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3/4 SDGsは終わってしまったのか?|澤 克彦(九州環境地域づくり)

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vol.3 普通の暮らしを大切に

【AI要約】
サステナビリティは特別ことではなく、日常の中で無意識に確保されることが理想だと思います。環境配慮型の消費行動「グリーンコンシューマー」は、単に賢い消費ではなく、より合理的でしたたかな私たちの戦略の1つです。
環境配慮商品やフェアトレード認証商品の選択肢は増え、地域のスーパーでも割引品やリサイクル品を活用することで、サステナビリティは身近なものとなります。大量消費型の店舗も、計画的な買い物と保存の工夫によって、グローバルな供給とローカルな消費をつなぐ戦略になり得ます。

【本文】
このコラムも、なんだか環境老害の説教臭いものになっていますが、サスティナビリティ自分史的なふりかえりとして自己満足の高いものになっています。
しかし、みなさんの生活も自己満足度・充足度が高い状態で、かつサスティナビリティが一定程度(無意識のうちに)確保されると、特別な行動をせずとも持続可能な社会の一員となれる。というのが、私なりの結論です。

環境の界隈では「グリーンコンシューマー」という考え方、消費行動がモデル的に紹介されます。余談ですが、欧米で言うところの「グリーン」が日本に輸入されると途端に「緑」「緑化」などと訳されがちです。あくまで「持続可能性に資する」「環境配慮した行動マインド」としての「グリーン」なのは言うまでもありませんが、ついつい特別で特殊なものにしがちな文脈からの脱却が大切です。

横道にそれましたが(このコラムは横道だらけですが)、グリーンコンシューマーを賢い消費者として表現することで、「クール」な行動マインドが生まれます。
※この「クール」も、カッコいいとかイケてるという意味なのですが、冷たい・ひんやりととらえる向きの方々は軌道修正ください。

さて、賢い消費者と言われると、それはそれでハードルが上がるかもしれません。当たり前のお買い物ができる暮らし、つまり普通の暮らしがいかに大切だと解釈できます。賢い消費者を、よりよいものをより安く最適・合理的に購買する、やや小賢しくなんだかケチケチした印象もありますが、したたかな消費者という理解でよいのです。

お金をかけて環境に配慮した商品を買い続けられる、持続可能な可処分所得・収入があれば問題ありませんが、実際には期限の近づいた割引商品を率先して買うことだったり、リサイクルショップで上手に買い替えサイクルを作るなど、安易に廃棄されない消費の本能的な追求が、より本質的だとも言えます。

その実、私が行きつけのスーパーでは生鮮品・パン類・食品類それぞれの見切り品コーナーがあり、真っ先に物色しています(割引シール品だけで買い物が終わったときの達成感もあります)。

一昔に比べれば、環境やサスティナビリティに配慮された商品は増えてきています。また、フェアトレード認証商品のコーナーも充実の一途と言えます。

グローバルで展開される会員制の大型倉庫店舗では、もちろん輸入食材が大量に陳列されていますが、同時にその地域(ある程度の広域です)で作られた野菜やローカルな食材、フェアトレード認証商品やオーガニック認証のアルコール類が思いの外、多種多様に売られています。

考えもせずに保存も消費もできない大量な品物を買い込むことは愚かな消費者として非難されても仕方ないところもありますが、生活スタイルにあわせた買い置きや加工、保存の知恵を駆使した賢いお客さんとして、生活戦略的な選択肢の一つとして大量消費型の店舗を活用することは、グローバル企業に対するローカル消費者戦略の1つと言えます。

簡単で単純なことを小難しく説明してしまうのも、私の悪いクセです。

(参考リンク)
フェアトレードジャパン https://www.fairtrade-jp.org/

【次回】vol4:YAYAYA! 半導体工場がやってくる