株価暴落でも私が新NISAを続ける理由
7月に日経平均株価が史上初めて40,000円を突破し、絶好調の株式市場でしたが、8月5日には日本銀行の利上げ正式決定を受け、過去最大の下落幅を記録しました。
そして、ネット上では芸能人の発言を持ち出して「政府が推しているNISAに騙された」などの言説を見かけます。しかし、私自身もそうですが、投資のプロではない一般人はNISAを続けるべきだと思います。
そこで今回はネット上に溢れる「だからNISAはやめとけと言ったんだ論」に惑わされず、私自身がNISAを利用し、老後の資産作りを続ける理由を解説していきます。
新NISAとは
まずは前提となる新NISAについて解説しておきます。
ざっくりですが、通常は1,000円で買った株が、2,000円で売れた場合、儲かった1,000円に20%の税金がかかります。
つまり、200円は税金として納めるので、自分の儲けは800円になるということですね。(※実際には復興税が上乗せされたり、配当金にも税金がかかります)
簡単に言うとNISAは、一定の金額内であれば、こうした株に課税される税金を免除する制度です。
一定の金額とは、年間最大360万円、一生で1,800万円となっています。
ちなみに、NISAはつみたて投資枠と成長投資枠の2枠あり、つみたては年間120万円、成長投資枠は240万円投資が可能です。
つみたて投資枠は金融庁の基準を満たした投資信託に限定され、その名の通りコツコツ積み立て運用向きで、成長投資枠はその都度投資できる枠と覚えておけばいいでしょう。
一生で1,800万円の枠がいっぱいになってしまっても、売った分の枠はまた復活します。
つまり、NISAは、決められた金額をオーバーしなければ株や投資信託から得られる利益を税金で減らされない制度ということになります。
あくまで税金で取られない、というだけなので必ず儲かるという話ではありません。
投資のプロじゃないならドルコスト平均法で積み立てる
私自身は老後や何かあった時のために資金を貯めておきたい、という目的があってNISAを使っています。
NISAは投資なので、増えるどころか減るリスクも当然あります。
しかし、金額を決めて長期的に運用することでリスクを最小に抑えることができるのです。
「ドルコスト平均法」と呼ばれる投資方法になるのですが、下の図のように毎月投資する金額を決めておいて、株が下がっているときは多めに購入し、上がっているときは少なく購入します。
この図では毎月30,000円と決めて購入していますね。
ドルコスト平均法では120,000円で140,506口購入できているのに対して、毎月30,000口買うと決めていたほうは同じ金額かかっているのに購入できた口数は少なくなっています。
金額を固定することで、コストを平準化させ、株価が下がった時にたくさん投資できるので、株価が上昇したときのリターンを大きくできるのです。
しかし、そもそも株価が上がらず、下がる一方なら損するだけです。そこで合わせて見ていただきたいのが次の図です。
Google検索の機能で表示させた日経平均株価の推移です。
上の6ヶ月間の推移だと分かりにくいですが、下1984年からの推移を見ると、高度経済成長で伸びた株価が、バブル崩壊後やリーマンショックの時期に下落していますが、2012年頃からまた上昇に転じています。
30年以上のデフレという世界の常識ではあり得ない経済状況の日本ですら上昇と下降を繰り返しています。
株価が下がったとしても、更に低かったときに購入した分を売却すれば得ですし、上がった時に売却できなくても、ドルコスト平均法によりコストが平準化されています。
NISAでは米国株や米国株に連動する投資信託も購入できるので、アメリカの代表的な株価指数であるダウ平均も見てみましょう。
期間によっては、下がる時期もたしかにあるのですが、通してみれば上昇していることは間違いありません。
つまり、ドルコスト平均法で購入していれば、リスクが大きくなることを避けれますし、長く積み立てるほど、プラスになる可能性が高いのです。
もちろん、先のことは誰にも分りませんから、それでも損する可能性は0にはなりません。
むしろ株価は下がってくれていたほうが助かる
ドルコスト平均法と長期投資でリスクを下げるとはいえ、買った時の値段よりも売るときの値段が上がってくれていることに越したことはありませんから、現役世代のように今積み立てている最中の一般人からすれば、株価は安く購入できるように暴落してくれていたほうが良いのです。
今株が下がったことで批判している人はもう既に積み立てが終わった老後の方なのでしょうか。
積み立て中の現役世代の皆さんは、今の株価の変動に焦らず、コツコツと毎月決まった金額を積み立てていくことをおすすめします。
逆に、短期間で一攫千金を夢見てNISAをはじめた方は、そんなに甘い話はありませんので、気を付けたほうがいいと思います。
1日中株価の動きを見ていられるプロの株式トレーダーでもない限り、長期的な視線でコツコツ積み立てましょう。