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真ク・リトル・リトル神話大系6-I
「真ク・リトル・リトル神話大系6-Ⅰ」を読んだ。
以前スティーブン・キングの短編作品を映像で見たのを記事にアップしたのだが↓
この中のひとつ「クラウチ・エンド」の、キングの原作がこの本の中にあったので借りた。
他にA・A・アタナジオ、ブライアン・ラムレイ、F・B・ロング、ベジル・コッパーなどの作家作品が載せられている。
晴れさんに聞いたら、呼び方こそ違えどこれはクトゥルフ神話を集めたものだとわかった。
それにしても、いかにも意味ありげなこの表紙。
ハードカバーで読むキングの作品は、書に溶け込んでより神話めいて重厚な雰囲気。
おどろおどろしさ、不気味さ倍増。
映像化されたものより内容は無論、深みがあって怖い。
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私だったらクラウチ・エンドになんか住めない。
いや、絶対住みたくない!
いつ何どきあちらの世界に迷い込むか、、
この界隈で外を歩くということは、そんな危険を多大に孕んでいるのだ!
それと。あちら側から呼ばれる者、というのは、ある特定の条件があるのだろうか。
明らかにあちら側の住人と思われる怪人たちは、引き摺り込まれそうな人間を一目でわかるらしい。
「しるしがついていた」とも言っていた。
書中に登場する夫婦2人は、初めからクラウチ・エンドを目指していたし(たとえ仕事のためとはいえ)、タクシーで町に乗り入れ、降りた時点から既に周りはおかしかった。
何の先入観も持たず、知らずに足を踏み入れてしまう人、疑惑を持ったゆえに?引き摺り込まれる人。
だが実際クラウチ・エンドに住んでいる人はいるわけだし、様々な怪事件や失踪を知りながら、最後まで難を逃がれる人もいる。
どちらも運と偶然が重なっている気がする。
で。
この本に収録された他の短編集も読んだが、面白かった!(*≧∀≦*)
太古の昔より出る暗黒の生物に徐々に肉体と精神を乗っ取られてゆく恐怖、古の神々を守る番人、いずれも気味が悪くぞわりとする話ばかり。
中でもキングの作品「クラウチ・エンド」とベジル・コッパーの「シャフト・ナンバー247」は、化け物の不気味さだけでなく、ヒューマンドラマとしても秀逸なものだった。
シャフト・ナンバー247は、読んだあと精神的にくる。
地底・穴倉の底、暗がりの陰鬱とした中で暮らす人々、住人たちを守る地下通路の監視員たち。
一日中仄かなライトの灯りの元で生活する彼ら。まったく太陽を拝めない生活なんて、我々であったらいくらインドア引き篭りの人間であっても考えられないことだ。
そんな中で起こる非常事態。
それを調べて行方不明になった者、彼の後を追う友。そんな部下と過去の事件を不審に思い、調べ始めた主人公の監視主任もまた、、、。
この話の恐ろしさは、地下社会上層部における人間たちの暗黙のルールである。
決して興味を持ってはいけないこと、立ち入ってはいけないことに触れてしまったが最後、忽ち組織から弾かれてしまう徹底した切り捨て。
秘密をどれくらい知ったかが問題ではない。
あんなふうに扱われてしまったら、もうあちら側に行くしかないではないか。
そういう意味で、この物語はかなりずんときた。
クトゥルフ神話、かなり面白い。
この本は全巻近くの図書館にあるので、ゆっくり読んでいこうと思う。
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