Asumi_inVancouver

カナダの大地と、日本の間で考えたこと。 stand.fmで音声配信もしています。

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独身でいる勇気

私は今年で29歳になる独身女だ。家族も親戚もない異国の地で、楽しく気ままな一人暮らしを続けている。 海外生活も10年目に突入し、気づけば日本でいうところの「結婚適齢期」に入ってしまっていた。それに伴い、日本を出て以来ずっと無関係でいられると思っていた「『誰かの妻になる』という社会的義務」を果たそうとしていないことへの負い目が、自分の中で最近肥大してきているような気がする。 私の住むカナダ、バンクーバーでは、パートナーはいても籍は入れないと言う女性や、子を持たないという選択

    • アメリカ大卒の現役人事が教える、英文レジュメを書くときの重要ポイント6選 〜AIやネットに賢く頼ろう〜

      ワーホリやボスキャリのために英文で職務履歴書(レジュメ)を書いたことのある方で「そもそも面接に呼ばれない」「自分にもアピールできる実績があるはずなのに、うまく言語化できない」という悩みを感じたことはありませんか?英語圏で職探しの場数を踏んでいない場合よくぶつかる壁のような気がします。アメリカに来たばかりの頃の私も、同じ悩みを持っていました。 それから10年、今はカナダに住んで人事の仕事を担っています。レジュメとLetter of Interest(志望動機の手紙)はかなりの

      ¥400
      • ごめんね隣人、優しくできなくて

        バンクーバーで借りている私の家は、とても変な構造をしている。1970年代に建てられた木造の一軒家を、三世帯に切り分けて大家さんが貸し出している。不思議なことにそれぞれの居住区が完全に独立しており、玄関ですらそれぞれに1つずつある。(共有しているのは洗濯室とゴミ捨て場くらいだ。) 以前に書いた犬を飼っている家族は二階に住んでいて、その家の玄関と二階に上がる階段が、一階に住む二つの居住エリアを仕切っている形となる。ネットに落ちていた家の間取りを見る限りそのどちらも1DKだ。その

        • カナダ ワーホリと永住権の現状(2024年4月現在)

          最近お友達になれた日本人の方がまた一人、帰国してしまう。これで何人目だろう。 ワーホリビザでカナダに来る方は、コロナ禍が落ち着いて以来増えている。が、今春の失業率は6%と、観光シーズンを前にしては少し厳しい。 準ネイティブ並みに英語ができたり、スキルをトランスファーできる仕事を日本でもしていた人は別として、たいていの人は日本食レストランでサーバーとして雇ってもらったり、カフェでバリスタとして働くケースが多いと聞く。しかし言わずもがなの世界規模でのこの物価&家賃高騰の中で外

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        独身でいる勇気

          私、ブスじゃなかった

          「女の嫉妬は怖い」というと主語が大きいですよね、失礼しました。 以前付き合っていた人の女友達に、私とは正反対な、Cちゃんという子がいました。私と同い年の子で、世界的に有名なコンサル企業で働いています。実家も裕福で、いいところのお嬢さん。私はその子に嫉妬していたことがあります。 華奢で目も大きく可愛らしいCちゃんとは、いつか仲良くなれたらいいなと思ってはいました。ですが、自分の中にどうしても引っかかる点がひとつありました。それは彼女が「永遠に自分の話しばかりする」タイプの女

          私、ブスじゃなかった

          構造的に気になってしまうだけ

          TBSラジオでやっている町山智浩さんの映画評論「アメリカ流れ者」が好きで、ポッドキャストの更新を毎回楽しみにしている。 私は映画をよく一人で観に行くので、同じ映画を見た全く別の人がどう感じたのか、どう分析したのかを聞けるのはとても興味深い。また町山さんはアメリカ生活が長いこともあってか、映画のチョイスやコメントからいつも弱者への思いやりがあると感じられて、その点でもこの番組のコーナーが好きなのだ。 今日聴いた放送の中では「非常に残念な男(Shortcomings)」というア

          構造的に気になってしまうだけ

          隣人の犬は「可哀想」なのか、それとも

          よくあるご近所トラブル、騒音問題。私が住む賃貸の部屋で体験している騒音は、ちょっと不憫に思えてしまう、隣人の飼い犬に起因している。 上の階にすむ家族が飼っている小さな白い犬は、体に比例せず、元気な声でよく吠える。郵便屋さんにも他の犬にも、すぐ吠える。それは特に気にならないのだが、私の神経に触れるのは「家族の誰かが構ってくれていないと、玄関に向かって必死に鳴き続ける悪習」だ。コロナ禍で家に誰かがいつもいる環境に甘やかされたらしく、誰か構ってくれる家族のメンバーが帰ってくるまで

          隣人の犬は「可哀想」なのか、それとも

          午後4時、バンクーバーの地下鉄から愛を込めて

          オフィスからの帰宅途中、駅前の大きな薬局の前でバスを降りる。空はどんよりと重く、今にも小雨が降り出しそう。 ホットドックの屋台をすぎたところにある街頭の根元に、ボロボロの格好をしたおじいさんが座っている。ドーナツ屋の赤い紙コップを手に、道ゆく人たちから小銭を求めている。首からぶら下がっているのは「今日は僕の64歳の誕生日です」と書かれた段ボール。 早くも帰宅ラッシュが始まっている交差点で、チューリップの花束を抱えた男性とすれ違う。誰か特別な人の誕生日なのだろうか。 地下

          午後4時、バンクーバーの地下鉄から愛を込めて

          「将来なりたい自分像」をドラマから探す

          今年の目標のひとつが、将来の自分のための「大人としてのモデルケース」を探すというもの。これはしいたけさんの、双子座 2024年上半期の占いを読んでから、少しずつ実践している。 この視点を持ちながら、日本のドラマを観ると深みが増す。たとえば10年後の自分がどうなっていたいかを意識して、アラフォー女性が主人公のドラマを積極的に観るようになった。今日はそんな視点からも楽しめる、特にアラサー、アラフォー女性におすすめしたいドラマを三本、紹介していきたい。(現在2024年1月時点では

          「将来なりたい自分像」をドラマから探す

          なぜ自分にひどいことを言ってはいけないのか

          毎年受験シーズンになると思い出すことがある。高校3年生の冬、勉強机の上に立てかけていた小さなホワイトボードのことだ。自分に叱咤激励のメッセージを書いて、勉強する際に見るようにしていた。当時は高校の裏にある寮に住んでおり、夜は机の横の大きな窓から、まっさらな雪が積もっていく様子がよく見えた。 当時の私は、東京のとある有名私大の一般試験に受かろうと猛勉強していた。高校一年生の時に進学を志望にしていた学校なのだが、紆余曲折を経てアメリカで正規留学をすることにしたため「もしも進学先

          なぜ自分にひどいことを言ってはいけないのか

          ほんとうに、出会い方の問題なのか

          結婚相手や恋人探しを前提に作られたマッチングアプリは、今や日本でもかなり市民権を得てきているように感じる。 かれこれ15年ほど前にはまだ「出会い系」と呼ばれ、未成年が犯罪に巻き込まれるなど悪いイメージも多かったインターネット上での出会いの場。それがかなり整備された昨今の「オンライン恋活・婚活マッチングサービス」は、消費者庁が「2026年には1,657億円になる」との予測を立てるほど、しっかりと収益の見込める市場となった。(Mitsubishi UFJ Research and

          ほんとうに、出会い方の問題なのか

          簡単な自己紹介

          名前:Asumi 名前の由来:明日がやって来る方向を見る、forward looking(未来志向、前向き)の意。 出身:千葉県。海外の方には「成田国際空港の近く」と言うとなんとなくわかってくださる。または東京のベッドタウンという意味で "outskirts of Tokyo"と説明する時もある。 経歴:日本生まれ、日本育ち。高校2年生時にオーストラリアで6週間留学したことをきっかけに、英語「で」勉学、生活したいと思い、本格的にアメリカ大学正規留学を目指すように。 学

          簡単な自己紹介

          バンクーバーで鯖チゲ鍋を作る

          北米に大寒波が来ている。雪が降ること自体が珍しいバンクーバーでも、今回は雪が20cmくらい積もった。 そんな寒い冬にぴったりな料理を見つけた。私の大好きな運動系YouTuber、竹脇まりなさんが動画で紹介されていた「赤の脂肪燃焼スープ、韓国風の魔法のチゲ鍋」である。早速作ってみた。 バンクーバーではT&Tという中華系の大型スーパーマーケットに行くと、東アジアの食材はだいたい揃う。Save onやNo Frillsといった主流の大型スーパーに行っても、キムチや鯖缶なんぞいいも

          バンクーバーで鯖チゲ鍋を作る

          「傾聴」や「優しさ」の、その先

          「ままちゃんはぶっとびカウンセラー」というインスタグラムのアカウントが最近のわたしのお気に入りである。元保育士の心理カウンセラー「ままちゃん」さんと、ままちゃんの娘である「娘ちゃん」さんのお二方で、心理学を中心とした発信をされている。笑いの絶えない明るい空気感と、コメントに対する優しさに溢れた回答に癒されつつ学びを深められる、素敵なコンテンツだ。 月額400円でこのアカウントのサブスク会員になると、過去に配信された長めのライブ動画がアーカイブで観られる。その中の一つに「傾聴

          「傾聴」や「優しさ」の、その先

          翻訳できない言葉:「スパイシーな唇」

          カナダの不思議な法律の一つに「公共の場で飲酒をしてはいけない」というものがある。道路や公園はもちろん、バスや電車の中でもアルコール飲料の入れ物を裸で持っていてはいけない。そんなわけで、プルタブの開いた缶ビールを布や紙で覆って飲んでいるという、よくわからない状態の人とすれ違うことも多々ある。今日バスで見かけたある男女もそう。 華の金曜日、午後5時過ぎ。すっかり暗くなったバンクーバー、その日の気温はマイナス12度。指や鼻や耳も、何かで覆っていないと痛みを感じるほどの寒さだ。普段

          翻訳できない言葉:「スパイシーな唇」

          書けなかった5年間

          23歳の時に書いていた昔のnoteアカウントが出てきた。もうログインの仕方も忘れてしまったが、そこにある記事を読むと、まるでタイムカプセルを掘り起こしたような気持ちになる。カナダで大学院進学をした2018年の夏を境に、更新は途絶えている。 noteを離れていたこの5年間の間、日本語でエッセイや小説を書くことが満足にできていなかった。カナダでの生活で当たり前のように英語でのインプット・アウトプットをしなければならない場面が生活の中で多かったせいもある。けれど、根本的な理由はそ

          書けなかった5年間