見出し画像

シンガオ_その1 Niente(ニエンテ)

このコーナーでは、あすみんに登録して1年未満のフレッシュな団体をご紹介します。記念すべき第一回は、引きこもり当事者への居場所づくりや伴走支援を行う「Niente」の山川豊揚(やまかわ とよあき)さんです。

Q1.団体名の由来を教えてください

A1.Nienteはイタリア語で「無」という意味です。

引きこもりの方達って結構、あれをしなさい、これをしなさいと言った感じで行動を強制されることが多いんです。それと、否定されたりですね。Nienteという名前には「否定されることが無い」「やらされることが無い」という意味が込められています。でも活動の中で一緒に料理を作ったり、皿洗いをしたりとやってもらうことは結構多いんですけどね。笑    

団体のロゴは、油山で「倒れた樹木から芽が出ている様子」をみて作られました。

Q2.活動して楽しかった時・嬉しかった時はどんな時ですか?

A2.「楽しい」や、「嬉しい」は意識しないようにしています。

団体の活動内容のほとんどが、僕がやりたいからやっているというものなので、あんまり誰かに喜ばれようと思っていないんです。活動を始めた当初、感情の起伏は活動をする上で妨げになると考えていましたから。
そうは言いつつも、活動していて楽しいことはあります。もともと引きこもりの当事者で市民活動も知らなかった僕に、県や市の方、大学の先生まで、活動の手助けをしてくれるなんて、本当にありがたくて感動しますね。働いていた時よりも豊かなステージになり正直困惑もしています。笑

Q3.今の活動のイチオシを教えて下さい

A3.「料理部」の活動です!

月に一回のペースで引きこもりの方を集めてみんなで料理を作って食べる「料理部」が今の活動のイチオシです!
料理部はもともと普通のお茶会で、常連の方もいて、なんの問題もなく運営していたんですが、このままやっていたら良くないのではないかという、漠然とですが嫌な予感がしていました。というのも、お茶会では、好きなことを話して否定されることもない場所で、とにかく頑張らなくていいんです。そうなると、「いつか常連の皆さんがこの差し障りのないお茶会に物足りなさを感じてくるんじゃないか」って考えるようになってました。引きこもりの人たちって結構元気な人達もいて、そういった人達にお茶会って物足りないような気がしていて。多分ノーストレスってあまりよくないんですよね。なので、もう少し、自分たちで動くような、負荷のかかる、頑張れる場所があった方がいいなと思って料理部を作りました。
料理部で作るのは、おにぎりや味噌汁といった誰でも作れるものではなく、「博多もつ鍋」や「ステーキ」とか気分が上がるちょっといい料理を作るようにしています。対象者も広く、引きこもりの人以外にも、今の仕事がきつくて、けどなんとか頑張っている人とかも来て欲しいですね。良くも悪くも頑張れる人っていると思うんです。でも耐えることはいい面ばかりではないので、そんな人たちが来て新しい生き方を見つけられたらいいですね。

料理部の活動の様子

Q4. 今後はどのような活動をしていきますか?

A4.今まで通り続けることが目標です!

今まで通りって結構大変で、クオリティを維持するために変わらないといけないこと、勉強しないといけないことがたくさんあるんです。活動の性質上、引きこもりの方達への居場所を毎月作ることは団体にとって第一重要項目です。
あとは料理部のバリエーションを増やしたいです。いろんな方が来てくれる場なんですが、若い子はすごく元気なので、何もしない時間がすごくもったいないと思うんです。例えば、学校に行ってない、フリースクールにも行ってない。体は元気なのに、引きこもってるから気力はどんどん落ちてしまう。それってもったいないですよね。

Q5. これから団体を立ち上げる方に一言お願いします。

A5.まずはやってみることが大事!

矛盾した気持ちがあって、活動を始める上で、あんまり考え過ぎずにやることが大事で、やりながら修正していくことがいいと考えています。とは言いつつもちゃんと考えて適当にやった方がいいとも思っています。うちの団体は、きっちりと計画を考えて緩くやっている面もありながら、とりあえず何も考えずに修正していくやり方の両面があって、そのどちらも大事なんです。
準備が万端に揃うことってない。なのでやりたいと思ったタイミングが大切で、楽しそうだから、やってみたいから、心が湧き上がりそうだからやる、やってから考えることがいいんじゃないかな。Nienteは、志は高く持ってますが、あまり意気込まず、気負わず活動をするようにしています。

団体のビジョンは、しっかりと計画を立てて作られています。
「計画通りに進まなくていい」と思いなが進行しているイベントもあります。