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詩『地獄を愛せ』

言わなくても察して
伝えられなくても
私が眉毛を上げる前に

生きてなくても愛して
屍を蹴っても
私の黒目が黒いうちに

流れ流されたのなら
三途ゆきだわ 女は
愛する男も みな三途へ

愛の 愛の仏さま
誰も誰を ただ愛せない

つじつまなら 後で合わせるわ
時計の針を 少し戻して
燃えてるなら 水を汲みますわ
空っぽの砂漠に 雨を降らせて


愛せなくても夢みて
たとえ虚しくても
私が涙をこぼす前に

分からなくても愛して
約束やぶっても
私の心が脆いうちに

飛んで飛ばされたのなら
地獄ゆきだわ 女は
愛する男も みな地獄へ

愛の 愛の閻魔さま
誰も誰を ただ愛せない

言い訳なら 後で並べるわ
言葉の端を しかと揃えて
癒えてるなら 傷をつけますわ
ゆきずりのガラスに ヒビを描(えが)いて


つじつまなら 後で合わせるわ
時計の針を 少し戻して
燃えてるなら 水を汲みますわ
空っぽの砂漠に 雨を降らせて

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