身を引く?
正直言って、総裁候補者にろくな面子がいない。
支持者のかたには申し訳ないけれど、これでは、日常的に投票に行かない人たちが「誰がやっても同じ」と言い訳するのも仕方がないと思わせてしまう。
次は誰がやるのかにばかり注目が集まって、なぜ退任せざるを得なかったかの議論がおざなりになれば、それこそやっぱり誰がやっても同じだ。
老害的な人物は避けてほしいが、かといってただ若ければいいというものでもない。
国民の人気と、国民のためになる政治ができるかもまた別の話。
一昨日まで、メディアのオリンピック報道にごまかされて、広島からも長崎からも目を逸らされてきた気がしている。
私の年齢からしたら、御巣鷹山の日航機事故の日は、何年経っても褪せないインパクトがあるのだが、慰霊登山の映像くらいしか流れなかった。
この真相については、亡くなった中曽根さんが「墓場まで持っていく」と語っていて、本当に墓場まで持って行ってしまった。
日本という国は、臭いものに蓋をするのが得意で、世論もまたそれをやむなしとしていく傾向にある。
数々の不正やその疑惑が、「喉元過ぎれば」という感じでスルーされていく。
だから、いくら総裁を変えたところで、何も変わるような気がしない。
2021年開催の東京五輪の最終赤字額は2兆3713億円だそうだ。
コロナ禍という不運もあったし、どんどん膨らんでいく建設費の問題もあったけれど、一部の政治家や企業による不正な談合や中抜きなどの多くが、まだ闇の中にあると思う。
万博にも似たような気配を感じるが、地元のかたがたは楽しみに待っているのだろうか。
何を楽しみにするのか、私にはさっぱりわからない。
強い台風が関東に近づいている。
2019年の台風15号のときは、リビングと寝室のサッシに段ボールを貼った。よく引き合いに出されているこの台風では、ゴルフ場のフェンスが倒れた映像がたびたび流れている。
当地では、朝になったら、敷地内にあるゴミ集積場の鉄板の屋根がひん曲がって飛んで駐車場に落ちていた。
たまたま、そこは空いていたのだが、もし車があればぐしゃぐしゃになっていただろうし、万一人がいたら命に係わる事態になったと思われる。
停電しなかったのが本当に幸いだった。
今回も、停電だけはしないでほしい。
いま、エアコンがないと、室内は40℃になる。
生き残る自信がない。
5号で被害の大きかった東北地方への支援はどうなっているんだろうか。
能登の大地震から8か月以上も経つが、復旧・復興の進みはずいぶんと遅い気がする。
災害自体も恐ろしいが、そのあとの政府の対応の不十分さ、閣僚の鈍感さがなお恐ろしい。
岸田首相は、次の総裁選に出ないと言っただけで、まだ任期は続く。
退任日までやり残したことに全力を注ぐという気持ちもあるのだろうが、緊急事態条項の設定などではなく、命をつなぐことに困っている人の救済や支援であることを願う。
それから、会見での「身を引く」という言葉が、恩着せがましくて不快。
「自分に非はないのだけれど、みんなのために責任を一身に負う」感が忌々しい。
裏金の責任をというなら、次々と不正が明らかになっていたあの時期に、きちんと真相を解明して、離党などではなく議員自体の辞任を促し、自らも辞めるのが筋だったと思う。
うやむやにしたままで、いつまでたっても支持率が回復しないから、もう続けられないということでの総裁選不出馬に見える。
「身を引く」という言葉は潔くて、実態とは真逆。
辞めるにあたって、これまでの手柄をとうとうと述べるのも、聞いているほうが恥ずかしい。
というか、防衛費拡大は手柄じゃないから。
賃上げも、一部大企業に限定していることもふくめて、企業がやったことで、政府の手柄じゃないから。
明日は、通院日。
明後日は外出しない。
直撃なら、新幹線だけじゃなく首都圏の在来線も止まると思う。
「せっかく休みなんだから」「せっかく予約したんだから」という「せっかく」という意識は捨てたほうがいい。
せっかくここまでやったんだからといって強行した東京五輪、それから安倍さんの国葬。
それから万博。
人って、途中であきらめることが下手なのよな。
ここまでつぎ込んだんだから、絶対に取り返すという意識が、ギャンブル依存症につながるのだし。
今回もサッシに段ボールを貼ったほうがいいかしら?
読んでいただきありがとうございますm(__)m