FMラジオから始まる朝
はじめに
朝のラジオを何かに例えるならば、今日も世界が動き出したことを伝えてくれる「目覚まし時計」のようなものだと思う。
朝起きてすぐにFMラジオを聞くようになってから約2ヶ月が経った。
深夜ラジオからラジオの世界に入ったわたしにとって、なんとなく「ラジオは夜に聞くもの」というイメージがあった。
しかし、ある朝ふと「朝のラジオはどんな感じなのだろう」と思い立ちFMラジオを聞いてみた。するとトークと音楽の絶妙なバランスが寝起きのぼやけた頭に無理なく馴染み、とても心地よいことに気づいた。
それからというもの、毎朝起きたらすぐにラジオをつけることが私の朝のモーニングルーティーンに加わった。
「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」
いつも聞いているのは J-WAVE の「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」
パーソナリティーの別所哲也さんの爽やかなトークとテンポの良い音楽を中心に番組は進んでいく。それらを聞いているうちに、今日も一日が、世界が動き始めていることを感じる。
特に好きなコーナーは8時35分頃からの「MORNING INSIGHT」
「新しい暮らし、新しい価値観、NEW LIFE、NEW VALUE、NEW NORMALに迫る」と謳っているように、別所さんとゲストの方との会話から、私の知らない世界の断片に触れることができる。
さわって色がわかる洋服タグの開発部の方やビーチクリーンなどの環境保護活動を行っている方などなど。わたしの視野でとらえられる範囲の外側に存在する人たちの生き方を知る。
毎朝、少しずつ世界が広がっていくことのワクワク感がそこにはある。
ラジオの向こうのリスナーに思いを馳せる
また、朝のラジオは一日の始まりとともに、リスナーの一日の始まりも伝えてくれる。
別所さんが読み上げるメッセージには「今日18歳の誕生日です!」という高校生から届くものや、「朝の通勤中に聞いています。」という満員電車に揺られるサラリーマンからのものもある。
起きぬけの頭で、同じ朝を迎え、同じラジオを聞いているどこかのリスナーに思いを馳せる。
18歳の誕生日だというメールを送ったリスナーはどのような一日を送るのだろうか。学校で友達にサプライズをしてもらい、家に帰れば家族で誕生日パーティーをするのかもしれない。
満員電車に揺られながら通勤するサラリーマンはどんな仕事をするのだろうか。大事なプレゼンがあるのかもしれない。仕事で発生したトラブルを上司や部下とともになんとか解決しようと動く一日になるのかもしれない。
朝のラジオは夜のラジオに比べ、リスナーの姿が色濃く映しだされる。パーソナリティーだけでなくリスナーの人生も動いているということを感じとることができる。その感覚が、なんだかくすぐったく愛おしいのだ。
自分の知らない場所で生きる知らない人とわたしの時間が、ラジオを通して重なる。そんな朝とともに、わたしの一日も始まる。