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森のシェードガーデン ポール・スミザーさん風 ~熱海の崖に家を建てる【外構編】
みなさんこんにちは、ゆりです。
そろそろ今年も終わりが近づいてきました。
いかがお過ごしでしょうか。
崖の家、おかげ様で、施工してくださる会社が具体化し、基本設計も終わりつつあります。
トントン拍子に進んでしまうと、来年の夏ごろには着工かも。
となると、外構・庭(森のこと)の構想もあわせて考え始めなければ。。
今日はあこがれのポール・スミザーさんだったらこの庭をどう設計するだろう、と妄想し始めました、という話。
熱海の崖に家を建てようと思います。
名付けて、熱海Case Study House。
自腹でケーススタディしながら
今そこにある技術・アイデアを実装した
現代のCase Study Houseを目指します。
ポール・スミザーさんとの出会い
ポール・スミザーさんと言えば、ご存じの園芸愛好家も多いと思います。
有名な作品では、今はなき「宝塚ガーデンフィールズ(2013年閉園)」、最近だと清里高原「萌黄の村」でしょうか。
マンションの庭の設計、施工、管理のお仕事もされているようで、たまたま前の家(コーポラティブハウス)のガーデンを、ポール・スミザーさんの会社、ガーデンルームスが担当してくださったのです。コーポラティブハウスの物件説明ビデオにポールさんが出ていて、その庭づくりの考えに共感したのを覚えています。
思えば、ポールさん設計のガーデンだったから、あのコーポラティブハウスに決めたのだと思います、私。
そのガーデンは、東京郊外の駅前、マンションとマンションの間、陽当たりがよいわけでもない空間に造られました。
百日紅と桜の木を中心に、さまざまな色や形のグリーンがいつも元気に庭を彩ります。斑入りの葉、グラスやススキ、壁をつたう葉、大きな葉、濃い緑からライトグリーンまで。春になると小さな花があちこちで咲きますが、主役はグリーン。本当に賑やかで、素敵なアプローチガーデンです。
ポールさんのガーデンがあまりに好きすぎて、今の家(再びコーポラティブハウス)のアプローチガーデンも「ポールスミザー風」にしてもらったくらい。
ファンなのでね、本やDVDも熟読しています。
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ポールさんだったら何から始めるだろう?
崖の家の庭、ポールさんにお願いできないかしら。もちろんそう思いますとも。
ところがガーデンルームスのホームページを拝見すると「現在、案件が立て込んでおり、新規のデザイン・施工はお受けしておりません。」とのこと。
かなり難しいのだろうなと思いつつ、まずは自分でできることからと、ご著書「ポール・スミザーの『これからの庭』」を再読してみました。
いいことがたくさん書いてありました。読み返してみるものです。『これからの庭』のポールさんのルールに従って取り組んでいきましょう。
ポールさんのルールは7つあります。
妄想段階の今の私に必要なのは、このうち2つ。
Paul's rule1:庭や植物に対する思い込みを捨てよう
「考え方次第でデメリットはメリットに変わる。マイナスをプラスに変えるのは自分次第だ。」
放置竹林は少し手を入れただけで、竹林の静謐さを取り戻しつつあります。
侵入竹を伐ったヒノキの森は、陽があたるようになり、環境が変わりつつあります。
道を通すことで、ヒノキの森の下には様々な日陰の植物が生育していることがみえてきました。
森の中にポールさん風のシェードガーデンをつくると考えれば、崖の家の庭はうってつけの環境かもしれません。
Paul's rule3:その土地の気候、場所にあった植物を選ぶ
「庭づくりに大切なことは、その土地に合った植物を選ぶこと。」
「私が庭の依頼を受けた場合、まず現場の周囲をよく観察して歩く。」
庭づくりのための植物を選ぶ方法は下記。
「庭周辺の写真を撮って、記録していく。」
↓
「撮った植物の名前がわかれば耐寒性、耐暑性を検索。自分が植えたい植物の耐寒性、耐暑性も調べる」
↓
「各植物の原産地もチェック。その原産地の気候も目安になる。学名も検索して、その仲間が日本で一般的かどうかも目安になる。」
↓
「さらに画像検索もして、同じ画像に移り込んでいる植物をピックアップ」
↓
「画像に移り込んでいる植物で、好みのものがあればリストに入れる」
↓
「同レベルの耐寒性、耐暑性の植物を徐々に絞り込んでいく」
↓
「リストを作成しながら、各植物の高さ、花期などもチェック」
↓
「耐寒性、耐暑性を揃えながら、高さや花期の違いを考慮してプランを立てる」
ということで、「庭周辺の写真を撮って、記録していく」から、地道に始めることにします。
崖の家の植物図鑑(勉強中)
まずは、先日竹林整備隊に新たに付けていただいた獣道沿いの植物観察から。
冬の葉が落ちた時期に植物なんていないかなと思いましたが、これこそ思い込み。実をつけている植物もいました。
森の中をウロウロしながらスマホでパシャ。撮影した写真をGoogleレンズで検索、条件が合致する植物を探します。葉の裏など、確認が必要なことばかりで、なかなか植物の名前を特定できません。思わず徹夜しそうになっちゃいました。植物は奥深いですね。
崖の家の植物図鑑、はじまりはじまり。
ベニシダ
ヒノキ林の上部、雑木が生えているエリアの足元に点在しています。
半日陰で適度に湿り気のある肥沃な土壌を好むとのことなので、落ち葉がよい養分になっているということでしょうか。
シダ類であることはわかるのですが、シダ類は種類が多く、「なにシダ」なのか特定てきず。図鑑とにらめっこしています。
特徴は冬でも緑(常緑)、2回羽状複葉(羽片が細分化し、小羽片が独立する)だと思われるので、ベニシダではないかと思っています。
図鑑をみると葉の裏をみるのがポイントのようなので、次回は葉の裏もみてみます。
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アオキ
Googleレンズによるとサカキと判定されましたが、少しギザギザの葉の形を考えるとアオキと思われます。
日陰の庭の救世主的な存在の木とのことで、半日陰から日陰の肥沃な湿潤地を好むとのこと。ヒノキの森の合間のいろいろなところに自生しています。
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ハナミョウガ
Googleレンズで最も近いものはハナミョウガ。山地の林内でみられる高さ40~60cmの常緑多年草。
侵入竹を伐採したヒノキ林の中に生えてきました。晩秋から冬に長さ1.2~1.8cmの広楕円形の赤い果実が熟すとのことなのですが、今のところ赤い果実は見当たりません。葉の両面にビロード状の毛がはえ、特に裏面に多くはえるとありますので、次回、葉をもう少し観察してきます。
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フユイチゴ
低山の林縁や林内でみられる常緑低木。これは実があるので確定でよいかな。日向~半日陰で、水はけ・水もちのよい肥沃な土壌を好むという敷地条件も合致します。
森の中に赤い実がみえるとちょっとうれしくなりますね。
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オニシバリ
Googleレンズで最も近いと思われる植物は、オニシバリです。丘陵~山地の林内のはえる高さ1~1.5mほどになる落葉低木、山地の雑木林に自生。春~秋は半日陰、冬に日向となる水はけと水保ちの良い場所が適地とのこと。侵入竹を伐採したので生えてきたのでしょうか。
7~8月に落葉し、夏に落葉するため別名「ナツボウズ」というそうです。新芽が出てくるのが8~9月。開花は早春(2~4月)、5~7月に赤い実を熟すようですが、有毒とのこと。
早春に花が咲くか、赤い実を熟すか、観察を続けたいと思います。
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コゴメウツギ
葉の形でいうと、モミジイチゴかコゴメウツギと思われます。なんとなくコゴメウツギなんじゃないかと。
3月~5月に白い花が下向きに咲いたらモミジイチゴ、5月~6月に4~5mmのクリーム色の5弁花が多数咲いたらコゴメウツギとしましょう。
こちらもしばらく観察が必要です。
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ヤツデ
海近くの林内でみられる高さ1.5~3mほどの常緑低木。耐寒性に弱いようです。半日陰~日陰で水はけがよく、肥沃土壌を好むとのこと。海近くの林内、熱海なら問題ないですかね。
花が咲くのは10月~12月、まさに今の季節、熱海の海沿いには花が咲いたヤツデがたくさんみられます。でも、ここ崖の家の庭では咲いていません。もう少し成長すると咲くのでしょうか。
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クマデヤシ(ミキナシサバル)
Googleレンズで一番近いものがクマデヤシ(ミキナシサバル)です。最も耐寒性の高い原生ヤシで北アメリカの東南部を中心に分布しているのだとか。熱海の森ってカリフォルニアっぽい気候なんですかね。
春と夏に長い肉穂花序を出し、白色で3mmの小花を多数つけるそうです。花の感じはヤツデに似ているのでしょうか。
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マンリョウ
サクラソウ科の常緑低木。自生は常緑樹の林内が多く、かなりの日陰にも耐えるとのことです。実の姿がまん丸であることからマンリョウとお見受けしました。
マンリョウは、冬にも葉が青々としていて、冬に赤い実をつけることから、古くから縁起のよい植物とされ、赤い実はお正月飾りにも使われるそうです。花が咲くのは7月。1cmほどしかない小さな花を咲かせるようです。
ちょっと大事にしてしまいそう。
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ヒイラギ
山地でみられる高さ4~8mの常緑小高木。日陰にも耐えるようですが、間伸びしたり虫がつきやすくなるので日当りのよい場所に植えるのがよいとのこと。半日陰の森の中で自生していますが、大丈夫なんでしょうか。。
10月、11月に白い花が咲くようです。
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テイカカズラ
常緑つる性木本。太いものは茎が4cmにもなり、気根を出して木や岩壁を登ります。式子内親王を愛した藤原定家が、彼女の死後も忘れられず、その墓に蔓となってからみついたという伝説からこの名がつけられたそうです。
日向~半日陰で水はけのよい、適度に湿った肥沃な土壌を好むとのことなので、ここはばっちりの環境です。
花は5月、6月。クリーム色の小さいかわいい花が楽しみです。
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ヤブラン
樹林下などの日陰の湿った場所でみられる高さ20~50cmの常緑多年草。紫色~ピンク色で長さ4~5mmの6弁花が6月~10月に咲くようです。日陰だと花つきが悪いようなので、花が咲かないようならば掘り返し、株分けして来年の11月頃植え替えしようかしら。
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イヌガシ
Googleレンズでは、シロダモ、イヌガシ等候補がたくさん出てきて、正直どれだかさっぱりわかりません。
シロダモもイヌガシも「陽当たりと水はけのよい肥沃な場所」を好むようで、侵入竹を伐採したエリアは陽当たりがよくなっているのかもしれません。
イヌガシであれば、3月、4月に暗い紅色の花、シロダモであれば10月に淡い黄褐色の球状の散形花序がつくようです。
観察、観察です。。
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ヤマコウバシ
枝や葉を折ると香りがあり、低山から山地斜面や尾根などにはえる落葉低木。クスノキ科クロモジ属。秋に色づいた葉は落葉せず、翌年の萌芽時に散るとのこと。まさにそんな感じですね。森の中で日当たりが悪いからこのくらいの色づきなのか、熱海は暖かいのでもう少ししたら赤くなるのか。観察したいと思います。
4月に若葉と同じ色の花が咲くのだとか。これも楽しみですね。
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ムラサキシキブ
高さ2~5mほどになる落葉低木。山地や平地の落葉樹林内、日当たりがよく、水分に富む土壌を好むとのこと。
こちらも侵入竹を伐採したヒノキ林の中でみつけたので、陽当たりが改善しているのでしょうか。
紫の丸い実がなるのは9月、10月、11月のようですが、熱海は暖かいので12月まで実がみられたのかもしれません。花は淡い紅紫色で、6月、7月、8月とのこと。こちらも楽しみです。
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まとめ
植物図鑑づくり、久々に時間を忘れて作業をしてしまいました。
楽しかった!
問題は、植物の名前をすぐに忘れてしまうこと。記事を書くことで、自分で何度も読み返して記憶を定着させています。
ヒノキの森は肥沃で湿潤な半日陰から日陰、侵入竹伐採エリアは肥沃で水捌けのよい日向から半日陰のようです。
思ったより悪くない環境!
冬でこれだけの種類の植物を見つけられると思うと、春が楽しみです。まずは観察、そして森のシェードガーデンへ。