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「御影石」に思いを馳せる午後

皆さんは、石って好きですか?

……多分大体の人は、そもそも石を好き嫌いの感情で見たことがないですよね。

でもちょっとだけ、私の趣味に付き合ってください。
石って面白いんですよ。



御影石と花崗岩

前回の自己紹介でもちらっと触れましたが、私は鉱物や石が好きで、何かといえば気にしてしまう性分です。

建築に関わっているとちょこちょこ石には触れるもので、その中でもよく聞くのが「御影石」という石。
白と黒のコントラストが素敵で、鉱物が寄り集まったような、少しキラキラした質感が魅力的ですよね。
磨いてあるものだったりそのまま凹凸を残したものだったり、様々種類はありますが建材としても人気です。
お墓の石としても良く使われるので、見たことがある人も多いのではないでしょうか。

花崗岩(御影石)の岩肌
「花崗岩‐Wikipedia」より 

この「御影石」、実は通称名であり、石の名前としては「花崗岩」ともいいます。中学校の授業でも絶対に出てくる石の名前です。
(御影石と呼びながら花崗岩でないパターンもありますが今回は割愛)

建材では高級なイメージもあるこの花崗岩、なんと河原に行くとゴロゴロ落ちています。
建材に使うような立派な大きさの石は落ちていませんし、なんなら落ちていたら怖いですが、見分けられればたくさん見つかると思います。

お客様の中でも「御影石は高いからウチに使うのは難しいかな?」なんておっしゃる方もいて、川に行けばタダで落ちているのに、建材として使うものとなるとこんなに高くなってしまうんだなぁと歯がゆい思いをすることもあるくらいです。

大きくて綺麗なものだけ選んでいたり、切って磨いて加工する手間があったり、運送費その他+αのぶんでいいお値段になってしまうんですね、たぶん。
それだけ手間がかかっているというわけで職人さんには頭が下がる思いですが、河原の石もきれいな踏み石もお墓の石も、同じ種類の石だと思ったら面白くないですか?


長野県にある花崗岩の聖地

そんな花崗岩がとってもきれいに見える場所が、なんと長野県内にあります。
長野県木曽郡上松町にある「寝覚の床」です。

寝覚の床の景色
「寝覚の床‐Wikipedia」より

寝覚の床(ねざめのとこ)は、長野県木曽郡上松町にある景勝地。
日本五大名峡の一つ[1]に数えられ、国の名勝にも指定されている。
木曽川の水流によって花崗岩侵食されてできた自然地形である。
大正12年(1923年)3月7日に国の名勝に指定された。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

見えている白い石は基本的に花崗岩であり、風化によって四角くバキバキと割れているような岩肌(方状節理)がとってもきれいな観光地です。

私も行ったことがありますが、エメラルドグリーンの水と真っ白な岩たちの調和がとても綺麗で、自然の美しさに思わず言葉を失うほどでした。
見渡す限りの立派な岩石には圧倒されるものがあります。

これを削り出したらどれほどの建材になるのか……なんて無粋なことを考えるのはやめておきましょう。
日本の名勝としても知られる「寝覚の床」、ぜひ行ってみてはいかがでしょうか。ドライブ先にもおすすめです。


身近な石たち

私たちが普段何の気なしに踏んでいる階段、庭石、踏み石。
もしかしたら壁材や机なんかも、注意してみると建物内にもいろんな石が溢れています。
それぞれに特徴があって、いろんな顔つきをしているんです。

河原に落ちている石も、お墓の石も、あんな壮大な景色を作り出している石も、みんな花崗岩だなんて面白いでしょう?

ただ通り過ぎるにはもったいないです。
ちょっと気にして歩いてみたら、家も建物も街も、違った風に見えると思います。
もし気になった人がいたら、一日だけでも石に注目して歩いてみてほしい。

そんな、石好きの建築屋からのおねがいでした。



つぶやいたひと:建設営業部 みーさん

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