海外用 VI マニュアル (Global VI Manual)の基本作成プロセス
初めまして!
株式会社あしたのチームのデザイナーのチェルシーです!会社の国内と海外の VI マニュアルの制作プロジェクトの話をする前にちょっと自己紹介します。
オランダ出身のプロダクトデザイナーでメインは UI と UX デザインです。日本で2014年からデザイナーの仕事をしていて、2018年の4月に
株式会社あしたのチームに入社しました。現在、人事評価クラウドサービス「コンピテンシークラウド®」の UI と UX デザインや海外の LP デザインを行なっています。
———————————————————————————————————鈴木さんと一緒に入社した時に、最初の大きいプロジェクトは会社のリブランディングでした。2018年は「あしたのチーム」の10周年だったので Corporate Branding (コーポレートブランディング) をリニューアルする良いタイミングでした。たくさんデザインを作って、社長、会長、CTO と緊密に作業することになりました。最後に皆でロゴのデザインを決めて、会社とデザイン事業部の成長に合わせて、デザイン要素を追加していくことのできる Visual Identity Manual (VI マニュアル) を作り始めました。
あしたのチームの海外法人はシンガポール、台湾、香港、上海があり、ロゴは英語と中国語(繁体字・簡体字)を用いた旧ロゴを使用していました。全社ブランディングを統一するプロジェクトでしたので海外法人の新ロゴの作成も必要でした。私はその海外法人の英語と中国語ロゴを作りました。そのロゴデザインの上に海外用の VI マニュアルを作れることになりました。
なお、海外用の VI マニュアルを考えると何が必要でしょうか?
あしたのチームの基本 VI マニュアルだとこれらが入っています:
1. 会社の背景
2. ロゴのコンセプト説明
3. 海外用ロゴ + ガイドライン
4. 海外の名刺+ガイドライン
5. その他印刷物のデザインやガイドライン
6. その他デザイン要素やガイドライン
封筒のような印刷物は海外のためにはまだ用意していませんので取り敢えず1点から4点まで、そして6点の一部が必要でした。
海外ロゴの分が終わってから名刺のプロセスに入って、海外法人がそれぞれ名刺が違うと知るようになりました。
香港の皆さんがクライアントとのコミュニケーションを取るために WhatsApp を利用していますが、上海の皆さんは WeChat を利用しているようでした。そして、上海では名刺の日本語版も使っていました。これを聞いて名刺の要件を海外法人の営業部の要望の上に決めるべきだと考えました。売り上げのために営業部のクライアントとのやりとりが大事なのでできるだけ営業部の要望を尊重するのが良いと考えました。要望を集めるために Excel シートを用意して名刺の基本情報の上に海外法人の皆さんが自分の要望を入力できるようにしました。集めた情報を見るとやはり法人それぞれの名刺をデザインするのが良いと考えました。 レイアウト・トーン&マナーを守るために日本語名刺のガイドラインを使って、マージン・フォントサイズを統一しながら海外の名刺のデザインを行いました。
言語ごとに異なるロゴがあり、要件ごとに異なる名刺デザインがあります。どうやってこれを海外用の VI マニュアルにまとめればいいでしょうか?幾つかの案を検討しました:1. 海外法人ごとにVI マニュアルを作成する (手間がかかる)。2. 言語ごとにVI マニュアルを作成する。3. 全部一つの VI マニュアルにまとめて中国版と英語版を作成する。 4. 全部一つの VI マニュアルにまとめて英語で作成する。
結局4番に決めました。全部のアセットやガイドラインを一つの VI マニュアルにまとめて、言語は英語にすること。海外法人の皆さんは英語を話せて分かりますので英語のみで作ることにしました。
すでに日本語でのVIマニュアルは制作してあったので、このガイドラインやレイアウト、マージンなどを守りながら海外版を作り始めました。英語版以外に繁体字・簡体字版のロゴもあったので言語ごとに分けてガイドラインを作成しました。それぞれの海外法人ごとに名刺のデザインガイドラインを説明し、ルールなどをわかりやすく書きました。
これで基本的な海外 VI マニュアルができました。ファイルを共有するために BOX を利用していますので VI マニュアル専用フォルダへ素材 (AI/JPG/PNG データ)や VI マニュアルデータ (PDF/AI)をアップして社員の皆さんと共有しました。
海外用の VI マニュアルを作成する時に、一番大事なのは読みやすさとまとめ方だと感じました。ロゴを使う時、何を使うべきか、どうやって使うべきかというルールはブランディングの統一感を守るためにちゃんと社員の皆さんに伝えるべきだと思いました。
会社とデザイン事業部が成長すればきっと VI マニュアルをより良くするために修正が起こりますが良いベースを作れるなら将来の作業も楽になりますね!