【連載】難病SLE患者が大腸憩室炎をこじらせた闘病記(2)内科の限界、踏み切れない外科手術・縫合不全への懸念、そして・・・
退院後、なかなか体調が落ち着かず、良い日が続いたと思ったら、突然やってくる謎の激痛にうなされています。しかし、ここ数日、やっと体調復活傾向です!
今日で退院後1ヶ月!やったー
今回の大腸憩室炎のお話、記録しておきたい気持ち、そして私の闘病経験が誰かのお役に立てることがあるのではと思い、【連載】として投稿します。
今日は、前回の続き(2)です。
大腸憩室炎という、珍しくない病気なのに、どんどん悪化してしまい内科的治療ではどうにもならなくなってしまったところからです。
前回のはこちら
・内科的治療の限界
レボフロキサシンという抗生物質を延々と点滴で落とし、そのうち経口に変わり、とただただ、抗生物質と柔らかい食事で寝ているだけの治療が1ヶ月続きました。
高熱。腹痛あり。激痩せ。入院していても手の施しようがありませんでした。
CTによると大きな膿の塊が出来ていて、高熱の原因だろうと。
しかし、膿ができた位置が悪くお腹の外から針を刺して膿を出すことも出来ない。では、腸の中から針を刺すか・・・となれば、そんな機材がこの病院にはない。私が遠くの病院へ転院できるような状態ではない。
八方塞がりでした。
そんな時、いつものように早い消灯時間を前に、テレビを見て過ごしていたら
突然に、恐ろしいほどの震え、寒気が襲ってきました。
尋常じゃない。ただごとじゃない寒気。
震えて震えて震えて、恐怖を覚えました。
30分ぐらいで震えはおさまり、結局、40度超える熱が出ました。熱にうなされ、朝はヘロヘロになっていました。
そして、
CTの結果・・・
腸の横にできていた膿が破裂。その結果の高熱だとわかりました。
もしも、
破裂した時に、血管に菌が混ざってしまうと「きんけつしょう」になる。と説明を受けました。
私> 「 きん けつ しょう 」「金欠症???」
「確かに、私は金欠だが・・・、なんのこっちゃ!」
と思っていたら
「菌血症」らしいです。
その後、
「敗血症」になると命に関わると。
「そんなことになると一刻を争うから
無菌であるはずの血管内の血液に、バイ菌が入っていないか検査します。」と言われ、血液培養検査を受けました。片腕から20ccの採血を両腕から。全部で40ccの血液を摂られ・・・。食事もろくにできてない体からそんなに血液を摂っていくなんて・・・(涙)
結果判明まで、5日間ほど待ち、結果、5日経っても、バイ菌は検出されませんでした。
菌血症にはなっておらず、助かりました。
ちょっと安堵。
とはいえ、治療方法がないことには変わりなく、
いつ何か起きるかわからない恐ろしさが続いています。
・医師がなかなか踏み切れない・・・外科手術、縫合不全の懸念
この頃から、内科担当医から手術の話が出るようになっていました。外科にも相談していると。
本当は、9月16日に大腸カメラをした後にすぐ「これはひどい。手術になるわ。明日にでも外科に来てもらって話を聞くようにしよう」と、言われていたのに、翌日には、コロっと話が変わり、内科チームでのカンファレンスの後で、内科で治療する方針となったようで、怒涛の抗生物質攻めの1ヶ月になったのでした。
そりゃ、私だって
内科治療で治るものなら、治してもらいたい。
メスを入れたくない気持ちは大きかったです。
しかし、1ヶ月経っても改善されず、膿が破れて大変な高熱は出るわ。
もう、手術も仕方ない、早く助けてくれ!このままじゃ命が危険だ、と思いました。
手術で悪い腸を切っちゃえば治るじゃん!
って、
そう単純でないのが、
私の持病SLEとその薬ステロイドを飲んでいるところ。
さらに、私は薬アレルギーが多く、その時点で使えることがわかっている抗生物質が「1種類」しかなかった。
というのが、大きな問題で
医師たちも頭を悩ませ、治療に積極的になれないところでした。
長年ステロイドを飲んでいると傷が塞がりにくい体質になっているのです。
確かに、手とかにできた小さな傷も治りにくいし、傷跡が残ります。
手術となると、メスで大きく切るので、縫ってもキズがひっつかなくなる縫合不全(ほうごうふぜん)が大変懸念されていました。
大腸を切って、縫合不全を起こすと便が腸から漏れる危険がある。すると体内で大変な感染症が起き、それこそあっという間に命の危機です。
さらに、私は抗生物質が使えない。
メスで切るだけでも感染症の危険が大きいのに、細菌を殺してくれる抗生物質が使えないとなると、手の出しようがない。
・ステロイドユーザーであるがゆえの人工肛門
だから、手術するとなると
縫合不全を回避するために、「人工肛門」をつけねばならないという説明でした。
悪い大腸を取る手術をして、腸をつなげ、傷をふさぐ。
私のようなステロイドユーザーは、大腸の傷が塞がるまで時間がかかるから傷がある腸を休め、ひっつきやすいように、小腸で腸を切り出してお腹から出す人工肛門をつけるということです。
小腸に人工肛門があれば食べたものは、大腸を通ることがなく、大腸の傷口から便が漏れる危険はありません。
大腸はゆっくり傷を癒して数ヶ月待てばしっかりくっついてくれる。
そんな作戦です。
内科担当医は「まだお若い女性だから、人工肛門はなるべく避けたい」と、言い、手術は勧めません。
私だって、人工肛門の説明を受けた時は、
調べてそんなことになることがあると知ってはいたけど
医師から面と向かって説明された時には、
ショックでした。
でも、そんな、
女性だからとか、まだ若いからとか
言ってられる状態ではなくなってきています。
命の問題です。
まだ死にたくありません。
というわけで治療の方向が少し見えてきましたね。
まだ手術に至る前に、乗り越えないといけない大問題があります。
そう、使える抗生物質が少ない・・・という手術には大きな問題です。
長くなったので、
次に続きます。
・次回(3)は、S状結腸切除術および人工肛門増設術 外科手術のこと
・前回(1)はこちらから>
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奇跡的な闘病を書き残しておきたい、書き残さねば!と、熱がある日も、体調が悪い日も、少しずつ書いていた闘病記がもとになっています。
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山中まる著
『救命率2%未満ーまさか、私がこんなことになるなんてー』第1巻東山病院