市場価値を上げるスキル
人から学べることは幾つかある。
それをざっくりまとめると、「知識」と「能力」に分けられる。
知識は、頭で記憶できるし、記録もできる。
だから、ネットや本で調べれば、人から直接学ばなくても覚えられる。
(調べられない知識があるとすれば、秘匿事項)
だが、「能力」は調べただけでは習得できない。
この能力が、その人の市場価値を上げる。
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能力も分析すると、三つほどに分けられる。
一つ目が、コツを掴めば真似できる「テクニック的なスキル」
二つ目が、習得するのに時間はかかるが、専門家を真似し続ければ、いずれ習得できる「職人芸的なスキル」
三つ目が、真似できない「気質的なスキル」だ。
テクニック的なスキル
テクニック的なスキルには、例えば
・営業テクニック
・良株の見分け方
・可愛くみせる自撮りの仕方
・女の落とし方
などがある。
これらは、物事への注意の仕方を変えるだけで、ある程度効果が期待できるものだ。
営業テクニックには、「フット・イン・ザ・ドア」など、心理学に基づくテクニックがある。
良株の見分け方の一つは、PBRとPERが低く、ROEが高く、かつチャートが上昇トレンドであるものである。
こうしたテクニックは、ネットで調べれば簡単に調べられるもので、知識に似ている。
しかも真似するのも簡単なので、あまり市場価値を高められるものではない。
土俵に登るための最低限のスキル、といったところだ。
気質的なスキル
先に気質的なスキルの話をすると、以下のようなものがそうである。
・本を読み続ける力
・ある趣味に没頭する才能
・新しい物好き
要するに、「好み」や「熱意」などの感情的なもので、その人の個性を作っているスキルだ。
これは生まれながらに持っていたり、そもそも真似しようにも真似する方法が分からなかったりするので、学べない。
だから人から学ぶ際には、無視していい。
あえて学ぶことがあるとすれば、「学びようがない」ということだろう。
職人芸的スキル
スキルのうち最も重要なのが、この職人芸的スキルである。
これを持っている人が、世の中で市場価値の高い人材ということになる。
これは例えば、
・演奏技術
・スポーツのスキル
・論理的思考力
・数学
・英語力
・コミュニケーション力
・マネジメント及びリーダーシップ
・アイデアの出し方
・職業の専門スキル
などが該当する。
職人芸的なスキルは、習得に時間がかかり、その習得難易度が高いものも多い。
加えてこれは、人に継承することができる。
だから、これを持つ人は、替えの利かない人材になれる。
洗練するのに時間がかかり、かつ人に教えられるから、前線でも育成でも希少価値が高いわけだ。
職人芸は、そのスキルを持っている人を継続的に観察し、模倣し続けることでしか習得できない。
そのため、雇用者は労働者に長期勤続を求める。
(ただ、長期勤続はどの職場でも推奨されるので、職人芸が習得できない職場でも長期勤続は要求される。)
また、たとえ職人芸を習得したところで、市場の需要が下がるスキルもある。
(自動生産によって、物作りの職人芸は価値が下がる。)
これからトレーニングするなら、「汎用性があるスキル」か、「長期的に高需要が予想されるスキル」を学ぶ方がいい。
「汎用性があるスキル」は、リーダーシップなど、どこへ行っても必要となるスキル。
「長期的に高需要が予想されるスキル」は、エネルギー事業への専門性など、社会的需要が大きいスキルである。
市場価値を量る上で分かりやすいのは、年収の高さだ。
社会にとって必要だけど、持っている人が少ない希少スキルであるほど、年収が高くなりやすい。
(例えば医者とか弁護士とか。)
だから、年収から逆算して仕事を選ぶのが、最も分かりやすい仕事の選び方だと思う。
(ただし、「見込み残業代」で年収を水増ししていることも多いので注意が必要。
「1人あたり経常利益or営業利益」が市場価値を量るのにより適しているが、社員の非正規雇用でその数値を高めることもできるため、これにも注意。)
市場分析に自信があるなら、「これから伸びるであろう業界や職種」を予測して、競争相手が少ないうちにスキルを身につけるのも良いだろう。
個人的に、安定した生活を維持するには、安定した企業に勤めるのではなく、どこに行っても仕事ができる人間になることが良いと感じている。
真の安定とは、他者に身を任せず、己の足で立つことだろう。
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