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私の手首に触れないで

先週の金曜日までは、家の中では半袖のTシャツ姿だったが、土曜からは長袖のスウェットを着ている。
裏起毛ではなく、普通の綿。

もともと手首や足首がリブなどで締まっているのが苦手(だから腕時計は若いころからしない)なのだが、交通事故で手首を粉砕骨折して神経もズタズタになってからは、傷が治ったあとも、一部麻痺、一部過敏になっていて、以前よりずっと手首に触れるものが不快に感じてしまう。

なので、よほど寒くない限り、袖口をまくりあげて、手首を開放する。
だから袖口がすぐ伸びる。
ほかのところは傷んでいないのに、袖口だけがヨレヨレというのがたくさんある。
水仕事をするときは不便だが、それ以外は、締まっていないのでむしろ歓迎。
食洗機を買ってからは、洗い物の機会も減って言うことなしである。

金曜までのパジャマも、上はコットンの薄いフレンチスリーブだった。
寝ているときは、めくれあがってほとんどノースリーブになる。
肩まで丸出しのパジャマで、夏掛け1枚で寝ていたわけだ。
先月から、エアコンや扇風機をつけなくてよくなり、これで快適。

しかし、土曜からは寒くなるという予報にしたがって、2重ガーゼ素材の長袖パジャマに替えた。
もちろん、手首に袖口が触れるのが嫌だから、2回くらい折り返して裏地を出す。
このために、購入の際は「裏地」の色柄にこだわる。

家族がいたころは、家はくつろぐための家庭ではなく、家事や介護という仕事をする職場であったから、寝具やパジャマの色柄なんてどうでも良かった。
とにかく、無事に職務を終えて物理的に体を休められればそれでいい。

夫がいなくなってから、私はようやくリビングの布団ではなく、寝室のベッドで眠れるようになった。
そこから、寝室とリビングから夫の好みだった黒や焦げ茶色を駆逐して明るい色の部屋にすべく、週7日で働いて買い替えを進めた。

いまはアイボリーホワイトやミントグリーンに囲まれた優しい空間になり、家にいるときはルームウェアを着るようになった。
元夫は、家の中でもきちんとした格好をしていることを望んだので、ジャージやスウェットなどは許されていなかった。
いま、もう一回戻れと言われたら、絶対にできない。

金曜まで羽毛の夏掛け布団だけを掛けて寝ていたが、土曜からは上に毛布を掛けている。
真冬の分厚い羽毛布団にするまでは、これでちょうどいい。
私は布団カバーがまとわりつくのが苦手。

毛布も綿だが、ちょっとお高い発熱コットンなので、薄くて軽いが暖かい。
そして、シャーリング仕様になっているから、肌に直接触れてもまとわりつかない。
12月にコタツを準備するまでは、昼間、ひざ掛けとしても使っている。

外出着と部屋着とパジャマと寝具を交換して、ようやくいまが私にとって快適な季節。
春秋用の薄いコートも、骨折痕のほうは袖口をめくる。
もっと寒くなればダウンコートを着るが、こちらは袖口の中に手先部分もすっぽり入れる。

刑事ドラマで、容疑者が逮捕される場面を見るたび、もしあれが自分なら手錠が手首の骨折痕部分に触れただけで不快すぎて気を失うだろう。
そのために、犯罪は犯すまいと思っている。(←そのためかい!)

※南西向きのリビングは日差しが入るので、午後2時になったいまは、室温22℃。
暑いので、また半袖Tシャツ1枚になった。
まくり上げた袖が落ちてこないので、ストレスがまた減って快適。

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風待ち
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