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5/5 私の災害ボランティアとの関わり | 吉田 敦(福岡被災地前進支援 )

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最終回:災害ボランティア未経験者のハジメのイッポ

私は55歳で初めて災害ボランティア活動に参加し、仕事をしながら週末に被災地に赴いていましたが、57歳で仕事をリタイアした後は、ボランティア活動が生活の中心になりました(災害ボランティアの他に、複数の途上国支援団体などにも所属しています)。ありがたいことに、仕事をリタイアした後でも社会と関わる機会があり、仕事から社会活動にうまく軟着陸できました。
 最初に書いたように、私がボランティアを始めた動機は後ろめたさでした。そして、活動を始めるきっかけがなかなか見つからず、震災の発生から活動を開始するまで8ヶ月かかりました。
 被災地・被災者の役に立ちたいからとボランティアを始めるなら、それは立派な動機ですが、ボランティアを始めるのに必ずしも立派な動機は無くても構いません。役に立ちたいから頑張って活動するなら、それも立派なことですが、決して無理する必要はありません。無理して1回限りで終わるより、無理のない範囲で長く続ける方が喜ばれます。ボランティア活動は学業や仕事の合間の月に1回とかかも知れませんが、被災者の方々が元の生活を取り戻すまでには数ヶ月から、災害の規模によっては数年かかることもあります。被災者の方からよく聞くのは、「自分たちの存在を忘れないで欲しい」と言う声です。
 発災直後には被災地の様子が様々なメディアで取り上げられ、たくさんのボランティアが泥出しや家具の片付けなどの活動に携わっているところもよく目にします。しかし、被災地・被災者の復旧・復興には長い時間がかかり、時間の経過とともに必要な支援の種類も変わっていきます。

発災からの時間の経過と、その時々で必要とされる支援の種類

まずはぜひ、災害ボランティアのハジメのイッポを踏み出していただき、可能であれば息長く災害ボランティアに関心を持ち続けていただきたいと思います。
 さて、ではどうやってハジメのイッポを踏み出しましょうか?その手段の一つは県や市町村などが催行する災害ボランティアバスです。例えば、昨年(2023年)久留米市などを襲った豪雨災害に対して、福岡県が3回、福岡市・福岡市社会福祉協議会が2回の災害ボランティアバスを久留米市の災害ボランティアセンターに派遣しました。これは、朝7時過ぎに博多駅や福岡市役所などの集合場所に集まると、バスに乗って災害ボランティアセンターまで連れて行ってくれて、同じバスに乗り込んだ人たちと一緒に活動し、夕方には元の集合場所まで連れ帰ってくれるもので、私たちも添乗スタッフとして乗り込み、活動のお手伝いをします。参加費は無料です。災害が発生すると福岡県や福岡市のホームページなどで募集の告知が出ますので、チェックしてみてください。なお、催行されるのは原則的に平日です。

これは2023年7月に福岡市の災害ボランティアで久留米に行った人たちが活動しているところです。

もう一つの方法は、私たち福岡被災地前進支援にお問い合わせいただくことです。希望者が集まれば、私達のメンバーが週末を中心に被災地に出かけて活動する時に、災害ボランティア未経験者・初心者の方をお連れして一緒に活動することがあります。こちらは、ご希望に応じた不定期の開催になりますので、まずはお問い合わせください。https://www.facebook.com/zenshinshien Email:info@zenshinshien.jp

 今の時代はいつどこで大きな災害が発生するか分かりません。被災地に行ってみると、被災者の方々が口々に「こんな災害は生まれて初めてで、自分が被災者になるとは思わなかった」と言われます。自分の経験のために災害ボランティアに行くとしたら被災者の方々には失礼かもしれませんが、出かけてみて被災地を自分の目で実際に見てみれば、きっと被災地・被災者のために役に立ちたいという気持ちが湧いてきますし、自身にとっては貴重な経験になります。ちょっと不純な動機でも構いません。ぜひ災害ボランティアのハジメのイッポを踏み出してみてください。

 さて、私は55歳でボランティアを始めて13年経ち、今は68歳と高齢者のカテゴリーに入り、身体はだいぶポンコツになってきましたので、被災地での泥出しなどのボランティア作業の比重は減らしていこうと思います。沢山の方々が後に続いて災害ボランティアに取り組んでくださることを期待しています。