なので、あたたけとしては、製品開発についても何かしらの基準(開発管理計画)を明確に作った方が良いのかなぁと考えています。
他には『(法律がややこしい)食品表示』なんかも、別途、表示作成時の共通ルールをまとめる(表示管理計画)のが良いかもしれません。
と考えていくと、『規格=必要十分条件』と信じ込み、『規格に書いていないことは不要』と安易に判断するのは危ないような気もしています。
ちなみに、JFS-Cも、他の国際規格(FSSC 22000)と比べたら、『コミュニケーション』と『力量』が物足りないなぁと思ったり思わなかったり。。。
なんていうでしょうか、『規格も結局、使い方次第』ということですね。
ではでは。今回はこの辺りで!