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【ネタバレ注意】大人が観て心を揺さぶられる平成の傑作アニメ2選(その1)

こんばんは。あしゅらです。

突然だが、私は超がつくアニメ好きだ。
もともと子供のころからアニメはよく観ていたが、この歳になって再燃したきっかけはコロナ禍であった。
初回の緊急事態宣言で出社禁止となり、約2か月家からほぼ出ない日々を送っていたころ、つい時間を持て余してAmazon Primeの特典であるPrime Videoに手を出してしまったのである。

家にテレビすら置かない自分にとっては久しぶりの映像コンテンツとの出会いの中で、10代~20代で観ていた懐かしのアニメが続々見つかるので沼のように観ることにハマってしまった。

興味深いのが、30歳を過ぎてから観るアニメは、若いころに観るそれと大きく「受け取り方」が異なることだ。
親元を離れ、守られているゾーンから社会へ飛び出し、それなりに人生経験を踏んできた年代だからこそキャッチできる部分があるということが体感できる。(高校時代に失恋ソングを聞いて「深い~」と浸っていた自分は青二才だった)

そこで、大人になって観直して「これぞ平成時代を代表する!」と思わされたアニメを2作、厳選して紹介したい。
補足すると、平成からスタートしたアニメなど無数にあるわけで本来なら選べなくて白目をむくところだが、今回は平成のうちに放送が終了しているアニメからピックアップすることにした。
ついては、あしゅら的オールタイムNo.1アニメの「名探偵コナン」や「ワンピース」、続編が期待される「ジョジョの奇妙な冒険」などは今回は対象外だ。

1. 鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST(2009-2010)

引用:鋼の錬金術師FA(Twitter)

亡き母親を生き返らそうと禁忌である人体錬成を行ったために、右腕と左脚を失った兄エドワードと、身体を失った弟アルフォンス。
失ったものを取り戻すために「賢者の石」を探す旅に出る兄弟の物語である。

実は学生時代に留学して仲良くなった日本のアニメ好きな友人に教えてもらったのだ。(逆輸入笑)
2003年に放送されたアニメ「鋼の錬金術師」は当時まだ原作が完結しておらず、ほぼアニメオリジナルのストーリーや設定であった。(スロウスが「めんどくせぇ」言うでっかいオッサンじゃなくて美人秘書)
2003年版のアニメを初めて観たときは、ヒーローが悪を退治して「めでたしめでたし」の1話完結するストーリーと真逆にある展開に面食らったし、見終わった後気持ちがズーンとなるような回もあった。
それでいて結末が未定というものだからモヤモヤしかない。Prime Videoで原作に即した設定の2009年版アニメを見つけたときは一目散にウォッチリストに追加した。(現在はPrime対象外となっている。Netflixでは観られるよ)

壮絶すぎる出来事の連続

このエルリック兄弟、年端もいかないうちに重すぎるイベントフルスロットル状態でこちらまで心が痛くなるし、感情移入して「もうかんにんしたってぇぇ」と叫びたくなる。

「病死した母を生き返らせたい」という純粋な気持ちからの行動の結果がアルの身体やエドの手足を持っていかれるだけでなく、錬成した母親のグロテスクな姿を目の当たりにしたときの絶望・恐怖・落胆といったら想像を絶する。(後々あれは母親ではなかったことを、エド自身が墓を掘り返すことで確かめることになる)

また、エルリック兄弟だけでなく彼らの周りにいるキャラクター達にもなかなかヘビーな出来事が起こっている。

ニーナ、愛犬のアレキサンダーが実の父親であるショウ・タッカーにより合成獣(キメラ)に錬成されてしまった回はトラウマ of the Yearだったし、賢者の石について深く知ってしまったために敵に口封じされてしまったヒューズ中佐(殉職により2階級アップし准将)の葬式で泣き叫ぶ娘エリシアから「愛する人と二度と会えない悲しみ」がバシバシ伝わってもらい泣きしてしまった。(マスタング大差が涙を見せるのは唯一このシーンだけ)

引用:鋼の錬金術師FA(Twitter)
引用:鋼の錬金術師FA(Twitter)


10代のうちにこれだけ自分自身または周りの人がハードな経験をした人がこの世にどれだけ実在するだろうか。
少なくとも、私自身は特段苦労も不自由もなく育ってきた身。五体不満足、恵まれた人生を歩んできた。
幸せボケしている自分を戒めるような、これから続き人生の中で色々なことがあるだろうけど「エルリック兄弟よりマシ」であることを胸に日々を過ごせるのではないか。

見守りたくなる親子関係

フラスコの中の小人(ホムンクルス)にそそのかされクセルクセスを消滅させてしまい、挙句の果てに自身が賢者の石と化してしまったヴァン・ホーエンハイムは、エド・アルの父親である。
特にエドはずっと、家族を置いて出て行き、母が死んだときでさえ戻ってこなかった父を憎んでいた。
しかし、少しずつ、不器用ながら、着実に取り戻していく家族の絆にうるうる。

頭に「クソ」がつくけど「親父」とエドに呼ばれたことが嬉しかった、ようやく死ねると言いつつ息子たちとの関わりで「やっぱり生きたい」と思ってしまう―妻トリシャの墓前で語るホーエンハイムの最期に涙腺崩壊した人も多いのではないだろうか。

10人いれば10通りの家族関係。それがたとえどんな形だろうとしても自身の人生に大きな影響を与えるであろうことは間違いない。
人は必ず死ぬ。そうであれば後悔のないよう大切な人には「大切だ」と伝えることを忘れずにいたい。

引用:鋼の錬金術師FA(Twitter)
引用:鋼の錬金術師FA(Twitter)

「うらやましい」兄弟愛

エド・アルの身体を元に戻す旅の中、かれこれ探し求めていた賢者の石が「生きた人間が材料」と知った時のショックは計り知れなかったであろう。
それでも、「他の方法を探そう」と切り替える前向きさは大人から見ても感心するポイントである。(自分だったら諦めるかも)

引用:鋼の錬金術師FA(Twitter)

また、アルが「自分の魂は兄さんが作り上げたもの(偽物)なのではないか」と疑念を抱く一方、逆にエドが「アルが俺を憎んでいるんじゃないか(身体を奪われてしまい、鎧なんかに魂を定着させてしまって)」と不安になりすれ違う場面もあったけど、周りの人の協力もあり最後には本来の目的に立ち返る。

なんだかんだいつもお互いのことを想い合い、時には本音でぶつかりながら、常に全力に一緒に未来を切り開いていくふたりが少しうらやましいと思う。
私には妹がいるが、彼らほどにまで腹を割って語ることもなければ、共通の目的を持って共に努力する経験をしたことがない。
殊に実家を出てしまってからは、物理的距離とともに心の距離が彼女との間に広がっていく体感があった。
現在は時間的な制約もありなかなか姉妹での時間(親との時間もだが)が取れない状況であるが、近い将来自分から歩み寄り、おいしいお酒を飲みながらこれまでの人生、これからの人生について語らう時間を設けたい。

引用:鋼の錬金術師FA(Twitter)

まとめ

アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」は、子供だけでなく、ある程度人生経験を積んだ大人だからこそ心に刺さる要素満載の作品である。
これまでの自分の経験や人間関係から感じ取れるものがあるのではないか。

今回は、予想以上にハガレンへの愛が深まってちょっと語りすぎた笑
もう1作の紹介まで行きつかなかったので笑、次の記事に続くことにする。
次回もまたいっぱい語ってしまいそうな、誰もが知っている超絶人気を博したあの作品を取り上げますので、また読みに来てくれると嬉しいな!

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