ミジンコの屋内飼育方法【単為生殖と有性生殖】
改良メダカブームのおかげなのか、ミジンコにも注目が集まっている気がしてならない今日この頃です。
今回は東京薬科大学のプレスリリース版ミジンコの生殖(単為生殖と有性生殖)を参考に書いていきます。参考文献は一番最後に載せておきますのでご了承ください。
ミジンコ Daphnia pulex の単為生殖と有性生殖
単為生殖とは?
子孫をつくりだす生殖方法で、『メス♀』のみで子孫を増やす方法を
単為生殖といいます。
前回の記事でミジンコにもたくさん種類があることは書きましたので、今回のお話はそちらを読んでから読むとよりわかる内容になります。
ミジンコ Daphnia pulexは生息する環境が良いときは、単為生殖で子孫を増やします。単為生殖は子孫を残す際に『オス♂』を必要としないのです。
この時、産まれてくる子孫は全て『メス♀』となります。
これを雌性単為生殖といいます。
有性生殖とは?
ミジンコ Daphnia pulexにとって環境が悪くなった場合、産まれてくる子孫が『メス♀』のみだったのが、『オス♂』も産むようになります。
ミジンコにとって環境については別の記事で書きます。
ミジンコ Daphnia pulexにとっての悪い環境を簡単に書くとエサがなくなったり、水温が下がったり、日の当たる時間が短くなることを表しています。
『メス♀』ばかりだったところに『オス♂』が産まれることによって、行なわれるのが有性生殖です。
『オス♂』と『メス♀』が生殖することを有性生殖と言います。
有性生殖によって、ミジンコたちは、耐久卵という受精卵を作ります。
耐久卵とは?
ミジンコ Daphnia pulexの耐久卵とは、冬の厳しい環境下を耐え抜くための卵です。乾燥や気温の低下に強い卵の状態で、冬を越すのです。
冬が終わり、春が来て気温、水温が上昇し、環境がよくなると、
また『メス♀』のみで単為生殖を行なって子孫を増やします。
これがミジンコ Daphnia pulexの生殖サイクルです。
ミジンコ Daphnia pulexの生殖サイクルは環境に依存しているということになります。
タマミジンコ科 Moinidae の生殖サイクル
タマミジンコ科 Moinidae の場合、生殖サイクルは環境に依存しません。
一年を通して単為生殖と有性生殖の両方を行ないながら、子孫を増やします。ミジンコ Daphnia pulex と同じところは、耐久卵の孵化条件です。
耐久卵の孵化は、環境が良くなければ孵化はしません。
環境が悪い状態で孵化すると、絶滅してしまうからです。
ネット通販でタマミジンコを買った場合
ネット通販でタマミジンコを買った場合、
生体を買ったはずなのに、泳いでる個体がいない!場合があります。
季節や輸送の関係でタマミジンコが一斉に有性生殖を行なって、届いたときには耐久卵になっている可能性があります。(詐欺の場合もあります)
なので、届いたビニールでも容器でも構いません。
その中に、水温が25℃程度のグリーンウォーター、もしくはメダカの飼育水を入れてみてください。
1~2日ほどで、泳ぐミジンコが現れると思います。
以下参考文献
ミジンコの生殖(単為生殖と有性生殖)|まめ知識|応用生命科学科|学科紹介|生命科学部・大学院(生命科学研究科)|東京薬科大学 (toyaku.ac.jp)