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ドべネックの桶 ~何を切るのか~

こんにちは! あたたけ です。

食品企業の品管をしていると、日々、いろんなことが起こります。
どうにか防ごうと思うのですが、直接の原因は『人』に由来することが多く、悩ましいところです。

個人ではなく仕組みの問題』『ヒューマンエラーを仕組みでなくす』等と言われて久しいですが、なかなかテキスト通りにはねぇ。。。
(あたたけの力量不足はおいといて)労働集約型産業では『ヒューマンエラーをゼロにする』のは机上の空論ではないかとすら思えてきます。

その辺りも踏まえ『人をミスの原因』とネガティブに捉えるのではなく、『人を事故防止に活かす』とポジティブに捉え、どうにかしようというのが『あたたけ的Food Safety-Ⅱ』ですね。

さてさて、Food Safety-Ⅱの実現は目指すとして、そうは言っても当面のヒューマンエラー防止のために教育?注意喚起?もする必要があります。
その際、あたたけがよく使うネタが『ドべネックの桶』です。
本来の意味はネットで調べていただくとして、食品衛生に関連させる場合には『組織の衛生レベルは一番レベルの低い人のレベルにしかならない。だから、全員が最低限のことをする必要がある。』という感じですね。
人のミス防止が主目的ですので、個人を板に当てはめ『人の力量向上≒板を伸ばす』ような話をしているわけです。

ですが、色んな組織の衛生管理状態を見ていますと、人がどうとかよりも、『取り組んでいることのアンバランスさ』が原因で事故・トラブルに繋がっていることもあるんですよね。
いろいろと頑張ってはいるけど、大事なコトが抜けている』という感じでしょうか。
で、こんな時、『短い板を伸ばす≒抜けてる所をはじめる』だけで進めてしまうと、たいていは解決しないんですよね。

理由は単純で『資源(というか人手・労力)不足』です。
人の能力は伸ばせますけど、労力(≒時間)は伸ばせませんからね。

『能力向上⇒生産性向上⇒時間確保』ということは可能ですが、今の時代、確保した時間は労働時間短縮(≒労働環境向上)に優先して使うの組織がほとんどでしょうから。
特に労働集約型の組織では。。。。
生産性向上で残業時間が短くなった場合、『じゃあ、その残業時間で他の仕事を』とはなかなか言えませんからね。
『早く帰ろうね』って言いたいですから。

となると、『長い板を切る≒過剰な所をやめる』もセットで考えないとダメなわけです。

品管の立場では『何かをやめる』って難しいものです。
他の業種はわかりませんが、食品業界で『うちの品質は過剰だから、少々削っても大丈夫』と言える人はいないんじゃないでしょうか。

ただ、それでもやっぱり、トータルでの安全性・品質向上のためには『リスクを考慮した上で、やめる』と判断(もしくは提案)することも、品管担当の大事な仕事だろうなぁと思います。
『大きくても凸凹』よりも『小さくても一定』の方が品質は安定するはずですからね。

まぁ、頭ではわかってても、気持ち?覚悟?のところで難しい話ですけどね。
特にゼロリスクを求められがちな世の中ですから。。。。

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ではでは。今回はこの辺りで!

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